過去の経緯や現状説明から始まっているため、さらに余計に読みにくい

 今日市のホームページを開いたところ、来週月曜日、11月14日の病院評価委員会の会議資料が公開されていました。「野洲市民病院整備基本構想・基本計画(案)」。参考資料を入れて全体で119ページ。概要版がないので、要点をつかむことができないので、手早く読み解くことが困難。おまけに、説明が過去の経緯や現状説明から始まって、新しい計画に及ぶ形になっているため、さらに余計に読みにくい。

 

 

急性期病棟は約半減で50床 説明もなく新たに維持期病棟50床 立体駐車場は消えた 無理な駐車場計画

 とりあえず今日のところは、これまで伝聞情報で紹介したところの確認を中心に紹介します。

  まず、急性期病棟は既報通り、約半減して50床。その代わりに維持期病棟50床が新たに加わっている。維持期病棟とは聞きなれない病棟名だが、市の資料には目を通したかぎりでは説明がない。ネットで探ったところ、「維持期リハビリテーション病棟」というのがあった。

 例えば、神戸市にある「本山リハビリテーション病院」のホームページでは次のような説明になっている。

 「障害のある方が充実したリハビリテーションや看護・治療を受け、地域での在宅生活ができるように支援することを目的として、2013年8月1日に維持期リハビリテーション病棟(障害者・一般病棟40床)がオープンいたしました。」一般病棟(急性期病棟)扱いではあるが、通常の急性期病棟ではない。なぜこの病棟に50床も充てるかの説明が、目を通した限りでは記載されていない。

 なお、全体の病床数は、議会での稲垣議員の主張どおり、現市立野洲病院と同じ199床に戻ってる。駅前Bブロック病院からは34床もの増加。Aブロック病院と比べても20床の増。通常の一般病床を半減しながら、全体を増床するのは異常。どこが「身の丈に合った」なのか?

 また、立体駐車場がなくなって、市民懇談会資料での約400が320台になっている。その代わりに病院側の駐車場を増やすことになっている。しかし、病院ができてからの物資・資機材、そしてガス類の搬入路を考えると、この駐車場の詰め込みには無理がある。さらに言えば、開院中に火災が起こった場合消防車を入れて消火活動ができないのではないか?

 

急性期病棟50床病院に手術室が3室も? 開院後5年での黒字には積算根拠なく無理 屋外階段移設等の体育館事業費は?

 以上のほかにも、資料には多くの疑問や問題点がありますが別に改めて紹介します。ただし、たちまち気が付いたところを順不同にあげると次のとおり。なお、評価委員会の委員長がこの資料を審議にかけることをあらかじめ了承したことには驚きます。

①急性期病棟50床の病院であるのに手術室が3室もあること。

②厨房が3階にあることになっているが、使い勝手が悪いうえに、そもそも厨房としての面積でなく、配膳室でも厳しい。

③院外薬局が院外でなく院内に組み込まれている。制度上可能かもしれないが、1社独占になる。

④過去の計画との事業費比較が示されているが、条件が異なっているため適正でない。

⑤体育館病院事業費の中に体育館の屋外階段移設等の事業費が入っているかどうかが不明。

⑥事業収支計画の概要では開院後5年で黒字となっているが、枢要な積算根拠が示されていないため信頼性がない。全体的な悪条件からすると、通常は開院後5年での黒字には無理があるのではないか?なぜそこまで見かけを良くする必要があるのか?

⑦建物が折れ曲がっていることなど、全体に窮屈で無理がある。一見するところでは、市民や医療関係者に開かれた病院というより、籠城型病院。いったい、誰が籠城するのか?

⑧スケジュールがこれまでと基本的に変わっていないが、無理がある。

⑨上でも触れたが、通常の一般病床を半減しながら、全体の病床数を議会での稲垣議員の主張どおり、現市立野洲病院と同じ199床に戻したこと。土地の面積が狭く、事業費を抑えながら増床するということは、需要が高まっている個室を減らし多人数室(大部屋)主体にするという逆行。また、「身の丈に合った」という市長の主張とも整合性が取れない。これで、90~95%の稼働率を見込むことには無理がある。