評価委員会委員は、だれもこれまで体育館病院について態度を明らかにしていない

 11月14日の病院の評価委員会まで10日を切っているので、おそらく委員には会議資料が配布されていると思われます。個人の資格で委員になっているのでなく、団体の代表として委員になっている場合は、組織の意見を集約するためにはある程度の時間が必要になる。その典型が自治連合会。

 自治連合会の代表を含め、評価委員会の委員は、だれもこれまで体育館病院について意見表明や態度を明らかにしていない。それも当然ことで、評価委員会は約1年前の2021年11月22日に開かれて以降開催されていないので意見表明の機会はなかった。

 

 昨年11月の会議では、幻のBブロック病院の基本計画案等の議論であった。市が示した案では、駅前Bブロックに165~170床の病院を建てる。病床内訳は、一般病棟(急性期)76~81床、地域包括ケア病棟48床、回復期リハビリテーション病棟41床。市長は体育館病院においてもこのBブロック病院方針を基本とすると公言してきた。この時の会議は当日のブログで「野洲市Bブロック病院の評価委員会 5つの不自然 実質何もかも未定」の標題で紹介したように、本質的な議論はなかった。

 

 

 

主な論点 ①立地の適正さ②総事業費③運営の収支見込④医師会の意向 

 そこで気がかりなことは、自治連合会が体育館病院に対してどのような方針なり姿勢で評価委員会に臨むのかということ。委員長を含め14人の委員のなかで、自治連合会代表は唯一市民全体を代表する立場。

 市長の意向では、評価委員会の後、形だけの市民懇談会を開くだけで、いきなり11月議会に体育館病院の設計予算案を提出し、可決されれば、突っ走ろうとしている。そうなれば、当然引き返すことは困難。万一そうする場合でも、手続きと財政負担は大きい。

 したがって、次回の評価委員会の審議は極めて重要。審議の主な論点をあげると次のとおり。

①立地の適正さの問題。具体的には市民及び職員にとっての便利さと土地の安全性。このことは後の③の収支見込にも大きく影響する。

②総事業費の問題。建設費が高騰している。また、単純に病院を建てるだけでなく、大型屋外階段の移設や国スポ対策など高額な経費が余分に必要となる。事業費の積算精度が高いものであることの検証が必要となる。

③運営の収支見込の問題。高額な建設費やシャトルバス運行経費などの支出膨張と交通不便さなど不利な条件による収入圧迫という、当初の駅前計画と比べ厳しい条件の中で収支見込が本当に成立するのかの検証が必要。

④医師会の意向の確認。これまでの医師会のチラシでは、医師会は昨年市長から提案があった駅前での病院整備を現在も主張し、体育館病院に対しては賛成をしていない。市民の健康と医療を守るとともに、患者紹介など病院経営にも大きな影響力を持つ医師会の意向を無視した判断はできない。

昨年5月の評価委では大勢は駅前だったが、角野委員と自治連合会代表だけが実質郊外案を主張

 ところで、昨年11月の評価委員会の前の会議は、昨年5月11日に開催された。そこでは、市長があげた駅前Bブロック、体育館、さざなみホール隣接地の3候補地に加え、議会提案の駅前Aブロックの4候補地を前提に場所の議論がされることになっていた。しかし、先日もあらためて紹介したように、滋賀医大学長の上本委員長が病院を「どこにするかは市が決める。」方針を示したため、会議は「小田原評定」で終わった。ただし、委員の意見の大勢は駅前支持であった。

 しかし、そのなかで、滋賀県の医療行政の責任者で三日月知事の信頼がとりわけ厚い角野委員と当時の自治連合会代表だけが実質郊外案を主張した。角野委員は、(駅前はダメとの)民意が出ているのに振り出しに戻すのはおかしいとまで主張。なお、昨年3月1日の評価委員会では、この角野委員は市長がすでに白旗を掲げた公約の現地半額建替え案を貫くべきだとひとり強硬に主張していた。

 14日の会議に角野委員が出席するかどうかは不明だが、今回は彼の意向通りになっているので、異存はないだろうが、新しい自治連合会代表はどのような方針と姿勢で会議に臨み意見を表明するのかが注目される。その影響と責任は極めて重くなっている。