「駅前の土地に、市立野洲病院を建築することしか考えられません。」

 新病院整備について医師会などが中心になって出されてきたチラシの4弾めが今日届けられました。今回も市内に配布されている。

 チラシの表は文字だけ。「何故、野洲市は、病院が所有する駅前の 土地を捨ててまで、 通院・通勤に不便で、立地条件の悪い プール跡地に 市立野洲病院の建築を 推し進めるのでしょうか? 」と大書されている。

 そして、裏面には、4項目にわたって駅前病院の利点と体育館病院の欠点が述べられ、最後は「病院が所有する 駅前の土地に、市立野洲病院を建築することしか考えられません。」の意見で締めくくられている。

 まず、チラシの概要を紹介します。各項目の標題はそのままですが、説明は要点を紹介します。

①通院の利便性を大切にしましょう 

 今後高齢化が進むと車を運転できない人ににとっ て、バスを乗り継いでの通院は大変。また、送迎する家族の負担は計り知れない。体育館との駐車場の共有では、通院のための駐車台数が確保できない。

②良くない環境の病院はいりません

 電磁波の人体への影響が否定できないなかで、7万7000ボルトの超高圧送電線の直下に高層の病院を建て、患者さんやそこで働く職員を危険に晒すわけにはいかない。

③新たな看護師寮や薬局の建設は無駄な出費です 

 深夜に通勤する夜勤の看護師には病院隣接の看護師寮は絶対必要。また、プール跡地の病院には複数の院外薬局の誘致が必要。しかし、今でさえ手狭な敷地に、看護師寮、複数の院外薬局を建てて、人・車(特に 救急車)の導線は確保できるか?また、病院建築費に付属施設の建築費が追加になる。

④駅前での病院建設は時代の流れです 

 駅前に立地している病院は数多くある。桑名市総合医療センター、JCHO大阪みなと中央病院、大阪医療センター、 弘前総合医療センターなど。また、箕面市立病院、生駒市立病院は、新しい病院を駅前に建築しようとしている。さら に、福島県では、JRいわき駅北口駅前に、総合医療施設を中心にした開発が計画されてる。

駅前の土地に市立野洲病院を建築することしか考えられません

 チラシの最後のメッセージは次のとおり。

 「いち早く老朽化した市立野洲病院を、引き続き、救急・急性期治療も行う、地域包括ケアの基幹病院の機能を持った病院に建て替えること、通院・通勤の利便性、患者さんの療養・職員の就業環境、建築費を抑える、経営状態を良くし市民への財政負担を軽くするためには、病院が所有する 駅前の土地に、市立野洲病院を建築することしか考えられません。」

 

医師会が市民目線で意見形成し、市長が役所目線で独断的に体育館病院案を進めようとしている構図

 以上の内容は、体育館病院方針が示されて以来、市議会や市民懇談会などで出された意見と基本的には同じ。それら意見を改めて地域医療の専門家の組織が改めて意見として表明したことは重い。

 栢木市長は体育館病院案で突っ走ろうとしているが、14日に評価委員会を控えて医師会がこのような意見を公に表明したことはある意味異常な事態。14日の評価委員会では体育館病院の基本計画案等を審議し、その日に評価委員会の意見を集約しようとしているが、この状況では無理がある。

 今の状況を見ていると、専門家組織の医師会が市民目線で意見形成をしているのに対し、本来市民目線であるべき市長が役所目線で独断的に体育館病院案を進めようとしている構図が浮かびあがってくる。市長の視線はどこを向いているのか?