同じ小学校での今年2月のいじめ事件に質問が集中 「栢木進市長が『報告はなかった』と明言」

 野洲昨日10月3日の市長記者会見で市立小学校の教員によるいじめ事件が話題になって、今朝の各紙で報道されている。これらを読むと、野洲市の教育は底なしの闇状態ではないかという暗い気持ちに陥る。

 昨日の会見では、すでに詳しく報道された今年5月以降の小学2年生の担任による児童に対するいじめに加え、詳しく報道されなかった同じ小学校での今年2月のいじめ事件に質問が集中した模様。事件の概要は次のとおり。

 「野洲市立小学校で二月、当時四年生の担任だった三十代の男性臨時講師が児童をアニメキャラクターに例え、同級生がその児童をからかういじめに発展し、担任を代えた問題で、市教委が市長や県教委に報告を怠っていたことが分かった。」(中日新聞2022年10月4日)

2月のいじめ事件 「栢木進市長が『報告はなかった』と明言」 過去の重大事態と教育長も次長も同じ人物 「市長交代は関係ない」のであれば、何が関係するのか? 

 昨日の会見での記者たちの強い関心は、2件の事件について市長が知っていたかどうかというのと公表の問題。このことについては記事は次のとおり。まず2月の事件について。

 「栢木進市長が『報告はなかった』と明言。市教委の担当者は『本来なら県教委や市長、報道各社に報告すべき案件だった。認識が甘かった。申し訳ない』と繰り返した。二年前に市長が交代後、行政事務を含めたミスや不祥事の公表件数が激減している現現状を問われ、栢木市長は『公表するなとは言っていない』とし、市教委の担当者は市長交代は関係ないと答えた。」(中日新聞2022年10月4日)

 先日も紹介したように3年ほど前、残念ながら市内の学校でいじめの重大事態事案が起こった。その時は、弁護士等も入れた第三者委員会を設置し対応するとともに、プライバシーに配慮しつつ情報の公表を行った。その時と教育長も次長も同じ人物。「市長交代は関係ない」のであれば、何が関係するのか?

 

 

公表より肝心なことは専門家による当事者のケアと第三者委による調査と評価 プライバシーに配慮した公表は当然の基本

 最後に5月以降のいじめについて。記事は次のとおり。

 市長は、「五月以降のいじめは『八月末か九月上旬に聞いた』と説明。『公表すべきだとは言わなかった。頭がそこまで回らなかった』と釈明し『青少年活動に長年携わっており、子どもを守らなければいけないという意識が働いた』とも答えた。」(中日新聞2022年10月4日)

 今年度の事件については、記事によっては8月頃になっている。市長は1月余り前の記憶が定かでない模様。

 「栢木市長は今年度の事案については8月ごろに市教委から報告を受けたとして、『子供のことを第一に考えるべきだと思い、公表のことまで頭が回らなかった』と釈明。今後、同種事案が起きた場合は、公表するように市教委に伝えるとした。」(毎日新聞2022年10月4日)

 公表より肝心なことは、まずはスクールカウンセラーなどの専門家の協力で児童、保護者、教員など当事者のケアをすることと第三者委員会による調査と評価。そのうえでの慎重な公表。

 『子供のことを第一に考えるべきだと思い、公表のことまで頭が回らなかった』はいつものように上手い言い回しだが、意味をなさない。

教員は子供たちから慕われていた 教員を悪者にして済ましては改善望めないし、当事者は救われない 今のところ闇は底なし

 ところで、昨日市民から電話があって、5月以降の事件の教員が担任していた児童の家族が、当該教員は子供たちから慕われていたと言っているという話を聞いた。

 また、今日は、20年ほど前に当該教員が市内の他の小学校で勤務していた時に子供の担任だったという元保護者に出会った。その人も、優しい先生、あえて言えば、子供思いの穏やかで優しすぎるぐらいの先生だったと言っていた。教育長と市長の話を報道で知る限りでは、今回の事件は構造的な問題。教員を悪者にして済ましては改善は望めないし、当事者は救われない。県教委の対応が注目されるが、いずれにしても今のところ闇は底なし。