県立高専立地 市広報チラシは凱旋報告? グラウンド整備が上がっていない

 昨日9月1日の新聞に折り込まれていた市広報紙に捌刷りチラシ1枚が挟まれていました。県立高専の場所が野洲市に決まったお知らせ。

 標題は、「滋賀の高等専門学校(高専)野洲市に設置決定! ~令和9年開校予定~」。いわば、凱旋報告のようなもの。

 立地の利点として、報道にあった、新快速停車駅であり、徒歩でのアクセスが可能なことや周辺の「製造事業所」でのインターンシップなどがあげられている。加えて、現存する河辺林等を活かした自然環境学習が可能や「隣接地に市が整備予定の河川防災ステーションを活用した防災・減災学習が可能 」も。ただし、市による高専のグラウンド整備は上がっていない。

 

 

場所決定先行 立地を自慢すると同時に、グラウンド、防災ステーション等の整備手法と事業費の情報提供が欠かせない 

 また、このチラシには高専予定地の位置図が添えられている。これで見るかぎり駅からのアクセスは1.3㎞ではなく、約2.2km。

 以上のことに加えて、この凱旋報告チラシを見て改めて気になったことは、場所決定が先行ということ。言い換えれば、工程表のない場所決定。

 チラシのQ&Aには、次のようにある。

 「Q.令和9年までの具体的なスケジュールは?

 A.現時点で具体的なスケジュールは公表されておりませんが、詳細がわかり次第、広報や市ホームページでお知らせします。」 

 三日月知事は、これほど県内の自治体を巻き込んで誘致合戦を繰り広げておきながら、立地自治体にも今後のスケジュールを知らせていない。

 まともな事業であれば、全体の事業工程表(スケジュール)がすでにあって、そのなかに立地決定も位置付けられているはず。要するに、野洲市の体育館病院と同様にまずは最善の場所選びが先行。

 ところで、今朝、知人からの電話で、市内のある学区の自治連合会長が高専の立地決定を栢木市長の大きな成果だと評価していたという話を聞いた。また、別に、体育館病院に反対の議員のなかにも高専の立地決定を成果だと評価する議員がいる。

 そのことに水を差すつもりは全くないが、評価すると同時に、高専のグラウンドや国のための河川防災ステーション、さらには河辺林等を活かした自然環境学習の場整備の手法と事業費など市の負担が明らかにされたうえで、市民の了解を得る情報提供が欠かせない。