体育館病院は当初の駅前病院より高額になる恐れが高い

 今朝思い浮かんだ言葉が、標題の「野洲市病院と駅前開発 もう時間がない!」でした。現在、11月定例会に向けて体育館病院の基本計画等の策定が進められている。しかし、以前から心配してきたとおり、時間がない。夏休みの宿題を月末ぎりぎりに仕上げようと無理しているような状態。

 特別委員会や市民懇談会で示されたレベルの情報では、基本構想・基本計画の成案としては耐えられない。5月18日の特別委員会では、事務局の説明直後、稲垣議員が案は完璧である趣旨発言した。しかし、「市長与党会派の」副代表である奥山議員が議会で100億円を越える事業であると発言。また栢木市長自身も9月5日付けの市民からの手紙回答で、「贅沢ではなくても建築費用については相当以上を必要とする可能性があると考えています。」と予防線を張っている。これでは、当初の駅前病院より高額になる恐れが高い。

 このような大事業をやっつけ仕事でやることは無謀。市民の意見を無視し、議会は通りかもしれないが、評価委員会が通るのか?そもそも、このような手続きで評価委員会が開けるのか?

 

 

「スケジュール通りに整備を進めるのは極めて拙速」 1月の「市長与党会派の」要望書どおり

 このような状況で、やっつけ仕事で計画を進めて良いのか?時間が足りないことは明らか?また、駅前開発も同様に時間が足りない。

 市長は、一刻も早く病院事業債を繰上償還して、売却か賃貸を狙っているようだが、起債を繰上償還しても病院用地であることに変わりはない。いくらか栢木市長と入魂(じっこん/じゅこん)の仲である滋賀県の三日月知事でも、新病院のめどが立たない中で、市条例を無視してまで繰上償還を認めるわけにはいかない。

 ここまで書いてきて、気が付いたことは、現在市長が則っているシナリオ(筋書き)は、「市長与党会派の」の市議6人が連名で1月5日に出した要望書。そこでは、駅前Bブロックをやめ、駅前市有地をを商業開発に利用するよう求めていた。その後の、議会発言では、A,B、Cブロック全体の売却を主張。

 当時の新聞では次のとおり報道された。「本紙の取材に奥山副会長は『新病院は駅前ではなく、郊外に新たな用地を求めて整備すべきだ』と指摘。栢木市長は『内容を精査し、対応を検討する』と語った。」(中日新聞2022年1月6日)

 ただし、同時に次のとおり報じられていて、まさに今の体育館病院の状況に当てはまる。

 「『スケジュール通りに整備を進めるのは極めて拙速。市にとってリスクが大きく、将来に禍根を残す』と指摘。計画を見直し、A、Bの両ブロックや近接地を含む駅南口全体を複合商業施設整備地区と位置付け、開発を進めるよう方針転換を促した。」(中日新聞2022年1月6日)

 

小学校教諭のいじめ報道 条例の第三者機関の関与を経ず密室処理 市長が絶賛した教育長が事件を密室処理 法・条例でいじめ問題の最終責任者は教育長でなく市長

 ところで、これを書いている途中で、参考に市のホームページを見ようとして、「野洲市」でネット検索したら、先に出てきたのが、小学校担任の教諭によるいじめ誘発報道。今はこれに触れる余裕はありませんが、報道から知る限りでは深刻。まずは、被害の児童と保護者のことが気がかりだが、教諭の行為もさることながら、教育委員会の対応そのものが、ずさん。「野洲市いじめ防止等対策条例」に基づく第三者機関の関与を経ずに、内部的、言い換えれば密室処理をしている模様。また、過去の重大事案の経験がまったく生かされていない。9月8日の市議会本会議で稲垣議員と栢木市長が揃って西村教育長を絶賛したが、すでにこの時、この事件は密室処理されていたことになる。市長は、この時点ではまだ教育長からこの重大事件の報告を受けていなかったのか?

 法でも、市条例でもいじめ問題の最終責任者は教育長でなく、市長。「野洲市いじめ防止等対策条例」第12条には、「協議会に会長を置き、市長をもって充てる。」と定められている。

 なお、この事件は、全国ニュースで大きく報道されているのに、地元のびわ湖放送では、またもや忖度してか、報道がない。

「病院事業はどう評価されているのか」「B評価である。」 「駅前南口周辺整備事業は見通しが立っていない」

 話がそれましたが、市ホームページによ最近の部長会議録がようやく掲載されていた。丁度気になっていた事が報告されていた。正確を期して長めに引用します。

 まず、9月20日の会議録の「第2次野洲市総合計画・総合戦略施策評価結果(令和3年度分)および今後の対応について」の報告。問 病院事業はどう評価されているのか。

答 「健康づくりの推進と地域医療体制の整備」として評価しており、B評価である。今後の対応としては、『市民の求める新病院の早期整備に向け、現場の医療職の具体的なニードを十分聞取りながら、整備事業を推進する。』としている。

問 駅前南口の整備事業は評価の対象となっているのか。

答 施策評価は、各種施策の指標や、主要事業の進捗度等の項目を基に行うが、駅前南口周辺整備事業は見通しが立っていないことから主要事業としていなかったため、評価項目にしていない。

市長地元祇王学区自治連合会より病院早期着工等の要望書! 「拙速に進めると課題の解決ができないまま見切り発車にならないか」

次に9月26日会議録の「野洲市民病院早期着工早期完成に関する要望について」の報告。栢木市長の地元から要望書が出されたようである。

事務局説明 令和4年8月 29 日付で、祇王学区自治連合会より野洲市民病院早期着工早期完成に関する要望書が提出されたので、その内容と9月 16 日付で回答した内容について報告する。

問 回答の内容について、「市民、評価委員会、市議会においてこれをお認めいただいたのちは、」とあるが、市民に認めてもらうというのは、説明会を開催するということか。

答 11 月に評価委員会、市民懇談会、市議会特別委員会の開催を想定している。

問 11 月中に成案をめざす、とあるが、11 月中に臨時議会を開催していただくのか。

答 11 月に開催予定の市議会特別委員会の中で基本構想、基本計画の案を確認いただき、12 月の定例会で事業化予算を提案していく。

問 庁議に諮り承認された情報を評価委員会、市民懇談会に出すのであれば、スケジュールが非常にタイトに感じる。拙速に進めると課題の解決ができないまま見切り発車にならないか。

答 現在、病院内部で十分な協議をしており、その後、庁議に諮る段取りで進めている。

要望書は、期待と応援の表れか、それとも焦りか? 「病院内部で十分な協議をしており」は本当か?

 このように、内部で病院事業評価がB評価。駅前南口の整備事業は「見通しが立っていない」。また、市長の地元からは、病院早期着工早期完成に関する要望書が出される。この要望書は、期待と応援の表れか、それとも焦りか?

 さらには、内部の幹部会議では、「拙速に進めると課題の解決ができないまま見切り発車にならないか」の発言まで出る状況。

 ところで、「現在、病院内部で十分な協議をしており」は本当か?

 すでに事態は火の車。それが慌てて走れば、さらに危険が増す。