管理者に「補助機関」あるが、補助職員いない 仕事への期待よりは医大学長からの推薦への配慮人事?

 今日9月7日、市議会本会議での一般質問をネットで傍聴したので病院に関するところの概要を紹介します。

 まず、鈴木議員が病院に関して質問。

 1問目は、管理者の設置によって、病院事業の推進体制が「三すくみ」になって不効率になるのではないかと質問。これに対して、市長は、地方公営企業法の規定などを引用してありきたりな説明をして、効率的と答弁。この答弁からは、管理者の「補助機関」として設置した新病院整備部の職員と市役所の地域医療政策課の職員は同じ職員が併任。同じ職員が2役を担う無理した体制。実際、これらの職員は常時市役所にいるわけだから、管理者には「補助機関」はあったとしても、補助職員はいない。これでは仕事ができない。

 いずれにしても、市長答弁からは、市の病院事業を責任をもって包括的に進める責任が管理者にあるのか市長にあるのかが曖昧で、鈴木議員が指摘するように、不効率で混乱を招く。

 やはり、管理者人事は仕事と手腕を期待するよりも、医大からの医師確保を期待して、医大学長からの推薦を受けて、2500万円の高額年俸で受け入れたとの疑念が晴れない。

常勤管理者が議会欠席 11月議会で新整備場所での事業を決定 

 鈴木議員は、続いて今後の体育館病院の今後の進め方について管理者に質問。ところが、管理者は欠席。なぜ、常勤の管理者が本会議を欠席したのか?このことからも管理者人事が仕事と手腕を期待するよりも、医大学長からの推薦が主な理由であることをうかがわせる。

 この質問に対しては布施政策監が代わって答弁。その概要は、先に可決された400万円の予算で、概算事業費、収支シミュレーション、基本計画等を11月議会までに明らかにし、その議会においてその後の事業費予算の議決を得て、事業を進めるというもの。

パワハラの犠牲になった前任U政策監の姿が思い浮かんだ

 なお、以上の今後の進行については、市長が1問目の答弁でも言及し、参考になるので、次に紹介します。

 「現在新たな整備場所における基本計画案の提案化に向けた検討を進めており、これまでご説明申し上げている通り11月議会定例会において新病院整備の事業化予算の可決成立をもって新たな整備場所での事業を決定を頂きます。」

 以前にも書いたように、このスケジュールで評価委員会、市民懇談会、特別委員会を経たうえで、予算編成と議案提出に至れるのか?

 また、鈴木議員は持続ある病院運営を見通すために、収支シミュレーションにおいては、駅前病院入れたシミュレーション必要ではないかと質問。これに対しては、未完であるがBブロック病院計画の情報があるからとして、受け入れなかった。問題があるとして中止したBブロックと比較することは無意味。

 市長自身が体育館病院は「建築費用については相当以上を必要とする可能性があると考えています。」というからには、Aブロック病院との比較が欠かせない。

 なお、この質問でのやり取りで、本来市長が答えるべきものまで、布施政策監が市長に代わって積極的かつ滔滔と答弁していた。この様子を見て、ちょうど1年前、市長のパワハラの犠牲になった前任のU政策監の姿が思い浮かんだ。答弁する政策監の様子には、不安や疑問が全くないかのように見えた。大丈夫か?

育館病院について今後管理者と顧問加え医師会と協議 医大の上本学長は体育館病院方針を了承済み?

 次の病院関連の質問は、橋議員の病院の諸課題についてというもの。

 主な質問は、守山野洲医師会が体育館病院に反対の意思を表明しているが、今後どう調整するのか?

 この質問に対して、市長は今後、管理者や顧問とともに医師会との協議の機会を持つと答弁。

 そもそも、5月18日の特別委員会での体育館病院の方針公表前に医師会や医師会代表が委員である評価委員会に体育館病院の方針を協議しなかった。医師会や評価委員会の時計は、Bブロック病院計画で止まったまま。

 とはいっても、少なくとも、評価委員会の委員長である滋賀医科大学の上本学長だけは、前川管理者を推薦したぐらいだから体育館病院の方針を了承しているのか?

 また、橋議員は現市立野洲病院の耐震診断について質問。これに対して竹内事務部長が、令和5年1月に受託業者から結果報告を受けると回答。

市長が過剰反応で2回も反問 やましいことでもあるのか? エビデンス示さず可能の断言繰り返しで議会をしのげても、事業達成は無理

 最後は、岩井議員が病院関連で質問。まず、管理者の給与に常勤医師の給与が含まれているが、常勤医師の勤務は可能かなどを質問。市長の答弁は可能の一言。

 その他、スポーツ推進審議会の答申に絡めて、病院建設と国スポの関係についても質問したが、答弁には全体的に取り立てて新しい情報はなかった。二兎を追う者は一兎をも得ずにならないか?

 ただし、顧問に関する質問に絡んで、市長のコンソーシアム加入問題に質問が及んだ。そのなかで、議員は、今年1月の市長や病院長等との協議で市長がコンソーシアムに加入したという発言の録音記録を紹介して、市長に質した。これに対して、市長は一切虚偽答弁も疑念もないと断言。

 また、11月議会にかけての、評価委員会、市民懇談会等のスケジュールに無理はないかと質問したが、布施政策監は可能と答弁。

 岩井議員の質問が全体的に穏便なものであったのに、市長が過剰反応して、通告を見て、あらかじめ用意していたと思われる反問を2度したことは異常であった。何かやましいことでもあるのか?

 今日のやり取りを見ての全体的な印象は、要するに、エビデンス(証拠)を示さず、断言の繰り返し。このやり方では、市長派議員が過半数を占める議会をしのげても、現実は動かず、事業は達成できない。