事業管理者人事は医大学長の推薦 市長への推薦はいつだった? 公共機関ではあり得ない腰掛人事と処遇!

 新聞報道では、明日8月23日の市議会全員協議会で病院事業管理者の人選が報告されることになっている。報道では、今年4月から市立野洲病院の会計年度任用職員として副院長に就任している、滋賀医科大名誉教授の前川聡(ひろし)氏(65)。

 この人選は、滋賀医科大学の上本学長から市長に対して推薦されたことに基づくもの。このことは、7月29日の病院特別委員会で駒井次長が、議案に反対した議員を脅かすような言い回しで、明らかにした。

 ということは、滋賀医大の上本学長は昨年度中に前川聡氏を事業管理者として市長に推薦し、市長はそれを見越してあらかじめ4月から非正規の会計年度任用職員の副院長として採用したことになる。

 もし、前川聡氏が事業管理者に就任した後、後任の副院長が就任しなければ、滋賀医大の学長の推薦を受けて、前川聡氏のために4月から、いわゆる腰掛ポストとして副院長枠を増やし、処遇したことになる。

 もしそうであるなら、これはまったく恣意的な人事。個人経営企業であれば別だが、公共機関ではあり得ない人事と処遇。

 そもそも、滋賀医大の学長はいつ前川聡氏を市長に推薦したのか?

9月1日の人事異動で事業管理者のための職員体制を整えることは可能

 ところで、事業管理者は予定より2か月遅れで9月1日に就任。しかし、先日触れたように、事業管理者を支援する職員と事務局がなければ、1人では病院整備どころか、議会答弁案づくりもできない。本来であれば、現在市長のもとにある病院担当職員を病院事業会計に移す、組織変更と予算措置が必要。

 病院事業会計の人件費枠は大きいので、とりあえず、予算は流用・補正で対応して、9月1日の人事異動で事業管理者の配下の職員体制を整えることは可能。

 それにしても、2か月遅れた間に、なぜ、職員増の人件費を計上した補正予算案に修正して、8月12日の臨時議会に提案しなかったのか?

医大学長の人事推薦で評価委員会が消えるとは皮肉

 ただ、事業管理者を設置することにより起こるもうひとつの問題がある。それは、肝心の評価委員会が消えること。

 現在は、事業管理者を置かないで市長がその権限を行使している。正確を期すために、現行の条例第4条を引用すると次のとおり。

 第1項「法第7条ただし書及び令第8条の2の規定に基づき、病院事業に管理者を置かないものとする。」

 第2項「法第14条の規定に基づき、病院事業の管理者の権限を行う市長(以下引用を省略)」

 ところが、9月1日以降、条例のこの部分からは市長の名前は消える。もちろん、これまで市長が持っていた権限と責任も。

 そうなると、詳しい議論は省きますが、市長が条例で設置した「野洲市民病院整備運営評価委員会」は根拠を失うことになる。

 他方、本来であれば、9月1日以降は事業管理者が評価委員会を運営して事業を進めていかないといけないが、事業管理者にその権限はない。

 ということで、このままでは、9月1日以降、評価委員会は有名無実化する。

 評価委員会の委員長である滋賀医大学長の人事推薦で評価委員会が消えるとは皮肉。

 もちろん、これを回避するためには、条例と規則の改廃・改正が必要。

 明日の全員協議会でこのことの説明もあるのか?それとも議員の誰かが指摘するのか?