12 月議会前の段階」の評価委員会スケジュールには無理がある!

 少し地味な話を進めます。

 先日触れた7月25日の部長会議の記録。そこでは、病院の評価委員会の開催について、「12 月議会前の段階を予定している。」と事務局が説明。そして、「収支計画等を作成してから評価委員会を開催する方が良いと判断し進めさせてもらっている。」と市長も説明。

 要するに、体育館病院の収支計画等を含む基本計画を12月議会前にまとめる。そして、それをもって評価委員会を開催。その後の12月議会に体育館病院の補正予算案を提出する段取り。

 このことは、7月29日の特別委員会資料の末尾につけられた、スケジュール表ともほぼ合っている。ただし、そこには12月議会前に、評価委員会と並行して特別委員会と市民懇談会まで予定されている。しかし、これらを12月議会前にこなすことは困難。たとえば、6月議会と同様、市民懇談会の記録が議会審議に間に合わず、審議が混乱する。

「全体のスケジュール」がない

 このスケジュール表については、25日の部長会議で、ある部長が「全体のスケジュールが見えてこない。どういった手順、段取りで場所を決めたり条例改正をするのか、提示してほしい。」と指摘した。事務局は「スケジュール案を提示する。」と答えた。

 それにしても、あまりにも粗雑すぎる。と思って改めて見たら、事業「全体のスケジュール」ではない。「『整備運営評価委員会』の開催時期に関する考え方」と題されている。単に評価委員会のためのもの。ということは、「全体のスケジュール」はないということ。

 

 

1千万円強のBブロック病院委託料 東郷議員がどのような決算判定を下すか注目 折れれば、先がさらに厳しくなる

 そこで、体育館病院のスケジュールを検証してみる。このスケジュールは、市長が臨時議会を招集して再提出しようとしている、病院関連4議案のなかの2つの補正予算案と大いに関係し、重要。

 このなかの、400万円が認められて、はじめて体育館病院のスケジュールが動き出す。市長は、この400万円で、昨年度中途半端なままで終わらせた、Bブロック病院の基本構想・計画を体育館病院用に化粧直しするつもり。

 ところで、このやり方には、橋議員も議会で指摘したように財政制度上重大な問題がある。橋議員は住民監査請求の可能性にも言及した。

 このことについては、8月議会の2021年度の決算認定において議会で明らかにされるべき。いや、それ以前に、監査委員による決算審査で指摘されるべきもの。議会選出の監査委員である東郷議員が、近々結果が出される決算審査でどのような判定を下すかが注目される。ここで折れれば、先がさらに厳しくなる。

12月議会前というだけで、基本計画策定時期が未定! 評価委員会はもっと早く開ける

 話を戻すと、まず問題になることは、体育館病院用への化粧直し、言い換えれば、基本計画策定がいつ完了すると見込んでいるのか?部長会議では、12月議会前と言っている。しかし、議会直前では遅いことは、評価委員会、特別委員会、市民懇談会の開催を考えると明らか。具体的な完了時期が未定。

 さらには、スケジュールでは12月議会に、要求水準書作成や基本設計等の委託料を補正予算で議案提出しようとしている。基本設計等の委託料の積算と議案資料作成のためには、あらかじめ相当な精度の基本計画ができていなくてはいけない。そうなると、もっと早い時期に評価委員会、特別委員会、市民懇談会が開催できることになる。あえて、議会直前の駆け込み開催にして、見切り発車をするつもりか?

50年先見越すと言いながら、肝心なところで400万円では本気度疑われる 本気なら堂々と新規で予算要求すべき!

 もうひとつの問題は、400万円の委託料の問題。結論から言えば、この金額では、Bブロック病院計画の修正であっても無理。

 Bブロック病院の場合は、基本はAブロック病院を踏襲する前提で、あの金額であった。しかし、体育館病院の場合は立地条件、また軟弱地盤や高圧送電線など制約条件が大きく異なり、ゼロからの作業が増える。まして、収支計画まで出そうとすると、地盤改良や電磁波対策などを含む建設に要する経費など初期投資額を算定するとともに、「送迎バス」等の駅前病院では必要なかった経費も算定する必要がある。

 Bブロックの場合は、なぜか受託業者が基本計画等の成果物に責任を負わない支援業務の委託という異例な契約であった。仮に予算が可決された場合、おそらく同じ業者と同様の契約を随意契約で結ぶつもりだろうが、そのような契約には無理がある。

 細かい話は、このあたりでとどめますが、50年先を見越した体育館病院の収支計画を含んだ基本構想と基本計画策定には、通常は軽く1千万円を越える経費が必要。それも、本気なら、堂々と新規で予算要求すべきもの。

 病院事業管理者には気前よく2500万円出すが、50年先を見越した体育館病院の基本となる業務には400万円。多分、批判を恐れて金額を無理に抑え込んだと思われるが、いわゆる業者泣かせの不当な契約になる恐れもある。あるいは、別途裏で補償する疑いも生じる。

 いずれにしても、50年先を見越すと言いながら、肝心なところで400万円では、本気度が疑われる。