病院事業管理者は常勤医師!?

 先に紹介した6月29日の市長の記者会見記録にもうひとつ興味深い情報がありました。病院事業管理者についての記者とのやり取り。

 

記者… 人件費が高額であるという声もありますが。

政策監… 年間を通じて2,500万円の予算を計上しておりましたが、全額病院事業管理者の報酬ではありません。事業所として負担すべき社会保険料や次年度の賞与の引当金も含まれています。これを除くと約1,900万円となります。この約1,900万円についても、常勤医師として働いていただける先生ですので、単純に管理者としての報酬は、それを除く金額となりますので妥当な金額であると考えています。

市長… 今、政策監が説明しましたとおり、事業所が負担すべき費用を含めて計上しています。あたかも2,500万円を管理者の方が報酬として受けとると誤解された部分もあったと思いますので、市民や議員に、もう少し分かりやすい説明資料にすべきではなかったかなと思っています。

記者… 今回、僅差で否決となりましたが、次回は賛成が上回るようにするためには丁寧な説明を行うのみということですね。

市長… 決して医師の報酬としては高額ではないということを説明させていただきます。

事業管理者が常勤医師なら病院長の指揮命令下に置かれ、職責果たせない! 野洲市の信用失墜

 なぜ採決が終わってからこのような苦肉の説明をし出すのか理解に苦しみますが、この説明では議会での市長答弁と矛盾する。

 市長は、病院長とは別に病院事業管理者を置く。そして病院長は事業管理者の権限下に位置付けられると議会答弁した。しかし、言うまでもなく、この事業管理者が常勤医師として働き、医療行為を行うのであれば、立場は逆になって病院長の指揮命令下に置かれることになる。これでは事業管理者の職責を果たせない!

 体育館病院案の場合と同様、本気で議論して制度設計していないのではないか?市長は誰か外部の人物からの指示を受けて、それをそのまま職員に指示しているだけなので、このような矛盾が生じるのではないか?

 また、以前も指摘したことだが、制度や予算が議会で可決される前から見込みで就任依頼までするのか?普通であれば、制度や予算の議決後の人選であるが、先取りしても内々の人選まで。それを今回の場合は、次のように、7月1日の就任を前提にすでに依頼していた模様。

 市長本人は気づいていないようであるが、議案否決のリスクを想定しないこのような雑な進め方は、市長の信用失墜だけでなく、議会も含め野洲市の信用失墜になる。

 他方、就任依頼を受けて内諾し、待っていた人には気の毒ではあるが、見方を変えればこちらも常識的にいえば契約感覚が甘い。これで、事業管理者と常勤医師の兼務がつとまるのか?

 とりあえず、6月29日の市長記者会見記録から引用します。

 

記者… 病院事業管理者など、7月1日から設置するよう進めておられたと思いますが、ご本人たちへの説明はどのようにされたのですか。

市長… 否決を受け、予定していた管理者ご本人に連絡させていただきました。ご本人も議会中継をご覧になっておられ、再度、提案させていただく予定ですので引き続きお願いする旨お伝えしました。