市ホームページから市長の週間日程が消えた! 第三者委の提言も有名無実化する

 昨日触れた住民訴訟の代理人弁護士費用の補正予算の専決処分。それを市長権限で専決処分することの問題と7月13日の臨時議会での承認がどうなるかについて書こうと思い、今日7月11日、市ホームページを見て驚きました。昨日はあった、「市長の週間日程」の項が消えてなくなっていたからです。何が起こったのか?

 ただし、議長日程の方は、更新されていて、7月13日午前10時から臨時議会。そして、今日の午後にそのための会派代表者会議と議会運営委員会が開かれている。

 自治体の情報公開の基本ともいえる首長の日程まで非公表にするとは異常。この流れでは、そのうち、部長会議や記者会見記録も非公表になるのではないか?

 なお、市長のパワハラに関する第三者委員会の答申書で、特別職と一般職の協議経過を記録化することが提言されていて、市は制度化するとしている。しかし、答申書にはその管理や公表については何も触れていない。市長の日程まで非公表する姿勢では、この第三者委の提言も、以前述べたように優先度は低い。せっかく努力してもつくる先から有名無実化するのが見えている。

駅前病院賛成議員は市民側に立ち一貫性保てるか? それとも市民を見捨てるか?

 そこで、市民病院整備事業に関する住民訴訟。その概要は、市長が病院事業設置条例で新病院の場所がAブロックと定まっているのも関わらず、条例に違反して設計業務を中途解約し4千数百万円余りを無駄に支払った。この市長の行為は法令違反であり、市に4千数百万円余りの損害を市に与えたとして、その賠償を市民が訴えたもの。

 市は、昨年起こされたほぼ同内容の住民訴訟においても訴えの内容と市の反論を公表していない。今回も同様。

 ところが、訴訟を受けて立つためには、訴訟費用の議決が必要となる。しかし、それも市長の専決処分で行おうとした。事務的・形式的な議案ではないため、本来は専決処分を極力避けるべきもの。

 最終的に、補正予算案か専決処分の承認議案であるかは、今日の議会運営委員会ではっきりしているはず。問題は、この議案にどれだけの議員が賛成するか。

 一昨年の12月議会では、Aブロック病院の設計業務を中途解約しないで完了することを求める決議が可決されている。また、昨年3月議会ではAブロックを病院整備の候補地とすることを求める決議が可決。その後改選はあったが、相当数の議員が現職であるし、新しい議員も加わっている。さらに改選後の今年310日には10人の議員が駅前での病院整備を求める要望書を市長あてに提出。

 これらの決議や要望書の趣旨と市民が提起した住民訴訟の趣旨は基本的に同じ。市民は条例で定められた駅前病院の実現を期待して、市長の行為は違法であるとして訴えている。それに対抗して争おうとする市長の訴訟費用を、もし、上述の決議や要望書に賛成した議員たちが認めるならば、市長の側に立つことになり、市民たちを見捨てることになる。ただそればかりでなく、政治家としての一貫性を欠くことにもなる。

 当然、これまでどおり市民とつながることが期待されている。

 

 

従来の行政の継続性に思いを致しながら、慎重に事を進めるプロセスが必要!

 最後に、ひとつ参考情報を。去る75日夜の最終の病院説明会でトップ(市長)が変わったら何でも変えればよいと言った、威勢の良い意見が市長支援の参加者から盛んに出ていた。その翌日76の市長臨時記者会見を伝える記事のなかに、次のような情報がありました。

 「第三者委の委員で龍谷大学法学部の本多滝夫教授(行政法)は、630日の答申時の会見で『前の首長と異なる政策を掲げて当選した首長は、従来の行政の継続性に思いを致しながら、慎重に事を進めるプロセスが必要』と指摘した。

 その上で『法令に基づき見識を持って仕事に当たっている職員と、どのように対話していくか。政治家はきちんと理解する必要がある』との考えを示した 。」(中日新聞202277日)