コミュニケーション不足で意思疎通欠けていた 今後は自分の意見を押しつけない?

 今日7月6日栢木市長のパワハラ臨時記者会見が予定どおり開催され、早速各テレビ局のお昼のニュースで報道されました。また、新聞も各社がネット配信。

 報道の主要なところは、次のとおり。

 「『市の課題となっている病院の整備をめぐってコミュニケーションが不足し意思疎通が欠けていた。自分の意見を押しつけずに職員の意見を聞きながら根拠立てて丁寧に説明していくことが大事だと思う』と述べました。

 そして、近く臨時の市議会を開いて、自身の給与の30%を3か月間減額する条例案を提出する考えを明らかにしました。

 野洲市は今後再発防止策として▼特別職と一般職の協議経過を記録することや▼外部相談窓口の設置などを早期に検討することにしています。」(NHK2022年7月6日)

反省のない謝罪会見 様々な破綻が出ている

 市長は、病院の説明会の場で「事あるごとに」謝罪してきたと言っていたが、今日の会見が初めての公式謝罪。市長は6月30日の第三者委員会の答申が出るまでは「事あるごとに」パワハラを否定してきた。一例をあげます。

市長… パワハラに該当しないと思っており、パワハラになると想定していないことからお答えできません。今回の事案に関しては、業務中での叱責は事実ですが、大声で怒鳴った訳でもなく、単に正確に答弁していただきたいとの思いで申し上げたまでです。(定例記者会見2022年3月28日)

 ところで、上に紹介した記事だけ見ると市長はパワハラを認めて謝罪したように読めるが、事実はそう単純ではない。

 今日の記者会見の全体がネットのYouTube「MBSライブ配信」で見られます。市長が会見場に入ってきて出ていくまでの一部始終が53分15秒の動画になっている。栢木市長と今の野洲市政を知るための貴重なドキュメント(資料)です。

 それを見てもらえばわかるように、記者たちの鋭い質問に答えるなかで、様々な破綻が出ている。それを見ての感想は、反省のない謝罪会見。

第三者委員会の答申で判明した議会での虚偽答弁等を市長は否定

 やり取りをいくつか紹介します。

 まず、第三者委員会の答申の指摘についての質問には個々に答えないと拒否。

 しかし、問い詰められると、第三者委員会が答申書で「本委員会としては、栢木市長が、『表明・確約書』の提出により同法人へ加入する認識を有していたものと判断せざるを得ない。」と判定したことについては、市長は認めなかった。

 そして、地域医療連携推進法人加入問題では議会で虚偽答弁を行っていないと答え、実質的には答申書を認めていないとの認識を示した。

 記者が、議会答弁や市長への手紙を修正する気があるかと質問したことに対して、市長は修正しないと明言。

 以上は一例ですが、要するに答申書の内容には承服していない。それとは関係なく、とりあえず3割3か月の減給で済まそうという構え。

市長は3割3か月減給を重い処分と認識するが、無駄な市税支出の半分にも満たない!

 市長は、この給料3割3か月の減の条例案を7月13日に臨時議会を招集し提案する予定。

 そこで、中日新聞の松瀬記者が、減給は総額でいくらになるのかと質問したが、市長はじめ副市長や部長たちも答えられない。記者はさらに鋭い質問を投げかけた。当然の質問。

 それは、第三者委員会の経費が150万円を超えている。それと整合性が取れているのかという質問。実際は、それに職員の働きや事務経費を入れれば、軽くその数倍はかかっている。これらの経費は市長がパワハラを起こしたために必要となった市税支出。

 もちろん、この質問に対しても誰も答えず、市長が金額の問題ではなく、3割3か月は重い処分と考えている、それで、責任を表すと言って押し切った。

 ところで、野洲市長の給料は、市広報紙の記事では月額81万2,000円。この3割の3か月分は73万800円。これでは、市長の行為が原因で無駄に費やした市税の半分にも満たない。これを重い処分と考えている市長の認識は?

相変わらず一方通行で、「コミュニケーションが不足し意思疎通が欠けてい」る!

 そのほか、パワハラの被害者への謝罪についての質問。庁舎内で行ったと答えたが、被害者からの言葉を問われて何も答えなかった。ここでも相変わらずの一方通行。

 また、臨時記者会見が遅れて、今日6日になったことについての質問があったが、答えがなかった。記者からは、危機管理できていないとの指摘。

 市長は、今後パワハラを起こさないための方策を問われ、自分を抑えて対応すると回答。また、最後の方では、職員対象のパワハラ研修に参加するとも。

 記者からは、市長は市議会の反対意見を聞く姿勢を見せながら結果的に聞いていないのではないかという厳しい指摘も。

 そして、市長は、今後の病院事業の進め方については、市民説明会が昨夜終わった。そこで、根拠立てた説明を行い、市民と議員の理解が得られたという感触を得たと回答。

 また、医師会との関係については、医師会には根拠だてて説明している。医師会はAブロックに拘っている。市は医師会に押し付けているわけではないと回答。

 これでは、まだ相変わらず一方通行で、「コミュニケーションが不足し意思疎通が欠けてい」るままではないか?

市長が本気でパワハラ反省なら、一方的指示で始まった体育館病院案は一旦撤回になる!

 最後に。今後の対策として挙げた、①特別職と一般職の協議経過を記録することと②外部相談窓口の設置などを早期に検討することについて。記者からその内容を問われても、市長は部長に指示したと答えるだけ。部長も気の毒に、先行事例がないからとか、経費がかかるので担当者が財政担当と協議中であるとかの曖昧な答えしかできなかった。この対応策にも無理と無駄がある。

 この、まず指示ありきの進め方がパワハラの温床。市長から一方的に指示されれば職員は無理してでも従わざるを得ない。そういえば、体育館病院案も今年4月になって市長からの突然の一方的な指示で始まった。昨夜の説明会でも駒井次長が市長からの病院を「体育館周辺で」という指示に従って場所選定に苦労した経緯を説明していた。

 市長が本気でパワハラを反省しているのであれば、体育館病院案は一旦撤回し、十分なコミュニケーションを行って、意思疎通を万全にしたうえで、案を練るべきである。