パワハラと虚偽答弁問題は病院関連4議案の採決に影響しない!?

 栢木市長は今日7月4日と明日5日の体育館病院の市民説明会を終えて、6月28日に否決された病院関連4議案を臨時議会に提出する意向のようです。そこには、市民説明会が完了していないことを理由にして、急遽、議案反対に転向した稲垣議員が次回は賛成することが前提になっている。

 ただし、これは6月28日の定例会閉会日でのシナリオ(筋書き)。その後、6月30日に第三者委員会による市長のパワハラ認定があった。また、その答申書によって、市長の地域医療連携推進法人加入問題に絡む議会での虚偽答弁などの深刻な問題も明らかになった。

 しかし、栢木市長は、6月30日に公表された第三者委員会の答申書によって明らかにされたパワハラと虚偽答弁問題は深刻であるにかかわらず、病院関連4議案の採決に影響しないと読んでいる。稲垣議員は、約束どおり賛成すると。

想定のシナリオは公明党2市議と立民1市議が市長の臨時議会招集と提出議案に賛成する!

 おそらく、議案反対8市議の市長あて要望書も同じ前提に立って出されたものと思われる。要望は、そのままの議案で再提出しないでほしいという空しいい願望。実際、栢木市長は、「既に一般質問や委員会などで説明している。不明な点があれば丁寧に説明を重ねたい」(中日新聞2022年7月2日)と、即座に拒絶のコメントを出した。

 ただし、栢木市長のシナリオには、もうひとつの前提が隠れている。そして、推測するところ、議案反対8市議が要望書を出すに至った背後には、栢木市長が前提にしているシナリオが存在する。

 それは、端的に言えば、公明党2市議と立民1市議が、栢木市長の臨時議会招集と提出議案に賛成するということ。これも推測だが、議案反対8市議は市長あて要望書を出すにあたって、ダメもとでも少なくとも3月10日の要望書の時と同様公明党2市議に声をかけた?しかし、拒絶されたので、過半数に満たず、迫力のない8市議の要望書になった。

答申を受けて事実究明の病院特別委員会の開催もできない市議会の現況?

 このように見てくると、本来であれば、6月30日の答申書を受けて、議会はまずは、病院特別委員会を開催して事実究明に当たるべきであるが、それができない。

 なぜなら、病院特別委員会の委員長は公明党の津村議員。そして、野洲市議会委員会条例14条第1項には「委員会は、委員長が招集する」。第2項には「委員の定数の半数以上の者から審査し、又は調査すべき事件を示して招集の請求があったときは、委員長は、委員会を招集しなければならない。」と定められている。しかし、この規定が公明党2市議の反対で満たせない。

キャスティングボートは公明党2市議に 病院問題の根深さ、恐ろしさが見えてきそう

 一連の流れでは、一見のところ、稲垣議員がキャスティングボート(最終決定権)を握っているように見えるが、そうではない。実のところは、公明党2市議の手に。そして、公明党2市議と立民1市議は、市長のパワハラと虚偽答弁にもめげずに栢木市長を支持し続けることが明らかになってくる。このようなことが現実に起こっているあたりにも、野洲市の病院問題の根深さ、恐ろしさが見えてきそうです。

 なお、立民の山本議員は、過去の議会質問は、実質的に人権問題について手を変え、品を変えて繰り返してきただけ。今回何の説明もなく、6月30日の第三者委員会の答申を無視して踏み越えてしまえば、議員にとって過去も未来も消えてしまう恐ろしい事態になることが惜しまれます。ここにも、野洲市の病院問題の恐ろしさが現われていそうです。