「拙速な推進は慎むべき」? 反対8市議には病院早期整備への危機感と展望がない

 昨日7月2日のブログで簡単に紹介した、議案反対8市議の市長あて要望書。全体がどのようなものか知りませんが、別の記事があると知人が教えてくれたので、読みました。

 見出しは、「『拙速な推進は慎むべき』新病院整備、野洲市議8人が要望」(中日新聞2022年7月2日)。

 先の記事と同じく短いが、新しい情報がある。そこのところを引用します。

 「要望書では、市が設置予定の病院事業管理者と顧問について『病院長との役割が不明確』『必要性が感じられない』『費用対効果が見込めない』などと指摘。病院長や事務部を含む担当部門との協議や、有識者らでつくる評価委員会への諮問を経た上で、改めて議案を提出するよう求めた。」(中日新聞)

 「提出者の一人の岩井智恵子議員は『関連議案には多くの問題点がある。議論を深めることなく、市長がそのまま議案を再提出することは許されない』と話した。栢木市長は取材に『既に一般質問や委員会などで説明している。不明な点があれば丁寧に説明を重ねたい』と語った。」(中日新聞)

 要望書の内容がやや詳しく紹介されていますが、やはりこれを読んでも、昨日と同様、なぜ市長あてに要望書を出したのか理解に苦しむ。

 それ以上に気になったことは、「拙速な推進は慎むべき」。これだけ見ると、急がなくてはいけない新病院整備を止めようとしているだけのことになる。裏返して言えば、反対8市議には新病院整備への危機感と展望がない。

 また、そもそも、栢木市長の1年8か月を知っているなら、早い遅いは別にして、今さら市長に「拙なさ」以外を求めることは、木に魚を求めることと同じ。

蔦のように長に絡みに行っているだけ! 8市議がやるべき重要なことは他にある!

 この8市議は、今年の3月議会の会期中の3月10日には、公明党2市議を加えた10市議でBブロック病院整備の要望書を市長あてに出した。その時も、市長に無視され、その結果体育館病院が出てきた。

 今回の要望書でも、市長は「既に一般質問や委員会などで説明している。不明な点があれば丁寧に説明を重ねたい」(中日新聞)とコメントし、応じる姿勢はない。

 特に、今回の要望書の場合は、それに先立って重要な病院関連4議案を鮮やかに否決した。まさに、市長不信任を突きつけたのと同じこと。その市長に対してすでに本会議の討論で述べた、「病院事業管理者と顧問について『病院長との役割が不明確』『必要性が感じられない』『費用対効果が見込めない』など」を繰り言のように改めて述べる要望書を提出する意味がない。逆に、残念ながら、負け犬の遠吠えか、レームダック(権威と影響力を失う)化した市長に蔦のように絡みに行っているだけ。

 岩井智恵子議員が「市長がそのまま議案を再提出することは許されない」とコメントしたことになっている。もちろん許されることではないが、それをわざわざ市長に言いに行ってどうする。応じないことは最初から分かっている。この8市議がやるべき重要なことは、他にある。

保身? 議会には病院早期整備を期待!「どこかの指令で動いている」市長への要望書に効果はない!

 昨日のブログを読んだ知人が送ってきたメールは、要望書は議員各々自身の保身としか考えられないといった趣旨のものでした。

 ところで、この議員たちの要望書癖ともいうべき体質は、想像するに、東郷議員の持論にある。その持論とは、市長と議員の権限には違いがある。市長は提案できるが議員は提案できないというもの。

 これまで何度か書いたように、この東郷議員の主張は一面で正しそうだが基本的には間違っている。議員にも予算を伴わない条例や制度の議案提案権はあるし、それを補う強い権限が与えられている。それは、議決権と調査権。

 現在の状況では、この2つの権限を活用して、議会の方から新病院の早期整備を進めていくことが期待されている。

 今、市長に要望書を提出して、無視されている余裕はない。ましてや、東郷議員は6月18日の市民団体の会合で「市長は自分で考えず、どこかの指令で動いているように思えてならない。今議会で歯止めをかける努力をする」(読売新聞2022年6月19日)と宣言した。そんな「どこかの指令で動いているように思え」る市長に要望書を出して効果があると考えているのか?

第三者委員会で認定された市長のパワハラ責任追及 議会での虚偽答弁等の究明も議会の責務

 そこで今議会に期待されていること。新病院の早期整備を目指して、具体的なところから始めること。

 2人の幹部職員が勇気を出して市長のパワハラを訴えたことによって、その事実が第三者委員会で明らかになった。このことだけでも十二分に重大なことである。まずは、市長の責任追及。

 それと同時に地域医療連携推進法人に関する市長の議会答弁が虚偽であることも明らかになった。議会答弁だけでなく、過去の「市長への手紙」への回答も虚偽であったとの情報も昨日もたらされた。市のホームページから1例だけ引用します。

 「前回回答させていただいたとおり、私としましては『表明・確約書』の提出だけでは加入申し込みとはならないと認識し、決裁を取らずに個人において署名、押印しました。」

 しかし、この回答が虚偽であることは、すでに紹介したとおり、「本委員会としては、栢木市長が、「表明・確約書」の提出により同法人へ加入する認識を有していたものと判断せざるを得ない。」と第三者委員会の答申書で判定されたことで明らか。

 上記は1例であって、過去の議会答弁や「市長への手紙」への回答には多くの虚偽が満ちている。虚偽答弁はもちろん公文書である市長回答での虚偽記載も重大な違反行為。

 さらには、体育館病院の説明資料や駒井「巡回説教師」の説明にも、同様に、多くの虚偽が満ちている。これらの究明も避けて通れない。それができるのは議会だけだし、議会の責務。

特別委や百条委などで事実と市長の責任究明を早く終え、新病院整備に舵を切ることが期待される

 明日4日と明後日5日の説明会が開かれる模様であるが、今の状況では冷静で建設的な会合となる保障はない。

 議会はその記録公開を求めたり、効果のないお願い要望をするのでなく、自らの権限で特別委員会や百条委員会などを開催し、事実と市長の責任究明を早く終え、正確で客観的な情報に基づく新病院整備に舵を切ることが期待されている。