栢木市長のパワハラ疑惑の調査結果 ぎりぎりに出すということは、都合の悪い結果

 6月中が期限となっていた栢木市長のパワハラ疑惑の調査結果が出ました。

 今日のお昼過ぎ、ある市民から電話がありました。その人が市の総務部にパワハラ調査の結果を問い合わせたが、何も答えてくれなかった。どうなっているのかと怒りを伝える電話でした。

 通常6月中といえば、昨日か一昨日に出すべきもの。しかし、そうなると議会閉会日や市長の定例記者会見と重なる。市長に良い結果であれば、それらと重なっても問題ない、というより、市長に有利に働く。ところが、それらと重なることを避けて、ぎりぎりに出すということは、自(おの)ずと都合の悪い結果。

「優越的な関係を背景に行われた、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動で、パワーハラスメントに該当する」は明白なパワハラ認定

 報道では次のとおり。

 「野洲市の幹部職員が市長からパワハラ被害を受けたと訴えている問題で、調査を行っていた市の第三者委員会は30日、ボールペンをたたきつけるなどの言動の一部はパワハラに該当するなどとする調査結果をまとめました。」(NHK2022年6月30日)

 「市長が職員らと協議中に机にボールペンをたたきつけたり市議会の終了後に議場で市長が職員に「ええかげんにせえよ」などと叱責したりしたのは、職員に対する優越的な関係を背景に行われた、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動で、パワーハラスメントに該当するとしました。」(NHK2022年6月30日)

被害者への謝罪がない市長の謝罪コメント 人権侵害の認識を欠く 損害賠償請求訴訟では市長敗訴の可能性高い

 市長自身が条例に基づき設置した第三者委員会が市税を使って調査した結果が、パワハラ認定。

 市長は当初、何をどう思ってか、「第三者委員会を立ち上げさせていただいて、ご審議いただくのが一番ありがたいなと、喜んでいます。」(カンテレNEWS2022年4月22日18時21分)と笑みを浮かべていたが、結果は深刻。

 ところが、報道された市長の「謝罪のコメント」は次のとおり。

 「私の一連の言動で、市民や多くの人に、ご迷惑、ご心配をおかけしておわび申し上げます。後日、記者会見をしてコメントを述べさせていただきます」。(NHK2022年6月30日)

 市民はこの市長コメントをどう受取るのか分かりません。しかし、残念ながら、客観的に見て、事の深刻さを理解した「謝罪のコメント」になっていない。

 言うまでもなく、「市民や多くの人に、ご迷惑、ご心配」のレベルではない。パワハラは明白な人権侵害であり、条例設置の第三者委員会でその認定を受けたということは、その被害者がいるということ。その被害者への謝罪がまず第一。

 今後、被害者から市長に対して損害賠償請求の訴訟が起こされた場合、市長が敗訴する可能性は十分高い。

市長パワハラを起こしながら認識していなかった事で、二重の意味でアウト

 市長に対して損害賠償請求の訴訟が起こされるかどうかわかりませんが、起こされないとしても、それ以上に重大な問題が。

 市長の人権感覚が問われるという深刻な問題。第三者委員会がパワハラと認定した事実を、市長自身はパワハラと認識していなかったという事実。

 この問題が仮に市長本人に関わらない職員間のことであれば、市長がすべての事実を知っているわけではないので認識のずれが生じる可能性はある。しかし、今回の場合は市長自身が当事者であり、すべてを知っているはず。この状況で、ずれが生じたということは、市長の人権感覚に問題があるということが明らかになった事になる。

 今回の判定は、栢木市長はパワハラという人権侵害を起こし、職員に被害を与えたうえに、市長はその事実を判定が出るまでは認識できなかったというレベルの人権感覚しか持っていないことを明らかにした。二重の意味でアウト。

臨時議会どころか市民説明会も開けない 遅延の原因はすべて市長 レームダック化の市長に代わる議会

 今日6月30日の午前中に、病院の市民説明会終了後に臨時議会が招集される可能性について書きました。しかし、この状況では、いかに独断専行で突っ走る栢木市長であっても、臨時議会どころか市民説明会も開けないのではないか?仮に開くのであれば、まずは、認定された自らのパワハラ行為の謝罪から説明を始めなくてはならない。そこで責任問題が出てきて紛糾することで、不可能。

 病院を一刻も早くと市民と議会を急(せ)かせながら、実際は、二転三転や4か月間もの熟考、そして今回のパワハラによる休止と、遅延の原因はすべて市長にある。

 今回の判定で、政治的にレームダック(権威と影響力を失う)化する市長に代わって、当面、市議会の役割が大きくなります。