過去最高の業績と西日本第一位の人気キャンプ場 職員の士気とスキルの向上 配当1株、1000円
今日6月29日、マイアミ浜オートキャンプ場などを運営する野洲市湖岸開発株式会社の株主総会がありました。1991(平成3)年の会社設立以来最高の業績をあげたことが報告されました。その結果配当は、1株につき1000円。
また、以前紹介したように、総合アウトドア情報誌「ガルヴィ」の人気キャンプ場ランキングで、西日本第一位に選ばれるという誉れもありました。
この会社は野洲市が約55%の株式を持つ第三セクター。設立以来様々な経緯がありましたが、2014(平成26)年に事業をキャンプ事業に特化した展開を図りました。設立時からの巨額な長期債務であった、NTT-A型資金の償還を2013(平成25)年3月に完了したこともきっかけのひとつでした。
キャンプ事業に特化したことによって、職員の士気とサービス業としての自覚が高まり、またスキルも向上。その後、上述の長期債務に伴う過去の設備投資の償却も平成29年3月で完了し、自立した経営体質に転換。その後、若い正社員も増やし、順調な成長をとげてきました。
前期の一昨年の春には、新型コロナウイルスの感染拡大の見通しが明らかでなかったため、約2千万円の減収覚悟で、他施設に先駆けて休業。ゴールデンウイークを中心にすでに入っていた約600件の予約を社の方から依頼してキャンセルしてもらいました。
今期は、その経験を活かして、安全対策を行いながらの通常営業が、過去最高の業績に繋がりました。
参考に、業績のデーターを添付します。緑色の柱がオートキャンプ場の売上です。
利用者によって支えられているキャンプ場
一般的には第三セクターは自治体のお荷物の代名詞になっています。ところが、この野洲市湖岸開発株式会社は自治体からの補助も民間からの借り入れもなく、逆に相当の配当を出すという優良企業に成長してきました。その理由は、単純なことで、職員の士気が高く、日頃の工夫と努力、それによる質の高いサービスです。そして、それに応えてくれる、多くの利用者の人たちの存在です。
今日も総会が終わってからキャンプ場へ戻って、サイトを見てきましたが、10年来利用しているという他府県からのご夫婦に出会いました。このような長年のリピータの人たちの存在が、一昨年、社の方からキャンセルを求めたにもかかわらず、今期にコロナ前の業績を上回る結果になった大きな理由の一つだと思います。まさに、利用者によって支えられているキャンプ場。
上記の理由に加えて、このキャンプ場が伸びてきた理由は琵琶湖岸の景観の素晴らしさです。適正で良好に管理された自然の素晴らしさです。なお、この場所は、琵琶湖総合開発事業で水資源機構が取得した土地(施設)で、全体が河川区域になっています。
今日の湖岸の様子を紹介します。この時期独特の青く明るく輝く湖面。
14年間にわたる社長退任
ところで、2008(平成20)年に野洲市長に就任したと同時に野洲市湖岸開発株式会社の代表取締役として14年間このキャンプ場に関わってきましたが、今日の総会をもって退任しました。
実は、1昨年秋の市長退任時に退任する意向を示しましたが、嬉しいことではありましたが、職員の人たちと一部の取締役の人たちから強い要請をいただき、任期が満了するまで、無給の社長職を務めてきました。野洲市からの後任は栢木市長でなく、副市長になりました。
なお、私は1990(平成2)年からしばらく滋賀県庁で河川行政に携わっていて、このキャンプ場の河川法手続きにもかかわったので、このキャンプ場とは30年以上にわたる関係です。