駆け込み採決はすでに24日の予算常任委員会で行われた!

 明日6月28日の市議会での体育館病院の方向を決める議案の駆け込み採決の問題について、今朝書きました。しかし、駆け込み採決は、すでに24日の予算常任委員会で行われていた。その時点では、市民説明会は今夜の「コミセンみかみ」を含め3か所で未開催。人口割で見れば、軽く約1/3を超える地域で終わっていなかった。

 すでに紹介したように、委員会では、田中議員などから継続審査の動議を出す発言があった。しかし、傍聴者たちから聞いたところでは、東郷委員長は、遠藤議会事務局長の先導に乗ってそれを採用せず、採決を急いだ。その結果、病院関連補正予算案のうち、一般会計予算案は賛成多数で可決。病院事業会計補正予算案は、可否同数で委員長採決で否決。このように、入りと出が連動していて、本来は一体の予算案である2つの予算案が整合性が取れない形のまま、明日の本会議に持ち越されることになった。

悪化したまちの二分状態はそのまま残る

 このような不整合で市民に分かりにくい結果になったのは、もともとは村田議員のチグハグな賛否表明にある。しかし、事の良し悪しは別にして、最終的には、先に可決された一般会計予算案で示された大勢とは異なる判断を下した委員長にある。

 ところで、栢木市長は常々、まちを二分してきた新病院問題を解決すると約束してきた。その解決が病院現地半額建替えであったはず。一例をあげると、公約断念前の昨年2月議会冒頭の施政方針演説。

 「市長に就任した際、所信の一旦として述べさせていただきました『市政を二分してきた新病院整備問題』につきましては、市民の皆様のご期待に添えるよう、できるだけ早く結論を出し、本来の正常なまちづくりを進めることは私に託された使命であると考えております。」

 ところが、現実はその後、選挙公約も、Bブロック病院も次々と断念。ようやく、今回の体育館病院が、ここで市長の言う、「早く結論を出し」たことになるのか?しかし、24日の採決結果を見れば、まちの二分を解消どころか、事態は一層悪化して深い昏迷状態。万一、28日の採決で村田議員と東郷委員長が起こしたねじれが解消して、何らかの結果が出るとしても、悪化したまちの二分状態はそのまま残る。

東郷議員にも肝心なところでタガが外れないことを期待

 先日、東郷議員が、市長は「自分で考えず、どこかの指令で動いているように思えてならない。」(読売新聞2022年6月19日)と批判していたにもかかわらず、それと同様に、内容の伴わない紋切り型の発言を繰り返す奥山議員たちの意見表明を容認して、東郷議員が委員長として委員会採決を急いだことに疑問を呈しました。

 市長の盟友で「市長与党会派」の実質的なリーダーと見える、稲垣議員でも、「確実に進めるためには、市民説明会を終えた後に」と、この24日の委員会でも発言していた。それにも関わらず、委員長が採決を急いだことは、肝心なところで、タガが外れている。

 もうひとつ気になることは、東郷議員たちの会派の直近のチラシ。ここには、まともで良いことが沢山書かれている。しかし、体育館病院の内容も不完全なら、審議も不十分、ましてや市民説明会も終わっていないのに、委員会採決を急いだことは、「市民の手に、政治を取り戻す!」ことに反するのではないか?

 あと1日、肝心なところでタガが外れないことを期待します。