マイナス点ばかりあげて結論ありきの話ではないかという抗議

 今日6月18日、朝新聞を取りに出ると、新聞受けに封筒に入れて、昨日開かれた文化ホール集約の説明会の資料、そして写真と録音データが届けられていました。

 朝食を終えてから資料をながめ、録音を速聞きしました。

 会議は西村教育長の挨拶からはじまりましたが、内容は、昨日新聞記事で紹介したようなもの。財政が厳しいので、ホールを集約する。野洲文化ホールはバリアフリーができていないし、老朽化が進んでいる。1千人のホールではダメで、1千500人でないとダメなどと野洲文化ホールの問題点を延々と連ねた。すると、教育長の話の途中で男性の声で、最初からマイナス点ばかりあげて結論ありきの話ではないかという抗議の声があがった。

文化でなくお金の話から始まった! 市長は「設置者」の責任果たさない! 

 教育長の話の後は、県庁から出向してきている行財政担当職員が2つの資料で、市の財政が厳しいことを説明。

 参加した市民は文化やその振興のための施設の話を聞くために集まっているのに、いきなり市長部局の担当職員、それも県からの出向職員がお金の話から始めた。場違いどころか、参加者に失礼。これを見ただけで、教育委員会主導でなく、市長部局に仕切られていることが明らか。

 このように、市長部局の職員が出かけてきて話すのであれば、問題の重要性からすれば、本来は、施設の「設置者」である市長が責任をもって話さなければならない。現在市議会で市立病院に事業管理者を新設する条例案が審議されている。その中で、市長は病院の「設置者」として責任を持っていくと答弁したが、これでは信用できない。

県庁出向職員の資料は作為的(フェイク)

 ところで、行財政担当職員の説明資料がひどい。たとえば、「野洲市にもたらされた特別な収入」という見出しのところで、「大規模な土地売却」として、東消防署跡地約4.8億円、三上工業団地約7.9億円と記載。これだけ見ると、いかにも過去からの財産を切り売りしているような見せかけ。しかし、東消防署に関しては、辻町地先に約2.5倍の面積の土地を買収整備して新消防署が建っている。

 また、三上工業団地に関しては、国道8号バイパス関連で工場移転用地を市が造成して、採算済みの残余の土地の処分。過去の財産の切り売りでなく、詳しい経緯は省きますが、約7.9億円は最終的な実益。切り売りどころか資産は増えている。

 この資料は、参加者に誤解を与えるという以上に、作為的(フェイク)で悪質な資料。

教育長「とりあえず、さざなみホールに集約する」

 録音を速聞きした限りでは、参加者の多くから異論や反対の意見が出された。詳しくは紹介できませんが、いずれも論拠のしっかりしたものでした。

 これに対して、教育長等からは説得性のある説明はなかった。教育長にいたっては、「市として構想がないので、とりあえず、さざなみホールに集約する」といった腰折れ答弁。会議の最後の方で参加者から駅南口周辺整備構想では文化ホールは文化・スポーツ施設になっているではないかと反論があった。

さざなみホール ゆったりしていて機能的だが、デザイン性強くて棟の多い複雑な建築 誰が本気に責任を持つのか?

 ところで、気になったので、今日午前中にさざなみホールに出かけてました。

このホールは、添付の資料にあるとおり、野洲文化ホールより9年遅れて1992(平成4)年の建築。旧中主町が高名な建築家であった黒川紀章氏に設計を依頼したとされる、水田を造成した地に建てた、当時流行った、いわゆる田園ホール。ただし、「ウィキペディア(Wikipedia)」の「主な作品」にはあがっていない。

 ホール本体は、ゆったりしていて機能的で、私も好きなホールですが、建築全体はデザイン性が強くて棟の多い複雑な建築。また、ガラスが多用されていて明るい反面危険であるため、各所に赤いテープで注意喚起がしてある。

 これまで、ほとんど大規模な改修の手が入れられていないが、もし手を入れるとなると意匠(デザイン)を尊重しなくてはならないので、時間と経費がかさむ。言い換えれば、高コストで身の丈に合っていない!

 また、現状でも課題があり、水田を造成して建てられているため、地下部分には隣接の水田から地下水が流入し、これまでも応急修理をしている。いずれにしても湿気が高い。さらに、問題は、ホールを中心にして回廊で囲まれた空間の平面には、タージ・マハルやアルハンブラ宮殿のイメージで水が張られる設計になっているが、漏水や維持管理の問題で現実には不可能で、本来の設計意図が果たされていない。

 栢木市長なのか西村教育長なのか、はたまた県からの出向職員なのか、誰が本気に責任をもって、ここを野洲市民の文化の拠点にしようとしているのか?