3月議会は疑惑が残ったままで終わった

 6月15日の本会議で稲垣議員が「地域医療連携推進法人への加入、運用について」という通告で、同法人への加入を求める趣旨の質問を執拗に行っていました。なお、前日14日には、益川議員が3月議会に引き続き、栢木市長に対して、1年前の市長が行った加入問題について質問しています。

 同法人への加入については、3月議会で益川議員が質問しした。市長が病院の組織的な決定を無視して、独自に実質的な加入手続きを行った。そして、そのことが明らかになった後、加入抹消の手続きを市長自らが行っている。この経緯については、後で触れる14日の益川議員の質問のところで詳しく紹介します。いずれにしても、3月議会は疑惑が残ったままで終わった。

稲垣議員は市立病院か同法人かどちらの側の利益を優先しているのか?

 稲垣議員の質問に戻ります。議員は福山病院長に対して、同法人への加入のメリットとデメリットについて質問。

 これに対して、病院長は、同法人の存在と役割は評価するが、公立病院としては、加入のメリットはなく、デメリットがあると答弁。その理由として、同法人の一般的なメリットのひとつは、高額医療機器はじめ病院の資器材の共同調達である。民間病院であれば、問題ないが、税財源が入っている市立病院の場合は、地方自治法と公営企業法の定めによって、予算の議会議決と、個々の調達においては単独の競争入札を行わなくてはならず、共同調達のメリットが得られない。逆に、同法人のルールが市立病院を制約することになり、そのことがデメリットになる。病院長はこのような趣旨の答弁を行った。

 しかし、稲垣議員は納得せず、病院長がメリットを述べるように執拗に食い下がった。ネットで見ていて異常に感じたほどです。稲垣議員は市立病院か同法人かどちらの側の利益を優先しているのか?ここまで来ると不当要求まがい。

 なお、栢木市長は、今議会において、同法人への加入の是非について検討すると、実質的に前向きな答をしている。

市長の疑惑は未解明だが、同法人の手続きにも不審な点多い 議場で不当要求まがい?

 次に前日の益川議員と市長とのやり取り。昨年6月に市長が地域医療連携推進法人に提出した加入申込書。市長は、3月議会と同様、加入申込書でなく、表明確約書を出しただけで、加入の認識なかったと答弁。この表明確約書とは加入者、すなわち市立野洲病院が反社会的な存在でないことを自ら誓約・証明する書類。

 3月議会でも明らかにされたが、同法人においては、この表明確約書の提出をもって、加入手続きとなっており、別に加入申込書なり手続きはないことになっている。現に、昨年6月に栢木市長が出したこの表明確約書をもってその後、同法人の理事会において市立野洲病院の加入が審査され認められた。そして、その後、実際に同法人のホームページに市立野洲病院は加入団体として掲示されていた。

 栢木市長もこの日の益川議員の、なぜ表明確約書を出したのかとの質問に対して、6月の理事会までに出すことを求められたから出したと答弁。ここでは平仄があっている。ところが、益川議員の、表明確約書が入会手続きに代わると告げられたかという質問に対しては言葉を濁した。また、加入の意思がなかったのに加入手続きが行われたことに対して市長は法人に対して抗議したかとの質問にも答えなかった。この間、議会は何度も中断。

 この市長が行った加入は、最終的に問題が明らかになった後、市長が電話で断ったことで取り消された。加入手続きは理事会決定であるのに、加入の取り消しが市長の電話で即日であることに対して、市長は説明しなかった。

 誰がどう見ても、栢木市長の行ったことはもちろん、同法人の理事会機能含め手続きにも不審な点が多い。組織としての「統制」が保たれていないように見える。益川議員がそのことを指摘すると、市長は法人に対して失礼だと声を荒げた。そして、荒川議長が「益川議員、最終的に何の回答を求めているのか?」と不当にも介入。

 前日にこのようなやり取りがあった翌日の稲垣議員の同法人への加入強要の質問。野洲市議会は、人権侵害、パワハラ、不当要求に慣れっこになってしまっているのか?ここにも、危機的状況が。