市長は「あらゆる情報を得たうえで現地半額建替えは可能と判断した」!

 市議会本会議での質問は今日6月16日午前で終わり。病院関連の質問は東郷議員だけでしたが、予想していたとおり、奥山議員の「内部統制(ガバナンス)と人材育成について」も婉曲に病院関連。

 東郷議員は市長の4か月間の熟考に絡めて、栢木市長が現地半額建替え公約の時に熟考しなかったのかを質問。

 市長は、選挙公約の際には、熟考したとは答えず、「あらゆる情報を得たうえで現地半額建替えは可能と判断した」が、「正確な情報を得たうえでの公約ではなかった。」と、いつものとおり訳の分からない答弁。

 また、市長はこれまでどおり、選挙公約は駅前に病院をつくらないこと。現地半額建替えは、公約でなく、私案であったと言い張った。そこで、東郷議員は栢木市長の市長選の公式ビラに最初に記載の公約である「贅沢な駅前での新病院整備計画を大幅に見直し、現病院の敷地に半額程度で新病院を新築」をとりあげて迫ったが、当然進展はなかった。

 昨日、栢木市長の盟友である稲垣議員が同じことを取上げ、市長に公約違反の謝罪を迫っていた。いまさらながらではあるが、公約違反であることは明らか。

 ところが、今日の東郷議員は、稲垣議員のように、公約違反を迫るわけでもなく、熟考をめぐっての質問。東郷議員は、すでに栢木市長の掲げたBブロック病院の実現を要望しており、いまさら選挙公約違反を迫れる立場でもなく、質問の意図が良く分からなかった。

50年先の建替え見越し、その間の不便を肯定するのは本末転倒!

 東郷議員は体育館病院についても質問した。50年先を見越した結果がなぜ体育館なのか質問し、市長がその時点での建替えを理由にあげると、よく理解できると肯定。50年先の建替えを見越して、その間の不便と経営困難を肯定するのは本末転倒。

 また、教育委員会に体育館病院としてのメリットとデメリットを質問。これに対して、馬野教育部長が次の3つの利点を答弁。①利用者・競技者への速やかなけがへの対応。②体育館が避難所になっているので機能が高まる。③体育館と一体になって健康増進事業ができる。デメリットは駐車場と駐輪場だが、今後解決可能。メリットが多い趣旨の答弁。

奥山議員が求めているのは「言論と思想統制」であり「内部統制」ではない!

 馬野教育部長は今年3月議会で病院担当政策監として、病院が駅前でなければ医師会や医療関係者の理解と協力が得られず成り立たないと勇気ある答弁を行った。この2か月足らずで大きな変わりようというより、酷い人事異動ではないか?東郷議員は、なぜこのことに配慮して、最終権限を持つ教育長に質問しなかったのか?

 ここには、先ほど紹介した奥山議員が市長に求めている「内部統制」の効果が現れているのか?奥山議員は、職員がSNS等で市の方針と異なる意見を発信していることや部長会議等での異論を取り上げて、そのようなことがないよう市長に統制の強化を求めた。市長は、この要求に反論や抗議をせず、従う意向を見せた。人権や遵法などといったことは、議場はもとより、市政からもすっ飛んでしまっている。

 昨日も稲垣議員が、同様に、福山病院長に対して議会での市長方針と異なる発言や医師会のチラシを取上げてけん責する指摘を行っていた。

 そもそも「内部統制」は、金融庁の「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」にもとづく、企業の経営目標達成のための仕組み。要するに、効率性の向上、透明性により信頼性の向上、法令順守など。

 ところが、奥山議員が求めているのは、「内部統制」でなく、「言論と思想統制」。憲法で保障されている、思想信条や表現の自由の侵害。また、職員に対して地方公務員法が規定する全体の奉仕者であることを止め、市長の奉仕者であることを強要する法律違反行為。

東郷議員は体育館病院容認? 劣化した県庁の透明性以下! まちが壊されるようで怖い!

 話を東郷議員の質問に戻します。体育館病院は教育委員会にとってもメリットが多いという答弁に反論しなかった所からすると、議員は最終的に体育館病院を容認する意向のように見受けられた。

 これらのほか、議員は体育館病院案の内部協議について質問。以前紹介した部長や次長が参加しての4時間にわたる会議録の公開を副市長に求めた。これに対して、副市長は、「一定整理したうえで公開する。」と答えた。これは、かろうじて滋賀県庁感覚。しかし、後になってから、会議は非公開を前提に開いたと釈明。県庁の透明性とコンプライアンスも劣化してきているが、野洲市はもっと先を進んでいることが図らずも明らかに。

 ところで、昨日出会った市民のひとりが、まちが壊されていくようで怖いと言いました。また、回りに同じ思いの人は少なくないとも。

 市長の密室主義の独断専行に加えて、議員による「言論と思想統制」の強要が公然と議場でまかり通る。また、教育長までが文化の拠点である文化ホールの解体を急ぐ答弁を平気で行う。

 まさに、今議会は、この市民の言葉に集約される様相で始まった。今後の委員会審議は、市民からは見えにくくなるので、最終日の採決結果を待つしかないのか?