顧問はスーパーマン! 医療行政担当副市長のような立場で医師会の理事役員会にも出席?
 今日6月14日から市議会本会議での質疑質問が始まりました。ネット傍聴しました。

 議案についての質疑は益川議員と橋議員だけ。病院関連の条例変更案と予算案が出ているのに、他の会派の議員からの質疑がないのは寂しい。
 益川議員は、病院事業の顧問の設置と病院事業条例の変更について質問。条例に関しては、場所の変更、というより新病院の場所を条例の規定から抹消してしまうことと、新たに病院事業管理者の設置について質問。また、病院事業管理者の給与と手当についても質問しました。
 これら質問に対する市長の答えをまとめて紹介します。
 まず、顧問についての市長答弁。先に言ってしまえば、市長は、顧問にスーパーマンを期待していることがわかりました。
 顧問という言葉のから市長に対する助言が主な仕事かと持っていたら、大違い。市の医療病院行政に関する助言だけでなく、議長の許可を得て、議会へ出席しての対応もする。さらには、対外的な会議や会合にも出席し市の立場で発言するといった趣旨の市長答弁。これでは、医療病院行政に関しては、市長の代役。非常勤の顧問であれば、対外的な権限は担えないはずなのに、これでは、顧問でなく市の正式職員で、医療病院行政担当副市長のような立場。おそらく、医師会の理事役員会にも出席して活躍することが期待されている。

新病院建設の宣言が消える! 病院事業管理者の新設は赤字の引き金!
 次に条例改正理由が監査委員による監査結果が理由になっていることについての質問?監査委員の指摘では、「病院設置条例は、新病院建設の宣言条例という意味合いと現行市立病院の設置等に関する条例という二つの意味合いが内在しておりとなっている。改正案では、「新病院建設の宣言」が消えるではないかと質問。市長は、これに正面から答えず、給食センターの例を上げて、はぐらかした。また、益川議員もそれ以上追求しなかった。
 また、条例改正による病院事業管理者の新設置については、市長の答えは、法で置くことができるからというもの。給与と手当は、合わせて2500万円余。昨年度の病院事業の暫定決算が、コロナ関連の収入を除くと約1千万円の黒字。今後、大型医療機器の購入による減価償却が増えるので、2500万円の新たな支出は経営を圧迫する見込み。そうなると市税による繰入が増えるが、市長はそんなことを意に介さない風の答弁。

医師会の反対は徐々に消える?
 橋議員は医師会の反対について質問したが市長は、医師会との会合での例の野洲の開業医の賛同発言をあげて、今後徐々に賛成が増えていく旨を答弁。
 また、橋議員は補正予算案の新病院の基本計画修正業務費について、質問した。これも制度上大きな問題であるが、市長は、先の計画の時点修正をするとはぐらかし。駅前と体育館敷地とでは場所の特性が大きく異なり、時点修正では済まないが、議論はかみ合わない。

今後の調整・検討の繰り返し 駅前で稼いで病院につぎ込む?
 議案質疑が終わっての一般質問。通告で見ると明らかに病院の質問とわかるのは、岩井、益川、村田、山崎敦志、稲垣、橋の6議員。病院に関連しそうと思われるのが鈴木、東郷の2議員。その他は、公明、共産、立憲民主いずれも病院関連の質問はない。立憲民主に至ってはそもそも質問がない。
 岩井議員は5月18日の病院整備特別委員会で示された総合体育館横の温水プール跡病院について質問。
 土地がもとは沼地で地盤が軟弱であり、その対策。総合体育館の屋外階段の移設の問題。令和7年の国スポ等の開催との関係。そして、駐車場整備などについて、スケジュールや事業費など具体的に質問しました。しかし、どれについても、実質的には今後の調整とか検討などという答えを布施政策監が繰り返すばかりで、紹介する内容はありませんでした。
 そもそも、体育館を所管する教育委員会との協議調整もできていない。よくもこのような「結論」をもとに議会審議や市民説明会が開催できるものだと実感。確かに、医師会が言うように、エビデンスがないしろもの。
 ただ、少し紹介すると、国スポ等の開催については、プレ大会含め工事の一時中断で対応可能と断言。これは、かなり甘い見通しで、無責任な答弁。
 また、立体駐車場については、病院事業で整備し、上階は病院職員専用とのこと。これでは、教育委員会には体育館の建物だけ残って後は病院になってしまう。
 最後に岩井議員が総括的な質問を市長に投げかけた。その答えが、市長らしくて面白かった。要するに、駅前の市有地を民間に貸すか売るかして稼いだ金を病院につぎ込むというもの。そんな虫のいい話は通用しない。

「矮小」は。差別表現を含む文書と位置づけて対応すべきもの!
 次に益川議員が質問。病院整備事業だけでなく、駅南口周辺整備、地域医療連携推進法人についても。よく準備された質問をしましたが、病院整備に限って紹介し、残りは後日紹介します。
 最初に特別委員会資料にあった「矮小」という表現について質問。原文は次のとおり。
「駅前に新病院を整備する議論以外を許さない政策の下、市民のほか、駅前整備その他まちづくりに係る計画を担当する職員等は、長年当該矮小な範囲で発想、発現するに留まってきたのではないかと仮定しました。」
 些細なことですが、今の栢木市政の傲慢さを象徴する認識と表現。益川議員は、矮小の意味を「ちっぽけ」と言っていたが、それにとどまものでなく、差別意識を含む蔑称。それを職員等を対象に使うのは許されないが、「市民のほか」と先に市民に被せている。要するに駅前病院に期待する市民を見下している。
 答弁では、現市長就任前の検討のことを意味してるらしい。しかし、益川議員が指摘したように、栢木市長自身も駅前Bブロックにこだわったではないか?その場しのぎの身勝手な答弁。
 益川議員は修正を求めたが、本来は差別表現を含む文書と位置づけて対応すべきもの。認識が甘い。

職員は現在の寮から約4㎞自転車通勤! 薬局は体育館敷地を民間に提供! 無茶苦茶を通り越している‼
 その他、体育館病院の問題について岩井議員と重ならないように具体的に質問していたが、答弁のレベルは同様にあいまいなもの。いくつか紹介します。
 高圧線の影響の問題を指摘していましたが、答弁で政策監が3月10日に調査したと答弁。これからすると体育館病院の方針が昨年度に出ていたことになる。
 駐車場に関しては、中体連や高体連の大会では、現状でも不足。
 土地代は市有地なのでタダだと繰り返していたが、公営業法の全部適用で会計の透明性を保つためには、一般会計から病院事業で購入すべきもの。
 院外薬局は体育館敷地を民間に提供して設置。
 職員寮は整備しないため、現在の野洲病院近くの寮から約4㎞を自転車での通勤を想定。冗談にもほどがある。まったく、非現実的で、非情。これでは、何のための寮か?
 このようなことで、駅前より大きな優位性があるとは、無茶苦茶を通り越している。
 今日のところはここまでにしておきます。辛抱してでまかせを聞くのに疲れた1日でした。