栢木市長の尻尾が出てしまう!
 明日6月7日開会の市議会定例会に病院条例の変更議案を市長が提出することは何度か紹介しました。変更のポイントは、病院の場所と病院事業管理者の2つ。
 このうち、病院の場所の規定の変更についての疑問と問題点。
 端的に言えば、なぜ今になってやるのか?ということ。これでは、栢木市長の尻尾が出てしまう。とはいっても、栢木市長の場合はこれまで何度も尻尾が出ても気にしないでそのまま突っ走ってきた。

条例ではAブロックが本来の病院の場所と定められている!
 ところで、現在の条例では、駅前Aブロックが本来の病院の場所として定められている。そして、駅前Aブロックに病院が整備されるまでの間は、現市立病院の場所で病院事業を行うと規定。この規定は、この条例が制定された当初からのもの。
 なお、厳密に言うと、一番最初の条例は、Aブロックでの開院時期まで具体的に規定されていた。しかし、条例制定後に病院関連議案の否決があって、規定の時期での開院が困難になったので、時期を明示しない条文に途中で改正された。

野洲市は新病院をつくらないことを条例で宣言することになる
 経緯が長くなりましたが、そこで今回は、条例の病院の場所の規定をAブロックから現市立病院の場所に変更しようというもの。
 この条例変更の問題点を改めて整理します。
①野洲市は新病院をつくらないことを条例で宣言することになる。
 最初から現市立病院の場所が本来の場所であった規定なら別だが、あえて条例変更で行えば、その議案及び可決行為が上記のように解釈される。難しく考えないで、常識的に見てもそうです。

市民と職員を危険に晒す 病院事業管理者は人権と命を無視する人か鈍感な人物!
②耐震強度が不足し、老朽化して危険、また医療施設の基準を満たさない建物を市立病院として、決定することになる。
 このような施設で医療を継続する場合は、監督官庁から改善指導がなされる。そして、市は、というより7月1日から新たに着任する年俸2500万円の病院事業管理者はその指導に対応する責任を負う。もちろん、それ以前に市民・患者と職員の安全と命の保障に対する責任も。
 もし、本当に新病院の担保が外されることになれば、万一何らかの政治的事情で監督官庁から改善指導が出されないとしても、現状が改善されるわけではなく、まともな人なら、おちおち眠っていられない。
 年俸2500万円を要求して管理者に就任予定の医療専門家は、よほど人権と命を無視する人か鈍感な人物。さすがパワハラ市長の眼鏡にかなう。

2度の機会を見送り、今回である理由は? 本来の政治ではないし、誠実さもない
③なぜ今条例変更するかの説明がつかない 本来の政治ではないし、誠実さもない
 栢木市長は病院の現地半額建て替えを公約にして当選した。そして、Aブロック病院の最終段階にあった設計業務を途中で中止して、解約。同時に、予算を議決を得て、病院の現地半額建て替え検討に入った。
 なぜ、この時に同時に条例変更をしなかったのか?議員構成がその時は不利だったと言い訳するかもしれない。しかし、当選時の勢いと半額病院への期待で可決は可能であった。実際、予算案は可決されている。
 また、Bブロック病院のときも同様。昨年の市議選後の11月臨時議会か定例会であれば、議員構成も市長に有利となっており、可決は可能であった。しかし、条例変更の議案を提案しなかった。
 このように、2度あった機会を見送り、なぜ今回なのかの理由は、外からはわからない。しかし、結果から見れば、これは本来の政治ではないし、誠実さもない。

クーデター型の電撃的やり方 議会までもが市民を無視することに!
④今回の条例変更の手続き問題はルール違反で電撃的なやり方
 病院条例の変更議案と関連する補正予算は、議会のルールでを無視して、議会開会日に提出しないで、最終日に追加で提案されるという。これでは、十分な審議時間が取れないし、議会の質疑等がネットされない。また、新聞等でも、採決結果しか報道されないことになる。厳しく言えば、クーデターでのような、あえて仕組んだ電撃的なやり方。このようなやり方を議会が認めるとしたら、市長だけでなく、議会までもが市民を無視することになる。

体育館病院と切離し、政党の賛成に配慮 ブラック企業の錯覚に陥りそう
⑤体育館病院関連を提出しない切離し審議
 6月議案の追加提案議案は病院条例の変更議案と関連する補正予算。この補正予算にはBブロック病院の基本計画等を修正して体育館病院のものに転用するための予算が入るようですが、体育館病院の実現性を厳密に審議する議案はない。
 そこにあるねらいは、先の特別委員会で体育館病院の見せかけを掲げておいて、それ以上議論の深入りはしない。そして、それと切離した形で、病院の場所の変更だけに論点をすり替えること。
 本来誠実にやるのであれば、体育館病院の審議をして、同時に条例の場所を体育館敷地に変更する議案を出すべき。
 このような姑息なやり方をする理由については、推測が2つできる。
 ひとつは、「市長与党」以外でこれまで市長に賛成してきた政党の議員等が賛成できるための配慮。いきなり、体育館病院に賛成では、これまでの主張と一貫性がないし、支援者から批判を受ける。ただし、このようにしたところで、問題の本質が消えるわけではない。むしろ、一層深くなる。
 もうひとつは、5月23日の部長会議で部長が指摘していたように、駅前Aブロック等の私有地を市の普通財産にして、売り急ぐため。
 いずれにしても、栢木市長の尻尾が出てしまう。
 このようにたどってくると、これは市役所のことでなく、どこかのブラック企業のことを見ているのではないかと錯覚に陥りそう。錯覚であることを願っています。
 とはいっても、野洲市の病院問題の一連の動きをだれかが詳しく取材して、映画かテレビドラマにしたら、市民にとっては悲劇でも、視聴者には結構受けそうです。