結果を見てからでは手遅れ

 市長が自ら設定した足かせを引きずりながら、病院整備と駅前市有地売却に邁進する推測の続きを進めます。

 このように推測になるのは、2つの理由から。ひとつは、何もかもが密室で行われて情報がないから。そして、もうひとつの理由は、結果を見てからのコメントでは手遅れになるからです。済んでしまった過去の出来事は、当然今になって変えることはできない。しかし、宿命論者でない限り、私たちは将来に想定される悪い出来事は回避して、良い方向に向かわせることができるからです。

市長熟考後の結論は出来上がっている?

 5月18日に市議会特別委員会が開催されることはほぼ確かなようで、そこで市長の熟考後の病院の結論が示されるようです。ただし、特別委員会資料は慣例で会議2日前までには委員に配布されるので、委員には遅くとも16日、月曜日朝一番の配布。とは言っても、委員長に対しては、議事進行の協議も含めそれ以前に資料を渡して説明する必要がある。ということで、委員会資料は今週中に出来上がっていないといけない。

 いや、それでは遅い。なぜなら、4月18日の部長会議の記録では、次のようになっているからです。

 「議会に正式に報告する前には関係部署に相談し進めるように。(副市長)

→3月3日の部長会議で、病院整備について市長と幹部の協議の場を設けると市長が仰られた。是非ともその場を早急に設けていただきたい。

 →当然それは設けて、進めるように。(副市長)」

 このように見てくると、昨日9日の部長会議で、市長熟考後の結論が示されたことになる。もちろんどのような意見が交わされたかは推測も不可能ですが、いずれ半月もすれば判明します。

 

Bブロックよりも狭い! 駐車場は500台分必要! まさか郊外型病院で立体駐車場?

 部長会議での意見の推測は不可能ですが、市長の結論は、市長の持ち駒が限られてきているので、先日も一部触れたように大よその推測は可能。

 総合体育館敷地内に病院整備。ただし、この土地が元は沼地で軟弱地盤であることの問題は別にしても、そもそも土地に余裕はない。

 総合体育館の駐車場は2025年の国スポを待たないでも通常の大会で、団体のバスなどが入る場合は、十分広いとは言えない。したがって、昨年の3候補地の時は駐車場があがっていたが、実際に使える場所は、以前にも指摘したように温水プールの跡地のみ。ところが、建屋があった温水プールといっても25mプールの跡地では面積は知れている。幅は、高圧線の鉄塔があるので、30m程度、長さは最大で70m程度。これでは、駅前Bブロックよりも狭い。総合体育館の敷地というと、市民は、広いというイメージを持っているが現実は逆。

 万一、この狭い場所に病院だけを収めたとしても、駐車場が問題。患者も職員も交通手段は車が主になる。このため、駅前計画の駐車場レベルではすまない。端的に言って、500台分は必要。それが可能か?まさか立体駐車場?それでは、郊外型の利点がなくなってしまう。

専門家どころか専門職員の検証も経ていない! 議会独自で検証の場を!

 ここにどのような病院を押し込むのか?結論の資料作りは専門機関を入れないで今年度になって職員の手作りなので、おそらく、1千万円あまりのお金をかけながら廃棄されたBブロック病院の基本計画を参考にしてのにわか作り。

 先に引用した4月18日の部長会議の記録では、市長が病院職員に対して、「現在も熟考している段階であるが、熟考の中身について担当課に指示をして整理してもらっている状況であるので、もう少し整理できるまで待っていただきたい」と述べたことになっている。ということは、この結論は評価委員会の専門家どころか、病院の当事者の専門職員の意見が入るどころか、その検証も経ていない。このような粗雑なものを議会はどう審議するのか?

 市長がこのような対応であるなら、議会は市民の信頼に応えるために、独自で公聴会的なものを開くか、参考人として専門家などを招致し、議会独自で検証の場を設けて、審議する必要がある。

 問題はまだまだ尽きませんが、後は稿を改めます。