パワハラ疑惑の第三者委員会は4月11日に市長が専決処分 新副市長の初の大仕事

 市民が注目していた市長のパワハラ疑惑に関する第三者委員会の設置条例。今日4月22日の市議会の全員協議会で情報が出されました。やはり、4月11日付けで市長が専決処分し、即日公布されていました。4月11日と言えば、昨日触れた部長会議の当日。全協では、総務部長が説明していたようですが、権能からすれば、県から派遣された新副市長の初の大仕事。

 そもそも市議会は4月11日の第三者委員会条例案の専決処分に先立って、あらかじめそのことを知っていて内諾していたのか?それとも、今日の全員協議会、厳密には全協2日前の資料配布まで知らされていなかったのか?その辺りの事情が分からず不透明ですが、今日の会議では、傍聴者から聞いたところでは、田中議員と益川議員が意見、それも専決処分に関してではなく、病院に関して意見を述べただけで、他の議員はいずれも「大人の対応」だったようです。

 なお、条例の概要は次のとおり。名称は、「野洲市ハラスメント対策委員会」。委員数は5人以内で、任期は3年。構成は、弁護士と学識経験者。報酬は30分につき5,500円。

 

今日4月11日に本会議開催し、審議採決が可能であった? 限定的な場合に該当しない!

 議会制民主主義の原則からすると議決を経ないで条例を制定はできない。ただし、昨日紹介したように、地方自治法第179条と第180条で限定的に専決処分を認めている。

 その限定的な場合の例示は昨日示した総務省の資料のとおりです。今回の場合、①第113条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき②長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、のいずれにも該当しない。

 幹部2人が市長からのパワハラを総務部に訴えたのは、3月9日。当時は議会開会中であり、条例案の追加提案も可能だった。そのうえ、それから現在まで十分時間があったのだから、時間がないという言い訳は通らない。

 また、4月11日に専決処分が可能であったということは、それ以前に第三者委員会条例案はできていたことになる。そうであれば、市長と全議員の日程があらかじめ調整済みであった、本日4月22日に本会議を開催し、審議採決をすれば、委員の人選を含め、実質的な遅れはない。ということは、今回は限定的な場合に該当しないのではないか?

 以前紹介したように、4月19日に会派代表者会議が開催となっていたので、このような筋書きも検討されるのかのとも思ったが、空しい期待。

パワハラ疑惑とともに、市長と市議会の事後対応は重大な問題 市民たちは、健全化を諦めない!

 このように見てくると、三転四転した病院整備の問題だけでなく、今回のパワハラ疑惑の対応にあっても、自治・議会制民主主義の根幹を無視した市長の行為が通用したことになる。そして、その市長の行為に対して、議会は異を唱えないで、結果的に唯々諾々と従った。市議会が追認機関になってしまった。

 なぜこのようなことになったのか?それは分かりません。想像するしかありませんが、市長にしてみれば、議会での質問は避けたいという逃げの姿勢。議会の方の理由は一層分かりませんが、今日の結果からあえて想像すれば、本会議で質問して荒立てたくない、とか煩わしいといったところか?

 いずれにしても、このようなことが通用するのであれば、極論すれば、市長は何でも自由にできるし、議会は不要。パワハラ疑惑も重大な問題だが、その後の市長と市議会の対応は一層重大な問題。

 このような市政の状況では、新病院の整備などという大事業の実現は一層遠い話に見えてきますが、傍聴した市民たちは、健全化を諦めないで頑張るとのことでした。