旧来の間違った公務員イメージにピッタリの職員が野洲市役所には何人も 

 今でも一部には、公務員は解雇がなく身分が保障されていて、仕事をしなくても給料が貰える気楽な職業だという、残念な誤解が残っています。しかし、実際はまったく違う。現場は仕事が増えても、人は増えない状況が恒常化していて厳しい。なかでも、市町では、福祉部門はじめ住民サービスの多様化と増加、それに加えて国制度の改正や新設の頻度が高まっていて、外部から見る以上に過酷になりつつある。それに、コロナ対策が追い打ちをかけている。

 野洲市の場合は、これに加えて市長の主導で、行財政改革の名のもとに、広い分野で手数料の値上げなどに一気に手を付けたので多忙さが加わっているはず。

 ところが、このような中にあって、冒頭に書いたような旧来の公務員のイメージにピッタリ当てはまる職員が野洲市役所に何人かいるはずです。ただし本人たちがそのことを気楽と思っているかどうかは別。なぜなら、本人たちの意思でそうしているわけではないからです。

旧来の公務員イメージ職員とは5人の病院整備担当職員 本人たちは市民が選んだ市長の行為による被害者

 この旧来の公務員イメージにピッタリ当てはまる職員とは、病院整備担当職員のこと。市長は、旧の病院整備課は3月末をもって廃止したが、病院整備担当の部長級と次長級職員、そしてその下に職員3人の計5人を配置した。

 ところが、今年度は、調査検討費も含めて病院整備予算はまったく措置されていない。したがって、言うまでもなく、予算がないから仕事ができない。いや、実のところは逆であって、仕事、すなわち課題があるから予算が議決されるという仕組み。市長は、病院整備の仕事・課題がないから予算案を議会に提案しなかったのだし、病院整備課を3月末で廃止した。それなのに、職員だけは贅沢に配置した結果、このような事態になった。

 上でも述べたように、本人たちの意思で仕事もないのに給料をもらっているわけではない。実のところ、本人たちは市民が選んだ市長の行為による被害者。

数千万円超の人件費の無駄と職員の心的ストレス ハラスメントが市政の基調 基調変更は議会の出番?

 そこで次に起こる疑問は、それならなぜ、部長級までも含む5人もの職員を配置したのか?

 そもそも病院整備の仕事がないことは、市長が熟考に入った今年の年初から続いている。このことは、3月議会で当時の病院整備担当部長が議会で答弁しています。そして、病院整備の仕事がないことは今に始まったことではない。市長が就任直後、Aブロック病院の設計業務を中止した一昨年の11月からBブロック病院のプロポーザル業務が始まる昨年6月までの間も実質的に仕事はなかった。少なくとも、生産的な業務はなかった。

 このことは、数千万円を超える人件費の無駄づかいですが、それ以上に重大な問題は、仕事もないのに職場にいる職員の心的ストレス。いわゆる、窓際配置、あるいは干された状態に置かれている。

 もちろん、現場の状況は分からないので、何かの作業をして忙しくしているかもしれないが、その場合でも、議決された公的に認められた市民のための業務ではないので、一般的には使命感が満たされず、心的ストレスにいたるおそれがある。

 ということは、もう触れたくない話題ですが、パワハラにいたるおそれも否定できない。どうしてもここに行きついてしまうということは、残念で心配なことですが、ハラスメント(人権侵害等の深刻な嫌がらせ)が市政の基調(ベース)になってしまっているのではないかということになります。

 何が何でもこの基調を変えないといけないが、これを第三者委員会の審査結果に期待できるのか、それとも議会の出番なのか?