「熟考中」は異常・不穏なことで、「市の損害拡大を」続けることになる

 栢木市長の「熟考中」はまだ続いているようですが、生産的でないことは言うまでもなく、異常で不穏なこと。

 市長がこの状態を続けていることによって、肝心の新病院の見通しが消えただけでなく、様々な弊害や被害が出てきています。おそらく市長本人は、そのことを痛感していないか、仮にしていたとしても無視。

 例えば、2日間にわたって取上げた病院の住民監査請求。市民もわざわざ手間暇とお金をかけてまで、今さらこのようなことをやりたくはなかったはず。しかし、監査対象となった市長の契約解除行為は、その後の市長自らが予算を使って進めたBブロック病院の実質中止によって病院の展望そのものが消されてしまった現在、「公約の遂行の上で適当であり、市の損害拡大を防止するものである 」などという市長の言い訳が通らないことが一層明白になった。したがって、おそらく、そのまま放置できないからという思いから出たもの。

 なお、3月議会での質問で橋議員が指摘していたように、Bブロック病院の基本計画等の策定に使った1千万円強も同様に住民監査請求の要件を満たしそうです。これについては、市民が監査請求するまでもなく、まずは監査委員が問題を指摘するとともに、議会も決算認定で問題視できる。いずれにしても、市長はどこまで違法な支出を繰り返して、「市の損害拡大を」続けようとしているのか?

市長が「パワハラだとは認識して」いないということは、パワハラ継続のおそれあり

 もうひとつ弊害や被害例をあげるとすれば、市長の職員に対するパワハラ疑惑。報道では昨年5月の会議がきっかけになっているが、今年の年頭からの市長の「熟考中」が大きな要因になっている。パワハラを訴えた幹部2人の内1人は定年まで1年を残して3月末で退職したし、市長の腹心であった前副市長も2年半の任期を残して退職。これら3人だけでなく、パワハラ対応を担当する総務部の部長等にとっても大きな心的負担。このことは、市ホームページで公開されている3月28日の市長の定例記者会見記録での部長の苦しい答えを見ただけでも分かります。

 そして、この件に関して大いに心配なこと。それは、幹部2人はパワハラの事実を公式に訴えたが、市長本人は「私は、パワハラだとは認識しておりません。」と3月28日の定例記者会見であっけらかんと答えている。そのうえ、「今回の件については、第三者委員会を立ち上げ、調査していただければと思っています。」とまったく他人事。これでは、総務部長等の苦労はまだまだ先が見えない。

 話がそれましたが、心配なことは、訴えられた内容を市長が「パワハラだとは認識して」いないということは、市長の態度は変わらず、状況が改善されていないこと。職員にとっては、まだ市長のパワハラが続いているおそれがある。

「秘書支援員」は市長室のサウナ?

 なぜこのようなことを心配するかというと、これと関連する事として、市長あるいは市長の側が、自分の意に沿わない議員の行動や新病院整備で活動している市民の動静を探っているということをいくつか聞いたからです。ある程度精度が高い筋からですが、もちろんここで断言できるものではない。

 万一、このことが本当なら、事は議員、市民にとどまらない。まずは、職員に監視の目が行く。あってはならないことです。組織の明朗さが失われるどころか、暗黒になる。

 このような心配を強める理由に、先日紹介した、「秘書支援員」があります。市の制度上はない職であるし、栢木市長になってからの設置。市長の目、市長の耳とも見られている。先日は、役割からすると、議会同意が必要な副市長と同様の特別職に相当するのではないかと書きました。もちろんそういう面もあると思いますが、見方を変えれば、機関としての市長でなく市長個人の仕事をさせるために市税で職員を雇っているともみられる。どこかの前市長のように市長室にサウナを持ち込むに類することともみられる。

熟考脱して積極姿勢に転換で猜疑心と犠牲なくすか、言行一致で病院つくらない宣言か

 ともかく、早く「熟考中」から脱して、病院整備について健全で積極的な姿勢に転換すれば、市民や職員は安心できるし、猜疑心と犠牲をなくせます。

 あるいは、「一日も早い整備を行いたいと考えています。現在病院整備場所を含め熟考しています」などと言行不一致の発言を繰り返さないで、住民監査請求での陳述のように「契約解除は公約遂行のためで」あり、公約は病院をつくらないことですと明確に宣言した方が早い。そうすれば、Bブロック病院の推進要望を出している議員や医師会、さらには駅前Aブロック病院を期待している市民からも新たな動きが出てくる。

 ともかく、「熟考中」はとっくに期限を過ぎている。