今議会は病院と行財政改革、加えて子育て支援と基盤整備が柱

 市議会は本会議場での審議が昨日で終わり、あとはネット中継のない委員会に移る。したがって市民は会場へ傍聴に出かけない限り動きが見えなくなります。そこで、これまでのところをまとめ、今後の課題を整理してみます。

 今議会も市長の答弁は相変わらず明快さがなく、特に病院に関しては年頭から始まった熟考中の殻に閉じこもったまま。他方、議員の方では、質問に工夫があって充実していた。また部長たちの答弁もこれまでになく明確であった。よって、情報の多い審議になりました。

 今議会は、新年度予算や制度改正など多くの議案がありますが、大きく見れば、病院と行財政改革、それに加えて子育て支援と基盤整備が柱となります。

市長の無責任さは容認できないが、Bブロック保留には根拠あり

 まず病院に関しては、新病院の見通しがまったくなくなったままの絶望的な状態。その理由は、市長が昨年5月から進めてきたBブロック病院を保留し、新年度予算に事業費が一切盛り込まれていないからです。これを客観的に見れば、事業が消えたと見做されます。

 危機感を覚えた、従来Aブロック病院に賛成してきた約7人の議員が、今議会では突然態度を変更。そして、Bブロック病院に「妥協」して賛成するので、事業を進めるよう提案する一幕も。しかし、市長は、一刻も早く病院を整備すると言いながら、この提案にはまったく応じない。せっかくの「妥協」が無駄になった。市長が提案に乗らない理由は、時々によって違いますが大きくは3つ。

①Bブロック病院では駐車場が約40台しか確保できず、今後確保の見込みもないから。

②7人の議員を擁する市議会最大会派「創政会」からBブロック病院を断念する要望書が出てきたから。

③Bブロック病院整備の予算案や条例案を議会に提案しても可決見込みがないから。

 これらの理由が市長の真意かどうかは分かりませんが、そのことは問わないで、簡単に見ていきます。

 ①はそのとおりで妥当な理由。問題は、このことは当初から分かっていたのに、なぜ市長はBブロック病院を決断し、1千万円余の予算で基本計画まで策定してきたのかということ。お金と職員の労力と時間を無駄にした責任を市長は認識していないし、取ろうとしていない。無責任であるとの指摘が議会で何度か出されたのはもっともなこと。

 次の②と③は連動しています。まず、「創政会」は市長会派と見られているのになぜ市長の計画に反対なのかが理解できない。それはさておいて、先のAブロック病院賛成議員だけが賛成しても議案は通らない。市長は、これまで態度を表明していない公明党2議員と立憲民主党1議員が、これまでどおり「創政会」に同調するだろうと読んでいることになる。あるいは、棄権の可能性も。 

 このように見てくると、市長の昨年来の三転四転と熟考中の殻に閉じこもったままで見通しを示さない無責任さは到底容認できないが、Bブロック病院を保留する理由にはそれなりの根拠があるように見られる。

病院整備予算がない予算案に賛成できる? 賛成なら病院が消える! 新たな展開策必要!

 要するに、病院整備は展望がない絶望状態で年度を越すことになる。そこで問われるのは、駅前賛成派はもちろん反対派も含め、病院整備予算が盛り込まれていない予算案を可決できるのかということ。

 おそらく、反対派は現病院の耐震診断予算が計上されている予算案に賛成することで責任を果たしたとする。そうなると、駅前賛成派はどうするのか?もし、新病院整備の予算が一切計上されていない予算案に賛成すれば、病院を整備しないという市長の意思を追認することになる。このままでは、難しい判断が求められることになります。市長のペースにはまり込まないで、この状況を打開するために新たな展開策が必要となります。

行財政改革は来年度から課税の都市計画税も絡めて筋が悪い

 残る行財政改革、子育て支援、基盤整備についても触れようと思いましたが、ここまでで長くなったので、日を改めます。

 なお、行財政改革と議会提案中の手数料等の条例改正案は、第一には病院問題、それも病院潰しと連動しています。それとともに、市長公約に反して来年度から課税される都市計画税とも関係し、合理性がない。言葉を変えれば、筋が悪い。そして、子育て支援と基盤整備の劣化とも連動しています。まさに負の連鎖。