市民活動も健康づくりも出来なくなる! 行財政改革の嵐が吹き荒れる

 先日出会った市民が、これでは市民活動も健康づくりも出来なくなると嘆いていました。その理由を聞くと、その人の知人が市の行財政改革プランのパブリックコメントの資料で見て教えてくれたたのこと。資料にはそこまで詳しく書いてなかったはずだと思い、市のホームページで確認してみました。パブリックコメントの意見募集期間は終わっていましたが、資料はまだ掲載されていました。しかし、以前紹介したように「使用料・手数料の適正化」という簡単な記述があるだけ。

 手続き上、主要な利用者団体等に協議した情報が漏れたといったところかもしれません。いずれにしても、行財政改革の嵐が吹き荒れる、あるいは荒波に洗われると、これまで何度か予告したようなことだろうと思っていました。

行財政改革プランが全協をすんなりと通ったなら、条例改正案も可決見込み? 

 ところで、以前紹介したように、1月24日の部長会議の記録では「2月10日(木)にパブリックコメントを締切り、いただいた意見に対する市の考えをまとめ、2月の全員協議会に報告する。その後、使用料・手数料については、2月定例会に条例改正案として提案する。」となっていた。したがって、昨日、17日の全員協議会にパブリックコメントの結果報告がされたはず。いや、同時に条例改正議案まで公表されたはずなので、結果報告レベルでは済まない。確定した行財政改革プランが示されたはず。

 来週25日開会の市議会定例会の準備会議として昨日17日午前に議会運営委員会ですべての議案が示され、議案が確定。引き続いて、全員協議会と議案説明会が開かれた。だから厳密に言うと、行財政改革プランが公表される前に、先に使用料・手数料に関する条例改正案が議運んで審議されたことになる。かなり議会の規律が緩んでしまっている。

 それは別にして、昨日の全員協議会で行財政改革プランに関して指摘や議論があったという話は伝わってこなかった。ということは、すんなりと通ったということなのか?そうであれば、使用料・手数料に関する条例改正案もそのまま可決される見込みが高い。まさか、確定した行財政改革プランが示されないで、条例改正案が出されたのであったら驚き。

軒並み値上げというすさまじいもの 多くの項目で1.5倍の値上げ 市民に厳しい

 議運と全員協議会は公開であるし、今日午後の市長記者会見では報道機関に議案資料すべてが配布されました。近日中に概要が報道されることになる。

 そこで公開された資料から分かったことは、やはり嵐。もし、この条例改正案が可決されるなら、すごいとしか表現のしようがない。

 ほんの数例を紹介します。多くの項目で1.5倍になっている。

①通学バス児童1人1月あたり 450円 → 600円

②学校体育館午後利用 500円 → 700円

③図書館ホール午後利用 2000円 → 3000円

④体育館大アリーナ午前利用 3000円 → 4500円

⑤なかよし交流館アリーナ1時間 1000円 → 1500円

⑥河川公園野球場 午前8時半~正午  700円 → 1000円

⑦河川公園グラウンドゴルフ場平日市民利用 200円 → 300円

⑧住民票の写し 1通 200円 → 300円

 なお、コミュニティーセンターの使用料は値上げになっていなくて、少し下がっている。しかし、これは見かけであって、市民活動に対する減免制度を改悪して実質は値上げになるものと思われます。

朝三暮四よりひどい軒並み値上げ 病院整備見送りの言い訳狙いか? 危険な賭け

 以上はほんの一例です。軒並み値上げというすさまじいもの。それも、上で書いたように1割とか2割でなく、1.5倍増。市民負担が一気に増す。

 市長がコロナ感染症対策を後付け理由にして強行した、公約の都市計画税の課税延期と水道料金の基本料金減免。また今議会で近隣市に先行して実施しようとしている子供医療費の小学6年生までの無料化拡大などとは正反対の方向。これでは、朝三暮四よりまだひどい。

 これらのなかには、よく見ると、値上げの必要性に疑問のあるものや公平性に欠けるもの、さらには、個別利益に配慮が働いているように見えるものなども見受けられる。これだけの多様な分野にわたるものだけに、職員の事務作業も大変だったと思われる半面、十分なチェックが働いていないおそれもある。

 いずれにしても、これほど慌てて、ずさんな手続きで、大胆というより無謀な「改革・改悪?」やることの意図が読めない。あえて勘ぐれば、それほど財政が厳しいことを市民に痛感してもらい、新病院整備を見送ることの言い訳にする狙いか?

 それにしても、条例改正案が可決されなければ、この値上げによる収入増を前提の予算案まで出し直しになる。その場合どうするのか?それとも、予算案を脅しに使って強引に条例改正案の可決を迫れば、また議会が引きずられて付いてくるという目算か?まったくもって、危険な賭けです。