チャップリン映画のギャグ並みの市長の行動が現実に通用していることはすごい!

 昨日紹介した2月7日の市部長会議の記録。同日午後開催された市議会の病院整備の特別委員会の資料についての協議でした。昨日は言い及ばなかった、気になった2点に触れておきます。

 ひとつめについてもう一度引用します。

副市長 市長と幹部は意思統一していかないといけない。熟考の結果を早いうちに示していただきたい。

市長 政治家として、40年50年先の野洲市のことを考えての熟考である。考えが決まれば、部長会議でお示しさせていただく。今しばらくお時間をいただきたい。

 

 すでに気づいている人も多いと思いますが、この市長の発言は、単純に見れば、最高のギャグです。繰り返すまでもないことですが、市長就任後の初登庁日に最終段階にあったAブロックの設計業務を職員に指示して即中止し、その後契約解除。現地建て替え公約を私案と言い出して見込みのない検討に評価委員会や職員を巻き込んだ挙句に断念。そしてBブロックの計画策定へと、熟考とは反対の行動を重ね三転四転した後に行き詰まった。そこで、反省するどころか、「40年50年先の野洲市のことを考えての熟考」。

 これが舞台の上か、テレビの画面の中で行われている漫才かコント(寸劇)であれば、大いに受ける。いや、チャップリンの映画のギャグに劣らないぐらい面白い。そして、それが実社会で現実に行われてきて、今のところ通用しているのだからすごいことです。

 しかし、市民にとっては、もちろん笑いごとではない。漫才かコント、あるいは映画であれば筋書きがあって、芸人や俳優によって演じられている。ところが、こちらの方は、少なくとも市民には筋書きが分からず、不安だけが募っていく状況。以前紹介した毒矢の例えのように、刺さった毒矢を早く抜かないといけないのに、思案ばかりしているようなもの。

Bブロック病院計画策定等の事業費を調査費感覚で執行 財政規律欠いては改革は無理

 もうひとつは、昨日、行財政上の重大な問題があると書いたことです。

 改めて引用します。

部長 成果物の目的は、もともと発注するのはBブロックで病院が整備できるかどうかということであった。

市長 Bブロックで整備が可能かどうか精査するために発注し、課題がある中で進んできている。そういう形で今日は出させていただく。

 

 部長の発言が不明瞭で意味を成しませんが、それは置いておいて、市長の発言の問題点。それは、「整備が可能かどうか精査するために発注」。これは、小さな事のようですが、財政規律の面からは重大な問題です。

 市長の発言のように「整備が可能かどうか精査するために発注」ということであれば、予算上の費目は調査費。しかし、今回Bブロック病院の基本計画策定等で使われた市税は事業費。Bブロックで病院を整備すると決定したうえで、使われた(執行された)お金です。病院整備をBブロックに決定した認識もないようです。これでは、財政規律を欠くだけでなく、いつまでたっても病院の決定ができない。

 ちなみに医療で例えれば、診察・検査と診断・治療の違い。Bブロック病院の基本計画策定等は、診断が終わって治療にかかっている段階であるのに、市長の感覚はまだ元に戻って検査を行っているよなもの。

 このように、市長の発言からは、制度運営と財政に規律がないことが明らかですが、個人事業でもこのような杜撰(ずさん)さは通らない。ところが、記録で見るかぎり会議では誰もそれに異を唱えていないことも心配です。これでは、とても行財政改革などできない。

 なお、この予算については、以前に触れたことがありますが、もう一度予算資料を添付します。「更新計画等の修正について」の業務委託費となっています。

 ついでに、例をあげれば、1年前に行われた、市長公約の現地半額建て替え検討に使われたお金。あれが本当に必要だったかは当初から疑問でしたが、それは別にして、あの場合は可能性検討だったから調査費でした。

 また、昨年9月の議会で認められなかった、駅前Aブロック等のサウンディング調査のための495万円は調査費。他方、昨年12月議会で可決された、駅前Aブロック等の商業施設整備事業の委託費1,500万円は事業費です。