明日の特別委員会が積極的で建設的なもになる可能性は低い 委託業務監査の役割しかない

 明日2月7日午後、病院整備の特別委員会が開かれます。議題は、Bブロック病院の基本計画等の(案)について。もともとこの特別委員会は、先月14日に予定されていたが突然中止になった。そして、それに引っ張られて市民説明会も中止。

 明日、津村委員長が会議をどのように進行しようとしているのかは分かりません。ただし、すでにBブロック病院について議員大半は考え方を明らかにしている。それよりなにより、栢木市長自体が、「Bブロックについては、否定的な意見が多くあり、総意としては、必然的にBブロックでは駄目と認識します。」(1月21日定例記者会見)と公言している。

 とするなら、明日の特別委員会が積極的で建設的なものになる可能性は低い。せいぜいのところ、市長が1千万円あまりのお金を使って進めてきたBブロック病院の基本計画等策定の委託業務がしっかりと実施されたかどうかを監査する役割しかない。

議会が市長の付属機関に 議員間討議を参考にという市長意向に沿った進行? 

 とは言っても、市長にとっては副次的な効用はありそうです。なぜなら、同じ記者会見で「特別委員会で議決することはありません。市から説明し、例えば議員間討議をしていただき、熟考していく中の一つの参考になると考えています。」と述べているから。

 この発言を議員がどう受け取っているか知りませんが、本来は議案を提案する責任を負っている市長。その市長が、自ら勝手に進めてきたことを突然止めたうえで、議員がどう言うかを聞いて参考にすると言う。普通に見れば、責任放棄をしたうえに、尊大な態度です。

 いずれにしても、津村委員長から委員(議員)あての招集文書では、委員間で討議をするとなっているので、市長の意向に沿った進行が予定されている。もし、そうなれば、議会は審議会である評価委員会と同様、市長の付属機関になってしまう。いやそれ以下。付属機関の場合は、市長から意見具申されて答申した場合、ほぼそのとおり政策に反映される。明日の委員会の場合は、その保証がない。

明日公表される計画案が報道のとおりなら議員は反対の根拠がなくなる?

 明日の特別委員会を前にした状況は以上のとおりではないかと思われます。しかし、これでは先が見えません。もう少し先まで、明日の議論の流れを想定してみます。

 まず、市長が認めるとおり、「Bブロックについては、否定的な意見が多くあ」ることは確かです。しかし、新聞では、Bブロック病院の基本計画等の(案)について「市民病院整備課によると、準備していた資料には病院1階に駐車場を設置して7階建てにする建築計画や、開院5年目で黒字となる収支計画が記されていた。」(毎日新聞2022年1月15日)と報道されている。

 もし、明日公表される計画案がこの報道のとおりであれば、議員はそれに反対する根拠が見いだせなくなります。この基本計画等の委託契約は福山病院長が行っているので、当然それなりに完成度の高い案になっているはずです。

 

外来が2階と3階に分かれエスカレーターがないペンシルビル病院 必要な安らぎ感がない

 ところで、記事に書かれている案は、昨年の評価委員会や特別委員会で示された3案のうち、事務局が有力視していたA-2案が基本になっていると思われます。その時の説明では、Bブロックの敷地を目いっぱい使って7階建ての病院を建てる。病床が165~170床で、駐車場が41台。駐車場は、建物1階の半分以上を占めてた。1階にはこのほか救急外来、画像診断、透析等が配置されていた。そして、外来は2階と3階に分かれていたので、通院の患者は必ず上の階に上がらないといけないが、そのための玄関ホールやエスカレーターが配置できるのか?もし、十分な玄関ホールが取れず、ましてや要望の高いエスカレーターが配備できないとなると、ペンシル(鉛筆)ビルになってしまう。もし、一般用の階段もなく、エレベーターだけなら、3階までの専用であったとしても、待ち時間は長くなる。

 これでは、コンパクト(まとまりの良いcompact)な病院と言いながら、外来が2階と3階に分かれていたり、エスカレーターがなければ、現実は、コンパクトとは評価できない。むしろ、コンプレスド(圧縮されたcompressed)ビルになって、使い勝手が悪いだけでなく、病院に必要な安らぎ感がない。

駐車場41台では通院患者数の大幅な減少 開院5年目黒字の収支計画成立? Aブロック病院に戻る?

 さらに致命的な問題として、駐車場不足がある。明日公表される計画案ではこの問題がどう解決されているのか?Aブロック病院計画では250台であったので、41台では6分の1以下。病床数を減らして入院患者数を減らしても、Aブロック病院計画と同じ通院患者数を想定すればまったく足らない。現市立病院の116台と比べても半分以下。

 もし、駐車場が確保できなければ、患者にとって不便であることはもちろん、通院患者数の大幅な減少を想定しなければならなくなり、収支計画に大きく影響する。本当に新聞記事のとおり、「開院5年目で黒字となる収支計画」が出来ているのか?

 それとも、福山病院長は医師会の副会長であるから、医師会が1月7日に議長あてに出した要望書の提案のように、Aブロックに駐車場を整備する計画となっているのか?仮にそうであるなら、むしろ、Aブロックに病院、Bブロックに駐車場の方が合理的で、きれいな案になる。このような議論の流れになると、郊外は論外なので、元のAブロック病院計画に戻ります。

 いずれにしても、明日の特別委員会では、課題と問題を直視し、正確な情報に基づいた議論による信頼回復が期待されます。そうでなければ、市政に対する一層の信頼失墜に陥りますが、市民はそんなことを期待していない。