市長言動に一貫性と説得性なく、市組織内での士気と機能維持は大丈夫?

 病院問題に象徴される、栢木市長の公約断念にはじまる方針や政策の二転三転にとどまらない変更。そして、その場しのぎの発言の繰り返し。

 これは、昨日触れた市民団体の要望にも表れているように、普通の市民感覚から見ればまったく説得性がない。もし、市長のやり方が通用しているとしたら、それは市議会の市長会派議員とその背後にいる支援者に限られているのではないか?

 このように市長の言動に一貫性と説得性が失われてきているなかで、市の組織内での士気と機能の維持は大丈夫なのかとしばらく前から気になっていました。市長会派議員と同じようには行かなくなっているだろうと。特に、Bブロック病院の突然の断念表明。以前も書いたように、半年あまりの時間とお金、さらに職員の働きを費やして市長が強引に進めてきたBブロック病院。それを合理的な理由もなく、突然断念されては、普通に考えれば、我慢の緒が切れて当然。

駅前商業事業はBブロック病院前提であり、前提条件がなくなりそうなので進めていない!

 このようなことを思っていたところ、今朝自宅の郵便受けに、市民が出した市長への手紙などに対する回答文のコピーが入れられていました。そのなかのひとつの内容は、昨年5月に駅前Bブロックでの病院整備を表明しその根幹となる基本構想・基本計画を進めているという市長名での回答文。 昨年10月下旬の日付。

 もうひとつは、最近のもので市役所の担当課からの1月28日付け回答文。その内容は、当然と言えば当然ですが、実のところは驚くとともに、安心しました。この回答文の要点は、Aブロック等の商業施設整備事業は、Bブロックでの病院整備が前提であったがその前提条件がなくなりそうなので現在は進めていないというもの。正確を期すために、引用しておきます。

 「Bブロックに病院が整備されることを前提として、ACブロックで複合商業施設整備に向けて事業を進めておりました。しかし、Bブロックでの病院整備を進めることについて、立ち止まって検討するとされたことから、前提条件が整わず、ACブロックでの複合商業施設整備事業の説明もできないため、市民病院整備と同様に説明会を中止しました。従いまして、説明会は中止したのに事業は進める、ということはございません。現在、事業の執行を保留しています。」

市組織内部で方針の不整合を抱えていては、今後何も進まない! 次の心配が 

 以前にも書いたように、昨年秋のサウンディングはBブロックに病院ができる前提で実施されているので、この回答は当然であり、明快です。このような方針であるのならば、先日市民団体が市長に要望書を提出したとき、市長はそのことを説明すれば市民も少しは安心できたはず。

 ただし、心配は残るというより、次の心配が。担当課の答えは、正当で明快ですが、そもそも栢木市長がBブロック病院整備を「立ち止まって検討する」と表明した。いや、市長は実際はそれ以上に踏み込んで「14日の市議会全員協議会で、建設場所を含め『熟考の上、判断したい』と結論を先送りする考えを示した」(中日新聞2022年1月15日)と報道されているように、「創政会」の要望書に応じてBブロック病院の断念に言及している。

 「創政会」の要望はBブロックでの病院整備を断念し、AC同様に商業施設整備事業の対象地にせよというもの。市長はそれに応じてBブロック病院の整備を断念し、「創政会」の要望に沿って「今後、新たな用地に整備」しようとしている。ところが、担当課の見解では、駅前の商業施設整備事業は「Bブロックに病院が整備されることを前提と」して計画され、予算が議決されていることになる。もちろん、これは真っ当な見解ですが、市長の方針とは正反対。したがって、市長がまた独断専攻を図るのではないかと次の心配がおこる。

 いずれにしても、このように市組織内部で明らかな方針の不整合を抱えていては、いわば解けないパズルを解きにかかるようなもので、今後何も進まないことは明らか。特別委員会は病院整備のだけでなく、やはり都市基盤整備も同時開催が期待されます。