病院の見通しが消え、事態がひどくなってくれば当然のこと

 昨日、今日と知人や市民の人たち7、8人と電話も含めて個々に話す機会がありました。いずれもが病院のことやこれからの市のことへの心配が話題になりました。また、それぞれの身の回りでも病院がどうなるのかという声をよく聞くとのこと。

 なかには、初対面の市民から22日はどうだったのかと問いかけられて、とっさには意味が分かりませんでしたが、しばらくして、22日に予定されていた病院の市民説明会のことと分かりました。その方は、市広報に案内が出ていたが参加できなかったので、結果が知りたかったとのこと。中止を知らせるチラシが新聞折り込みされていたが、すべての人の目には届かないのも無理はない。また、市民として何ができるかもどかしい思いがするという声もありました。新病院の見通しが消え、事態がひどくなってくれば当然のことだと思います。

議会の頑張りに期待と言うしかないが、説得性はない 市民には拠り所がない状態

 さきほどの、市民として何ができるかという問いかけには、市長に期待ができないなら、次は議会の頑張りに期待するしかないとしか答えられませんでした。

 ところが、その議会も秋の選挙で、市長が擁立した5議員を加えて全部で7人の議員が市長会派として議会を押さえている。そして、そこに公明党の2議員と立憲民主との1議員も、市長がBブロック病院を断念した今後は別として、今までのところ歩調を合わせてきている。さらに、12月議会の駅前Aブロックの商業開発予算を含む補正予算案の採決では、選挙期間中の市民団体のアンケートでは駅前Aブロック病院に賛成を表明していた4議員までがBブロック病院を進めていた市長が提案した議案に賛成した。

 ということで、議会の頑張りに期待といっても、説得性がありません。事態は最悪に近づいているのに、市民には拠り所がない状態。

危機感共有化されているが、まとまった声や行動につながらない 「白タク」よりひどい

 ただし、限られたなかではありますが、昨日、今日聞いた声からすると、駅前病院の実現の活動を進めている市民の人たちが思っているよりは、危機感は共有化されているのではないかと感じました。ただ、それがまとまった声や行動につながらないだけ。

 改めて振り返ってみれば、実現に向かって動いていた駅前Aブロック病院が、市長の交代によって突然止められた。選挙公報や法定チラシで同じような病院を現地で半額で建替えると宣伝されたら、市民のなかにはそちらを選ぶ人がいても当然。しかし、その結果は繰り返すまでもない。

 このことを例えてみれば、タクシー乗り場で待っていたら、「白タク」が寄ってきて、目的地まで半額で送りますよと声をかけてきた。それはありがたいと思って、つい乗った。ところが、あてもなく方々連れ回されて高い料金を払わされた上に、これ以上乗せないと言って、目的地から遠いところで放り出されたようなもの。「白タク」の場合は、違法営業者に乗った軽率さはありますが、選挙の場合、公報や法定チラシに書かれていれば、「道路運送法」の許可を得たタクシーを選んだのと同じ。ましてやBブロック病院の場合は、市長に就任してからの「公約」。選挙の場合は、有権者に金品を配ったりしたら、当然、罰せられます。ところが、公約違反の場合、「白タク」と同じかそれよりひどいが、罰則の適用がない。

 それはとにかく、上の「白タク」の例を続けるならば、これまた穏当な話ではありませんが、命まで奪われなければ、遅れてでも何らかの手段で目的地にまでは何とかたどり着ける。しかし、野洲市の場合は、新病院のめどがまったく消えてしまい、その結果、現病院の存続にも心配が及ぶ現在の状況からは、「白タク」に乗った挙句、命までとられる例えになるおそれまで出てきます。ただし、実際の「白タク」の場合はここまでは至らないので、野洲市の病院問題の状況は、この面でも「白タク」よりひどい。

病院の特別委員会 開く気ないか、何らかの事情で開けないか? 議会への不信感も高まる

 このような深刻な状況をなんとかできるのは、すでに述べたように、まずは、市議会しかない。

 ところが、21日の全員協議会。議員から前回の会議で議長が約束した病院の特別委員会を早く開くよう強く要望があった。しかし、明確な答えはなかったようです。荒川議長や津村委員長にその気、というより職務に対する責任感があるのならすぐにも日程が決められるはず。なぜなら、全員協議会の場には議員全員はもちろん、市長はじめ市の幹部も出席しているのだから。これでは、開く気がないか、何らかの事情で開けないか?

 このような状況までは市民にはもちろん伝わっていないと思います。しかし、市民は、その健全な常識から、冒頭に紹介したように事態の深刻さを感じて、心配し、もどかしい思いをしている。そして、残念ですが、昨日、今日、これまた話が出ていた、議会への不信感も高まっていく。早急な拠り所の立て直しが急務です。