緩慢なショック死 まだ先の(緩慢な)ように見えているだけ

 今日1月21日の市議会の全員協議会で報告されたようで、行財政改革案がネットに出ていると聞いたので、見てみました。

 ところで、その行財政改革案に触れる前に、今朝。ピンと張りつめた清澄な雪景色の中を歩きながら浮かんだ言葉が、「緩慢なショック死」。

 穏当でない言葉だし、矛盾して意味をなさない言葉。おそらくこのようなことが思い浮かんだのは、昨日裁判を傍聴した市民の人たちから聞いた話や数日前から知人などから聞いた話。。それは、新病院どころか現病院までが立ちいかなくなるという危機的状況なのに、その危機感が広く市民に伝わらない。

 市長がBブロック病院を断念したと議会で公言し、新聞折込みまでした。しかし、次の展望は示さないで、口を閉ざしたまま。市議会もそれに喝采を送る一派と他方困惑する議員たち。まさに、病院はショック死状態であるのに、それが実感されないで、まだ先の(緩慢な)ように見えているだけ。

 

伸びやかな活力を一層失わせる キーワードは民間・売却・統合

 このように書き出したのは、市のホームページで行財政改革案にざっと目を通しての感想が同じだったからです。今日のところは、詳細にわたることはできませんが、このようなやり方をすれば、まちの息の根を止めるとまではいかないとしても、伸びやかな活力を一層失わせる。

 端的に言えば、理念なき、切り刻み、いや切り売り。キーワードは、民間・売却・統合です。

 

募集期間が抜けている 市有財産の売却推進が表に出てきた

 とはいっても、いくつか目についたところを紹介します。

 その前に、よほど慌ててホームページに掲載したのか、パブリックコメントの募集期間が記載されていない。抜けている。

 ところで、目についたひとつめは、7月の素案の時になかった「市有財産の売却推進」ぐっと表に出てきたこと。Aブロックなどの駅前市有地はまだリストに上がっていませんが、「引き続き処分可能財産の洗い出し、随時売却を進める。」と予告されています。

 

保育園の民営化と学校給食の民間委託

 次に民間委託。保育園の民営化で、「民間保育事業者参入促進および一部市立保育園運営委託・民営化の検討」とまで書かれている。おそらく保育士の新規採用はもちろん、退職者補充も早晩止められる。

 また、「給食業務のあり方の見直し」として、学校給食の民間委託が示されている。

 

文化3施設集約では「文化ホール」と「さざなみホール」どちらを残す?

 今日のところは、3つにしますので、最後に、公共施設の統廃合。「文化3施設集約」となっていますが、3施設といっても文化小劇場は問題外だから、駅前の「文化ホール」と「さざなみホール」、これらをどちらかに統合することになる。「コミュニティーセンターやす」はどうなるのか?

 

ビジョンや理念がない 市民に過大な負担を強いるやり方 病院と駅前抜いたプランの本気さは?

 案の冒頭には、「令和7年度に財政調整基金が最低保有規模とする6億円を下回る」と相変わらず「成り行き推計」をもとにした脅し文句が書かれています。

 行財政改革を効果的に進めようとするなら、ビジョンや理念と一体でないといけない。しかし、目を通したかぎりでは、それはなさそうだし、市長の覚悟も現れていない。要するに、上に書いたように、民間・売却・統合を柱にした削減。

 いずれにしても、パブリックコメントと言いながら、案をそのまま掲載しただけで、着目点やポイントをまとめた市民が理解しやすいようにするための資料がなく不親切。庁内の経費削減だけならまだしも、市有財産の売却、保育園の民営化と学校給食の民間委託、文化3施設集約など、子育てや文化など市民サービスと活動にかかわる重要な内容のものを市役所内の事務処理のようなやり方でやってよいものか?

 今日の全員協議会で議員からどのような意見が出たか知りませんが、全員協議会と前後して公表されたから、議員の意見は反映されてはいない。このようなある程度専門的情報を踏まえなければならないものは、昨日書いたように、審議会や議会で審議したうえで、市民の意見を求めるべき。これでは、市民に過大な負担を強いるやり方。

 また、案は。「令和4年度から令和8年度までの計画」といいながら、重要課題の病院と駅前事業のことが入っていない。これらの課題を抜いた「野洲市行財政改革推進プラン」は、どれほど本気で、どこまで有効なのかと心配になります。まさかではあるが、市民病院をなくす前提のプランなのか?