特別委開催公算は低い 市役所内も市議会も機能していない

 改めて病院特別委員会を開催するという議長の締めで、先日14日の全員協議会は終わっています。報道では、「荒川泰宏議長は『特別委を早期に開いてもらうことを願う』と締めくくった。」となっています。(毎日新聞2022年1月15日)

 ところが、その特別委員会が開かれそうな動きも、兆しもなさそうです。昨日紹介した、市長名での市民説明会中止のお知らせには、議会のこととはいえ、市長から委員会で説明するとの言及はなかった。

 委員会の開催には、議長を除く17人の議員と市長と担当職員の日程を調整するだけ。緊急性の認識があれば、あらかじめ日取りだけはすぐ決められる。津村委員長が議会事務局に指示して調整するだけのこと。

 特別委員会の開催は、議員からの要求であったので、議長は開催する方向で会議を収めた。しかし、議長が会長である市長会派の議員は、「可決される見込みがないのに、Bブロックでの整備を前提にした特別委を開催する必要はない」(毎日新聞2022年1月15日)と抵抗していた。加えて、市長はそもそも開催してもらって説明する気がない、言い換えれば、病院をつくる気がないので、おそらく開催される公算は低い。

 一昨日紹介した市の部長会議記録で明らかになったように、市役所内がまともに機能していない。加えて、市議会も機能していないとなると、事は病院問題だけにとどまりません。さらに、職員のストレスも無視できない。

「公約の遂行」が目的だったとするなら「公約」は遂行されなかったのでアウト

 ところで、明日20日午後、病院についての住民訴訟の口頭弁論が大津地裁で開かれます。駅前Aブロック病院の実施設計等を栢木市長が就任直後違法に解約し、市に損害を与えたとして、市長に4,256万円の損害賠償を求める訴訟。

 10月7日の第1回口頭弁論では被告側は市長はもちろん弁護士も欠席。そのうえ、訴えに対する反論となる準備書面も提出されなかった。このような不誠実な対応であったため、中身のないものでした。

 昨年8月18日に訴えが起こされてから半年、ようやく裁判が動き出します。そして、初めての市民説明会を中止し、議会では、はぐらかし答弁に終始してきた市長の病院問題に関する何らかの見解が明らかになることを期待します。住民監査請求の時の「契約解除等の判断は、市長選挙の公約の遂行のために行われたものであり、民意に基礎付けられたものであることが明らかであるため、市長に与えられた広範な裁量権を逸脱しているとは言えない」といった雑な論理では通用しない。

 いま改めてこのくだりを引用して気づきました。訴えの対象となっている契約解除行為が、「市長選挙の公約の遂行のために行われたもの」であったとするなら、その病院の「公約」が「遂行」されなかったことが明らかになっている。したがって、4,256万円の公金支出は違法なものであったことが自ずから証明されたことになり、即アウト。

今回も「市の損害拡大を防止する」ためにBブロック病院契約を途中解除?

 さらに皮肉なこと。栢木市長は市長就任後の公約であるBブロック病院の断念を表明した。ということは、栢木市長は今回も「市の損害拡大を防止する」(住民監査請求市長陳述より)ために、自らが契約した1千万円余りのBブロック病院の基本計画等策定業務の委託契約を途中解除するつもりなのか?これでは、物事が前に進まず、お金と手間を無駄にして、同じところをぐるぐると回っているようなもの。こうなってくると、栢木市長の場合、何が公約なのかわからなくなってくる。