説明会が延期でなく中止であれば事業も中止ということになるはず 身勝手な文書

 今日1月18日、市のホームページに市民説明会の中止の案内が柏木市長名で出ていました。22日と27日の開催が市広報紙1月号に大きく案内されていた、Bブロック病院と駅前商業施設事業の説明会。延期かと思っていたら、中止となっていて驚きました。ということは、これらふたつの事業も中止となって、今後進めないということになる。ところが読み進むと、病院のことしか書いていない。要するに、読み手、ということは市民に対して配慮のない身勝手な内容の文書。

一会派の要望書を重要視する意味が市民には不明 市政を市長と市長会派が牛耳っていることが露呈

 細かいことを言い出したら切りがないほど変なお知らせ文。まず、文書の様式で、お知らせ全体でなく、「経緯」のところだけが市長名になっている。

 中身も、1月5日に議会の創政会からでた要望書の事からはじまっている。

 そして、「その内容は、駅前Bブロックでの病院整備を断念し、新たな用地に整備することが賢明であり、Bブロックも含めて駅前全体を複合商業施設として整備すべきというものでした。」と一会派の要望文の内容を詳しく紹介。その後、駅前Bブロックでの病院整備には市議会の賛同が得られないものと受け止めており」市民に説明できる状況にないと判断したと結んでいる。

 市議会最大会派とはいえ、荒川議長を入れて7人議員の一会派からの要望書を公の場で紹介し、これほど重要視するのか市民には意味が分からない。議長名の議会要望でも議会決議でもない。そして、その要望書が、説明会の中止どころか、実質的には事業の中止の判断の理由になっている。まったく異常。

 創政会は市長会派または「市長与党」(毎日新聞)とされているので、これでは、野洲市政を市長と市長会派が牛耳っていることが露呈したことになる。

 一会派、と言うより、実質自分の会派からのやらせ要望をもとにして、委員会を開かず、議案提案も見送り、市民説明会も中止。ここには、病院の見通し以前に、市民も、議会も民主主義もすでになくなってしまっている。

素知らぬ顔で駅前商業事業だけを強引に進めようとする 目的は奥山議員と稲垣議員の主張どおり

 上で書いたように病院と駅前商業事業の説明会が中止になったからには、病院だけでなくふたつの事業とも中止と思っていましたが、そうではないようです。駅前商業だけは進めるつもりらしい。先に引用した「Bブロックも含めて駅前全体を複合商業施設として整備すべきというものでした。」という会派要望が暗に示している。

 駅前商業事業のキックオフ(開始宣言)と位置付けた市民説明会もしない。さらには、駅前Bブロックに病院があるという前提で実施したサウンディング、その重要な前提条件が変わっても、素知らぬ顔で駅前商業事業だけを強引に進めようとする。ただし、商業事業の成功の見通しはたっていないので、ねらいは奥山議員と稲垣議員が、よくもこれほどあからさまに言えるかと思うほど、口をそろえて主張しているように市有地の売却が最終の目的。

新病院はいつまでかかるか見えない 野洲病院が半世紀以上の幕を閉じざるをえなくなる

 いくら「病院整備の中止や凍結ではない。」(中日新聞)と表面を取り繕っても誰からも信用されない。経営が立ちいかなくなった民間病院を強化して市立化するとともに、駅前Aブロック病院の設計が最終段階であった。それを10年もかかって何も進んでいない、いつまでかかっているのかと批判して、栢木市長は立候補した。しかし、栢木市長の現状では、それこそ、新病院はいつまでかかるか見えない。いや、これから10年先でも無理だろうし、それどころか、1964(昭和39)年の民間「野洲病院」から数えれば、半世紀以上にわたって市民の健康と医療を支えてきた市立野洲病院が早晩幕を閉じざるをえなくなるおそれが多分にあります。

行財政改革の市民説明会 開催して市長が出席して説明できる?

 最後に、昨日どうなるのかと書いた、行財政改革の市民説明会。こちらは、22日午後と24日夜の開催が市広報で案内されている。今日のホームページの案内では、こちらは中止となっていない。大丈夫なのか?

 病院と駅前商業事業と同じ紙面で案内されているように、この3つは関係します。病院と駅前商業事業は今後の市の行政と財政に最も重大な影響を及ぼす事業。それを抜きにした行財政改革の説明が成り立つのか?また、市議会には先に説明してあるのか?

 それともうひとつ。行財政改革について市民に対してのはじめての説明会であるからには、栢木市長が率先して説明に当たるはず。市長は、行財政改革については、「不透明な中で」はなく、「市民の皆さんに説明できる状況に」あると「判断し」ていると見えます。本当に、市長自ら説明し、重要な質問に対して答えられるのか?「行財政」についての会議という限りは、国会の予算委員会と同様、課題は市政全般にわたる。したがって、当然、病院と駅前商業についても市民から意見や質問が出るはず。

 もし、それらの課題については口を閉ざす。あるいは、市長は出席しない、出席はしても挨拶だけで退席するようなことであれば、それこそ市民にとって説明会は「時間の無駄になる」。ここでもまた、会議の中身でなく、これまでと同じように「説明したという」アリバイづくりだけを狙っているのか?

 現状では12月議会での奥山議員の軽い質問を除き、行財政改革について市議会の関心も低く、仮にそのようなことになれば、市政は一段と形骸化し、劣化に向かいます。