操縦不能の飛行機内、沈没寸前の船内の緊迫状況 勝敗は決しているが、市民には先が見えない

 先日の全員協議会で栢木市長は、「より適切な判断をするため、時間がほしい」と述べたと報じられています。(中日新聞2022年1月15日)通常この言葉は、個人が自らの一身上の判断をするときに使う言葉。前々から市長は市の公務を私事のような気楽さ感覚でやっているのではないかと心配でしたが、図らずもこの発言に表れている。
 公務に限らず事業(ビジネス)であれば、遅れる具体的な理由と解決への手続きが同時に明らかにされなければならない。ところが、今回それがない。貝の中に閉じこもって悩んでいる状況。
 と思っていたところ、知人から、今日17日に公表された11日の部長会議の記録を読みましたかというメールがあり、目を通しました。要録とはいえ、まさに操縦不能になった飛行機の機内のクルー(乗組員)の緊迫した状況が迫真的に描かれている。殿ご乱心と、市長に対して縋ったり詰め寄る職員に対して、まともに答えず、ここでも「今しばらく時間をいただきたい。」の一言。
 例えれば、操縦不能になった飛行機の機内、あるいは船体に穴があいて沈没寸前の船内の乗組員の状況。本来は主役であるべきですが、この例えで続ければ、お客のつもりの市民にはまだこの本当の状況が知らされていない。それを知らせるのは議会の役割。

 なお、部長会議の内容は長いので省きますが、ひとつだけ興味を引く点だけ紹介します。職員からの詰問に対して、市長が創政会からの要望書に関し、「要望を出されたことにもそれなりの理由があり」と、すでに理解を示していること。これを読めば、すでに勝敗は決しているが、市民には、なぜ市長が理解を示しているかはもちろん、この先がまったく見えない状況。

駅前商業開発1,500万円の執行も当然保留 条例違反を重ねることになる

 ところで、先の全員協議会で市長がBブロック病院を進める気がないことと市民説明会が開かれないこととが明らかになりました。しかし、それとともに本来確認されるべきでありながら、はっきりされなかったことがあります。それは、昨年12月の議会で強引に可決された駅前商業開発の1,500万円の執行について。
 22日の市民説明会ではBブロック病院とあわせて駅前商業開発の説明も予定されていた。両事業の市民への説明がなくなったのであれば、駅前商業開発の1,500万円の執行も一旦保留されるべきであり、そのことの確認が必要。
 執行保留の理由としては、もうひとつあります。市長は「(2月議会に)条例改正案や病院関連予算案を提出しても賛同をいただけないと受け止めている。」(毎日新聞2022年1月15日)と発言し、病院事業設置条例の改正議案を提案しないと表明した。そうなると、Aブロックは条例で病院用地のままであることになる。もし、そこで商業開発を目的とする事業を始めることになれば、同じく条例に反してBブロック病院の計画策定に予算をつぎ込んで頓挫した失敗を繰り返すことになる。それは避けるべき。

市長発言からは1,500万円予算執行強行のおそれ 信頼を失った状況では行財政改革どころではない

 ただ、心配なことは会議での市長の発言。「建設場所を含め『熟考の上、判断したい』」ここでは頭の中は真っ白でない可能性があります。

 なぜなら、この発言によって、公の場所でBブロックに病院を整備しないことを公言したことになるから、稲垣議員の要求どおりA,B、C全ブロックを商業開発対象地とすることを議会で「説明」したとして、1,500万円の予算執行を強行するおそれが残る。

 最後にもう一つ気がかりなこと。それは行財政改革。市民説明会が22日午後と24日夜に開かれることになっている。病院問題でこのように市民の信頼を失った状況では行財政改革どころではない。どうなるのか?