駅前商業開発事業のキックオフ(試合開始)は市民説明会

 少なくとも市議会のレベルでは、病院と駅前商業開発の方向性が決まったことになっています。ところが、新病院への安心感と新しい商業施設への期待感が周りでは感じられない。逆に不安感と言いようのない虚しさと憤りの思いを持っている市民も少なくないようです。まちがどこへ引っ張られていくのかという不安。

 ということで、今年の業務も終わった市役所のホームページを久しぶりにのぞいてみました。するとひとつ、小さなことですが、疑問に思っていたことの謎が解けた。とはいっても、また新しい疑問が湧いてきました。

 最初の方の解けた疑問とは、駅前の商業開発事業でのキックオフ(試合開始)。特別委員会資料のスケジュール表で年明け1月に赤丸を付けて記載されている。これが何を意味しているのか疑問に思っていました。

 すると、12月13日の部長会議要録に次のようにあり、とりあえずの疑問は解けました。

  →想定工程に記載されている「キックオフ」は何を指しているのか。

   →市民説明会の開催をキックオフと位置付けている。

 

 

市議会はもう文句も言わずに付き従ってくる? 議会が有名無実化

 とは言っても、すぐに新しい疑問が続々と湧いてきました。なぜこの時期に?時期が早いのではないか?市民に何を説明するのか?説明だけで市民の意見は聴かないのか?とにかく、時期尚早で、無理をしていることは、部長会議でのやり取りでわかります。

  →市民説明会の内容については、議会へ説明していただけるのか。

    →説明する予定であるが、方法については資料提供のみとなる可能性もあり、これらも含めて今後検討していく。

 これでは、市議会はもう文句も言わずに付き従ってくるから、どうでもよい。議会が有名無実化。

 それにしても、1,500万円の委託事業の期限は再来年度末なのだから、そう慌てる必要はなさそうであるのに不可解。

外部業者が決まらず陣容も整っていないのにキックオフ

 もうひとつの疑問である、なぜこの時期にかということについては、会議でのやり取りからはわかりませんが、これに関しても不自然。なぜなら、「キックオフ」をしてプレーを行うにはその時点ではまだ陣容が整っていないから。市の説明では、駅前の商業開発は官民連携を想定している。そのために肝心の民の業者を決める必要がある。ただし、その民の業者を決めることも、市長以下市の職員の力では及ばないので、職員を手助けする業者を探す。ホームページの11月18日の市長の記者会見では、記者からの「個別サウンディング」についての質問に部長が次のように答えています。「この個別サウンディングとは、支援いただくコンサルタント業者が市に成り代わり各種業界・業態の実態を含めて調査、聞き取りを行う総称として使用しています」。「業者が市に成り代わり」と、市職員は何もしないで、すべて外部の業者任せにすることを臆面もなく、あっけらかんと述べている。

 いずれにしても、部長のこの発言からは、手助けどころか、「市に成り代わり」実質的に仕事をする外部業者が決まらなければ、プレー、すなわち業務が始まらないはず。陣容も整っていないのにキックオフするのはよほど慌てているとしか思えない。

「司令塔」の指示に従わなくてはいけないので、市民の意見を聴く余裕はない、あるいは聴いても無駄?

 最後の疑問、市民への説明内容と市民から意見を聴かないことについて。まず、説明内容については、その時点では実際に仕事をする外部業者が決まっていない段階だから、12月17日の特別委員会の内容の焼き直しにならざるを得ない。

 もうひとつの市民から意見を聴くことについては、栢木市長は就任以来一貫して避けている。一方的に説明しかしない。そして、その説明も内容があいまいであったり、実がなかったりで、まったく説明になっていない。12 月20 日部長会議の冒頭でも、17日の特別委員会に触れて、「今後も、丁寧な説明を行い理解を求めていくという姿勢を貫いていく。」と職員に訓示。まさに貫いている。しかし、このような極端な一方通行のやり方は、首長としては珍しい。何か理由があるはず。

 おそらく、市民からは見えないところにある「司令塔」からの指示に従わなくてはいけないので、市民の意見を聴く余裕はない、あるいは聴いたところで無駄だということかもしれません。

 やはり、これでは、まちがどこへ引っ張られていくのかという市民の不安も無視できません。改めて、議会が姿勢(フォーム)を立て直して市民のためにキックオフすることが期待されます。