Bブロック病院の議論は評価委員会で成立しない 論理の飛躍かごまかしが必要

 明日11月22日午後、「市民病院整備評価委員会」が開かれます。広報紙の案内では、Bブロックでの市民病院計画の審議とだけしか書かれていない。そのため、具体的には何が議論されるのかわかりません。

 おそらくは、来年3月をめどに策定中のBブロック病院の基本計画に絡む内容だと思われます。ただし、そもそも議論が成立するのか疑問です。もし、成立するとしたら、どこかに、論理の飛躍、言い換えれば、ごまかしがあることになります。

前回の評価委員会ではBブロック病院は認められていない Aブロック支持が大勢

 病院評価委員会で議論が成立することに疑問があるのは次の理由によります。

 まず、前回5月17日の価委員会ではBブロック病院は認められていないからです。その会議では、市長が提案したBブロックと郊外2か所の3候補地と議会提案のAブロック、計4か所を前提に議論された。その結果医師会代表などの専門家と市民代表がともにAブロックが良いと述べ、Aブロック支持が大勢でした。翌日の新聞報道にもそのことが報道されています。

 「守山野洲医師会の福田正悟・前会長は『利便性が良く、入院患者の家族も来やすい』などと述べ、駅前での早期整備を要望した。オンラインで出席した京都大大学院医学研究科の今中雄一教授は『Aブロックはいったん設計したベースがある。補助金も活用できる。街の活性化にもつながる』とメリットを挙げた。」(中日新聞2021年5月18日)

市長でさえ、会議終了後記者会見で、Bブロックは無理だと述べた

 また、当の栢木市長でさえ、会議終了後の記者会見で、Bブロックは無理だと公言し、翌日の何紙かで記事になっています。改めて新聞を引用します。

 「委員からは、駅前で早期の整備を求める声が多くを占めたが、栢木進市長は終了後、『駅前で病院整備はしない』との考えを改めて示した。」、「栢木市長は『駅前での病院整備に反対を掲げて当選した。委員の意見は参考にするが、Bブロックも面積的に無理だと思う』と述べた。」(中日新聞2021年5月18日)

 その後、市長はこの発言を撤回し、Bブロック方針に転換しました。

 

Bブロック方針はまだ正当化されていない いきなりBブロック病院の基本計画資料を審議すれば、評価委員会の見識が問題

 さらに、市長のBブロック方針に関しては、これまで何の議会議決もありません。逆に、Aブロックを病院用地と定めた市条例が有効であるため、まだ正当化(オーソライズ)されていない。さらに、現在策定中のBブロック病院の基本計画の予算も病院現地建て替え公約の検討中に議会提案されたもの。したがって根拠にならない、というより財政民主主義の原則からすればそれを無視した行為。

 いずれにしても、評価委員会にはこれまでBブロック方針は、表で公式には伝えられていない。したがって、明日の会議がまともに行われるのであれば、この間の説明手続きが必要。もし、いきなり策定中のBブロック病院の基本計画資料を審議すれば、評価委員会の見識が問題となる。論理の飛躍か、ごまかすかの選択を迫られることになります。

 

Bブロック病院賛成議員ゼロも大きな障害 タオルを投げ入れる役割は市議会 市長は評価委員会の意見に応じAブロックに方針転換するしか道は開けない

 以上のこととは別に、評価委員会がBブロック病院を審議することの大きな障害があります。それは市議会議員でBブロック病院に賛成を表明している議員が誰もいないこと。このことは、先の市議選での公約や市民団体のアンケートなどによって明らかになっています。むしろ積極的に反対している議員も少なくない。いくら市長の諮問機関だとは言え、市民代表の意見・意向を無視して中身の議論は進められない。

 評価委員会がこのような窮地に置かれているのは、もちろん評価委員会の問題ではない。問題は、市議会の改選後速やかに病院に関しての議会審議を省いて乱暴にも諮問機関に審議を委ねる市長側にあります。

 先のAブロックのサウンディング結果では、「大規模な商業施設というよりは、シェアオフイス」などと事業者から提案されて、商業開発の見込みが薄いことは明らか。そのうえ、市長自信税収増の見込みを確信していない。

 このような状態でありながら、無理を重ね、評価委員会に負担をかけ、いつまでBブロック病院にこだわり続けるのか?リングの中にタオルを投げ入れる役割は市議会にしかできない。12月17日に市議会の「市民病院整備事業特別委員会」が予定されていますが、それでは遅すぎるのではないかと心配。

 いずれにしても、市長が、現地半額建て替えの検討で評価委員会の意見に従って公約断念した時と同じように、今回も評価委員会の意見に早く応じて、Aブロックに方針転換するしか道は開けないようです。