サウンディング迫り、議会チェック機能働かず、市民は心配

 国土交通省のサウンディングが明日12日に迫っているので、心配する市民から問いかけがあります。このサウンディングなるものは、駅前Aブロックを含む市有地の商業開発を目的に、対象土地の情報を公開して、関心を持つ開発業者、不動産業者、建設業者などと実質的に密室で情報交換するもの。

 対象土地Aブロックは、2010(平成22)~2011(平成22)年度にかけて市民集会と議会審議を重ねて、購入を決定したもの。そして、同じように市民集会と議会審議を重ねて「野洲駅南口周辺整備構想」と市民病院計画を策定。その結果、今も市の構想や条例では市民病院用地として正式に定められている。

 この経緯を知るどころか、その構想や計画の議論に参加し、その実現に期待してきた市民たちからすれば、市民への説明はもとより、議会審議もなしの今回のサウンディング参加は認められない。

 このような状態であるにもかかわらず、サウンディングに参加できる国の制度にも問題がありそうですが、以前書いたとおり、自治体内でのこのような状況は想定外。そういう意味では、野洲市の自治の問題。

 ところが、その自治をチェックし、健全化に向かわせる役割の議会も十分に機能していない。そこが余計に市民の心配を募らせています。そもそも、サウンディングとは地盤調査のことですが、市の中で市民の合意形成や議会で条例改正などの地盤固めもしないで、サウンディング(地盤調査)を行うこと自体、無理があます。

市民や議会と協議なく、「民間」頼み 定期借地方式で、後は借地料の設定方法を公表?

 このサウンディングについては、以前、たまたま国土交通省のホームページで野洲市の資料を発見し、問題点を含めてブログで紹介しました。問題点とは、市民も議会も知らない「野洲駅南口複合商業施設整備事業」なるものが掲げられていることや条例で縛られていることなど土地の制約条件が正確に表記されていないことなどです。

 市民が心配しているので、改めて国土交通省のホームページを確認しました。すると、以前気づかなかった、「案件への質問回答一覧」という資料が見つかりました。この中にみると、野洲市に関しては2つの質問が寄せられています。

 ひとつは、「事業スキームを明確にして頂きたい。」というもの。これに対する回答は、要するに何にも決まっていないというもの。市民とも議会とも協議していないのだからある意味当然のこと。しかし、市は今後市民や議会と協議するつもりでそう答えているわけではない。「手法も含めて参加事業者からご意見をいただきたいと考えています。」と答え、すべて「民間」頼み。

 もうひとつの質問は、「定期借地方式として提案する場合の借地料の考え方」というもの。これへの答えは、「公募の際に要項でお示しする予定です。」というもの。この答えからすると、市長はすでに定期借地方式を決めていて、後は借地料の設定方法を示せばよいというところまで行っている。

商業開発は定期借地で美理容院、エステ? Bブロック病院含め無理があり過ぎ

 ところで、今回市が勝手につけた事業名ですが、「野洲駅南口複合商業施設整備事業」という仰々しいい事業名になっている。そこでどのような商業機能かと改めて疑問に思い市の資料に当たりました。8月17日の都市基盤整備特別委員会の資料。そこで「商業サービス」としてあがっているのは、地産地消の飲食店、美理容院、エステ、化粧品等、農産物の直売所、ビジネスホテル。事業名から一般的に受けるイメージからは大きく離れているし、すでに市内には存在している業種。また、「野洲駅南口周辺整備構想」のワークショップやアンケートで若い世代から寄せられた意見とも大きくかけ離れている。

 この程度の複合商業のために、新病院を窮屈なもとの駐車場用地であるBブロックに押し込もうとする理由がまったく分かりません。今の市の進め方には、冷静に見ると、いたるところに無理があり過ぎます。