明日の臨時議会での議長選任 普通なら、議会で、好きに、適当にだが

 明日11月10日、市議会の臨時議会が開かれます。改選後初めての本会議。開催の目的は、正副議長や委員会の委員長などの議会役員の選任。議員になったからには、一度は名誉ある議長職を経験したいと願っている議員本人は別。一般の市民にとっては、市政の課題に大きくかかわる議案が審議・採決されるわけではないので関心が高くないのはもっともです。普通なら、議会のなかでのことだから、好きに、適当にやってもらったら良いと思って当然。

市民と比べて、市民代表である議会と議員の権限は格段に大きくて強い

 ところが、現在の市政の状況からは、そうも言ってられない状況。この1年間、市政の公開性が失われ、密室性が高まってきた。そして、それと表裏一体で、市長の独断専行が横行し、常態化してきた。この状況を、チェック(監視)し、制御できるのは議会しかありません。市民には無理。まさにそのためにある仕組みが議会だから当然です。

 たとえば、市民が市政に関して疑問や意見がある場合、「市長への手紙」の制度を使って文書かメールを市役所に送ったうえ、回答が来るまで半月ほど待たなければならない。ようやくその回答が来ても、肩透かしの内容である場合が多い。その場合は、改めて同じ手続きを繰り返さないといけない。

 また、市民が行政情報の公開を求めようと思えば、文書によって煩瑣な申請手続きを行ったうえ、結構な期間待たされる。この場合も、ようやく公開された文書や資料も、黒塗りされていたりして納得できないことが多い。その場合は、「市長への手紙」と同じかそれ以上の煩瑣な手続きで不服申し立てしないといけない。

 しかし、議員の立場であれば、このようなことは、本会議や委員会の質問でほとんど手間をかけないで簡単にできます。さらには、議員個人の活動でなく、議会の総意として決議を行ったり、資料の提出を求めたりもできる。このように、市民と比べて、市民の代表である議会と議員の権限は格段に大きくて強い。あえて言えば、議会が健全で活発に機能していれば、市民は住民監査請求や住民訴訟に訴える必要はほとんどなくなると言っても良い。

野洲市の異常さのなかで議長の役割は重要 だれが議長になるかが透明化と一段の不透明化の分岐点

 このように、極めて強い権限を持っている議会の運営の権限と責任を持ってるのが議長です。もちろん議長だからといって、何もかも自分の好き放題に決めたり運んだりはできませんが、調整能力も含めて、議長の役割は重要。特に、上で述べたように、市政の公開性が失われ、条例の規定や公約違反をものともしないで、市長の独断専行が横行し、常態化してきているなかでは、それをチェックし、制御する議会の舵取りをする議長の役割は極めて重要。議長のリーダーシップと調整力によっては、市長へのけん制力が発揮でき、市政の健全化が実現できる。したがって、他の自治体と異なって、今の野洲市の異常にひどい状況では、議会と議長の役割は異例に重要です。この野洲市の状況の異常さは、去る5日の市議会の全員協議会で2人の議員が、サウンディング資料の公開と説明を求めたにもかかわらず、市長は答えず、担当部長には門前払いされたことからもよくわかります。

 そこで、明日の市議会の臨時会の一番の重要な案件である議長選出が注目されることになります。だれが議長候補として手を挙げ、だれが選ばれるか?また、議員による投票は無記名ですが、会派構成などから、だれがだれに投票したかおおよその推測が立つので、それも今後の議会動向を占う参考情報。

 このようなことを含めて、明日の議長選の結果が、今後市政の透明化が図られるか、それとも一段の不透明化に向けて零落していくかを分ける分岐点のひとつになりそう。もちろん、明日の結果によって、市政の透明化が進み、市政が市民のものになる議会体制になることを期待しています。