病院整備評価委員会の開催案内 見落とすほどに小さく市広報紙に

 今日10月31日の朝刊に「広報やす11月1日号」が折り込まれていました。明日の朝刊が、衆議院選の結果掲載で遅れるためなのか、いずれにしても通常より1日早い。

 ざっと目を通して、半ばほどのところにある、小さな記事に気づいて、驚きました。市民病院整備評価委員会の開催案内。11月22日(月)午後1時30分から市役所の第1委員会室で、公開となっています。Bブロックでの市民病院計画の審議とだけで、具体的な議題は書かれていない。

 

 

市民参加を歓迎するより、抑制したいという意思が見える

 この記事は、広報紙の後半の「暮らしの情報」としてまとめられたところにあり、イベント案内などにまぎれている。そのため、おそらくこの記事に気づかない市民も多い。栢木市長の看板公約にかかわることであり、先の市議選の争点のひとつでもあった事業。市民の関心、というより心配も高まっている。その審議会の市民への案内が、この扱い。これでは、会議がいくら公開であたとしても、実のところ、市民の参加を期待していないようなもの。さらに、会場が、かつてのような広い会議室でなく狭い。「傍聴希望者が多数の場合はご遠慮いただくことがあります。」と断ってある。

 議員の新任期が始まってから最初の評価委員会であるので、その参加も見込まれる。そこに報道関係者を加えると、市民が傍聴する余地は厳しくなる。いずれにしても、広報紙での案内記事の扱いといい、会場設定と傍聴者への断り書きといい、市民参加への配慮がない。というより、できれば市民参加を抑制したいという意思が見えてきて、相変わらずの密室姿勢で残念。

基本構想が案のままで確定しなければ計画策定に進めない ダミーか「私案」・「対案」ではないか

 ところで今回の会議の位置づけ。

 まず、Bブロック病院の基本構想・計画策定業務委託の仕様書では、年度末の業務完了までに会議は、評価委員会と市民説明会が各1回ずつで、議会特別委員会はゼロになっていました。したがって、評価委員会はもっと遅い段階かと思っていたところ、今回の開催であることも驚き。

 ただし、仕様書では「基本構想(案)及び概略版(案) 令和3年 11 月」となっていたので、この会議で基本構想(案)を確定するのか?しかし、それでは、(案)を取った最終の基本構想はいつどのように確定するのか?基本構想が案のままで、確定しなければ、最終成果物である、年度末の基本計画策定に進めない。

 このように、いまだ構想・計画策定手続きが公開されていないだけでなく、市内部でも事務的に詰められていないのではないかと思えてきます。この状態では、先日書いたように、Bブロック病院がダミー(模造品・見せかけ品)ではないかという噂、またもっと前に書いたように「私案」・「対案」ではないかとの疑いを裏付けることになる。

委員会はまだBブロック病院を認めていないのに、その構想等の審議は困難 市民代表である議会の状況を無視することにも

 次に会議の内容。まず、評価委員会での審議の経過を簡単に振り返っておきます。

 5月17日の評価委員会では、病院の場所については、市長があげた3候補地に議会提案のAブロックを加えた4候補地を前提に議論されました。Aブロックについては「市長の諮問機関である当評価委員会においては、他の案と同様に駅前Aブロック案を評価しなければならない。」と上本伸二委員長が発言して、正式に議論の対象となりました。その場で結論は出なかったが、委員の多くはAブロックを推していました。ところが、その後、栢木市長が突然、独断でBブロックの方針を表明。その後、病院事業予算のなかで場所を特定しないで認められていた委託費を使って、議会の議決を無視してこれまた独断で、Bブロック基本構想・計画策定業務委託を発注して今に至っている。

 このように辿りなおしてくると、次の評価委員会では何が議論できるのか疑問です。なぜなら、委員会としてBブロックを認めていない。それなのに、Bブロックに決定したうえでの病院の構想・計画を審議することは、普通なら困難だからです。上で述べたように、先の委員会では、医師会代表はじめ委員の多くは、Aブロックを推していた。他方、この分野の栢木市長のブレーン(指導者)である滋賀県の角野文彦理事や藤村 洋二野洲市自治連合会会長などは郊外案を強く主張していました。

 さらに深刻な問題は、明日11月1日から任期がはじまる市議会議員のだれもがBブロック病院に賛成の意を示していないこと。逆に、Aブロックに賛意を示している議員が7人、郊外を主張している議員が2人。このような市民代表である議会の状況を無視して第三者委員会でBブロック病院に関して何が議論できるのか?

 

 

 

評価委員会で市民の身の丈は測れない 「身の丈に合った」は市民か市長か、どちらの身の丈?

 最後に、話は少しそれますが、このように栢木市長になってからの病院の経緯を辿ってくると見えてくるものがあります。栢木市長の主張の柱は、「身の丈に合った病院」。いまだよく分からないのは、この「身の丈に合った」ということ。市民のニーズ(求めるところ)に合ったということではないようです。

 したがって、評価委員会で病院の構想を審議するには、まず「身の丈に合った」の意味を確定することが必要になる。そしてその前に必要なことは、だれの身の丈なのかを明らかにすること。市民の身の丈なのか、それとも市長の身の丈(やる気と能力)なのか?

 当然、評価委員会で市民の身の丈を測る議論はできないはず。とすると、今回の会議の設定では、評価委員会でできる議論には、冒頭に述べた問題点とは別に、大きな限界と困難が控えているように見えます。