水位マイナス50cmの渇水 

 朝の天気予報では、風はやや強いが、晴れだったので、カヌーをもって琵琶湖に出かけました。

 自宅を出るときは、晴れて穏やかだったのに、湖岸に近づくと雲が空を覆い、かすかに白波も立ちかけていました。

 湖岸に着いて、まず驚いたことは、水位が異常に低いこと。かつては琵琶湖の水位には敏感でしたが、最近は、カヌーをもって琵琶湖に出かけて結果として、その場で気づく程度。帰宅してからネットで調べたら、B.S.L.(琵琶湖基準水位)からマイナス50cm。想定どおり雨が降っていないため、渇水です。

 独立行政法人 水資源機構 琵琶湖開発総合管理所のホームページから「令和3年琵琶湖水位曲線」を添付しておきます。

用水と悪水の水論(すいろん)が歴史でなくまだここ琵琶湖に生きている

 この時期であれば、プラス30cmが基準。これについても琵琶湖開発総合管理所の資料を添付しておきます。

 ところで、琵琶湖は自然にできた湖ですが、琵琶湖総合開発事業以降は、下流府県の水源のためのダム湖として人工的に管理されています。また、豪雨・洪水時には、下流府県を水害から守るために、堰を完全に閉鎖して、水を流さないルールになっています。このため、資料にあるように、プラス1.4m~マイナス1.5mの間の水位で管理されています。ただし、プラス1.0mを超えると、漁港や湖辺近くの農地には浸水被害が出ます。

 話がそれたので、詳しくは書きませんが、渇水で水がない時でも下流には流さないといけないし、豪雨で水が邪魔で下流に流したい時には流せない。上流の滋賀県は、下流府県の犠牲になる制度になっています。用水と悪水の水論(すいろん)である水争いが、歴史でなく、まだここ琵琶湖に生きています。

 なお、B.S.L.は、琵琶湖開発総合管理所の資料の説明のとおり琵琶湖の水位です。

大胆に形を変える雲の姿と雲間からの光に鋭く輝く湖面の波

 漕いでいる間に雲も切れてきて青空が覗いてきました。10月も終りに近いのに、紅葉にはまだ早い。

 また、水鳥も少なく、眼を楽しませるものは少なかったですが、強めの風で大胆に形を変える雲の姿、そして雲間からさす太陽の光に鋭く輝く湖面の波が今日の琵琶湖の風情でした。