まちの状況は、悪性腫瘍に取りつかれたようなもの 選挙結果によって転移も

 先日選挙が終わってからのある日、市民からまちの状況を問われました。それに対して、例えれば、悪性腫瘍に取りつかれたようなもの、今回の選挙結果によって一段と転移したのではないか心配と答えました。その市民の反応は、例えが分かりやすいというものでした。

 例えというものは、もちろん、物事を正確に説明するものではない。しかし、それだからこそ、ものごとの一面を分かりやすく言い当てる場合があります。悪性腫瘍といえば、代表的なものは癌ですが、誰かが癌だと言っているのではなく、まちの状況にそのような症状が出ているという意味。この例えが好ましくなければ、暴走して脱線と言い換えても良い。要するに、端的にいえば、主権者である市民とそれを代表する議会を無視して市政が進められているということ。同様のことは、先に市議選で何人もの候補者がこのことを訴えていました。

8月の都市基盤整備特別委員会での20分の説明でサウンディングに突入

 民主主義が機能していないことの一例として、昨日は、駅前Aブロックを含む市有地の商業開発をあげました。9月の議会でその関連予算が認められなかった。そこで示された議会の意思を無視して、市長は11月12日に国土交通省が実施するサウンディングへの参加を強行しようとしている。

 ところで、今日、時間があったので、国土交通省のホームページを検索しました。その結果は驚きです。サウンディング参加の申込期限は、2021年8月20日となっていました。なんと、8月17日の都市基盤整備特別委員会の3日後。この委員会はネット中継で傍聴しましたが、サウンディングについて、説明はあったが議会の合意まではなかった。

 改めて、当日の議題を確認すると次のとおり。市の説明は全部で20分。

1)野洲駅南口周辺整備構想の一部見直しについて

2)複合商業施設の整備手法について

3)中部・近畿ブロック「サウンディング(官民対話)」の参加について

 これら3つの案件についての市の説明は全体で20分。出席していた議員の認識は知りません。しかし、少なくとも傍聴していて、駅前Aブロックを含む市有地の商業開発を前提にして、正式に対外的手続きを開始することの了承が得られたとは思わなかった。その後始まった市議会定例会では、そのための準備予算が認められなかったので、なおさらです。

 国土交通省のホームページで公開されている資料を見繕って添付しておきます。

 

「野洲駅南口複合商業施設整備事業」が公開済み! 審議会、まずは民主主義の回復から

 先ほどの国土交通省のホームページに戻ります。11月12日のサウンディングはWEB会議システムを使ってオンラインで開催。傍聴できるようですが、議会や議員には案内されているのか。

 当日の資料も国土交通省のホームページで公開されています。資料を見て、さらに驚きです。おそらく、これまでに公表された市の公式資料にはない事業名までが付いている。「野洲駅南口複合商業施設整備事業」。仮称という断りもついていないということは、市の事業として確立していることになる。駅前Aブロックには病院を整備することを定めた条例や構想があり、かたや商業開発関連の予算は認められていないのに、国のホームページには堂々と「野洲駅南口複合商業施設整備事業」と公表されている。通常であれば考えられないこと。これでは、野洲市政は、民主主義に基づく二元代表制の自治体でなく、すでに、市長の家業に陥ってしまっている。

 新しくはじまる議会には、今さらながらですが、まずは、早急に民主主義を回復するとことから始めることが期待されています。