市長は1千万円強の市税を使い、時間稼ぎのために、Bブロック病院の基本計画を策定していることになる

 昨日紹介したように、栢木市長を市議会の内外で支え、影響力を及ぼしている「立入三千男」現職候補がBブロックを含め駅前での病院整備を選挙公報で明確に否定している。加えて、Bブロック病院に賛意を表明している候補者は、市長擁立の候補を含めて皆無。異常を通り越している。

 これらの事実を単純に論理的に展開すると、選挙結果にかかわらず、Bブロック病院実現の可能性がないことが、自ずから明らかになってきます。ということは、栢木市長は1千万円強の市税を使って、時間稼ぎのために、活用される見込みのないBブロック病院の基本計画を策定していることになる。

 

市長の新人候補擁立理由は市長刎頸(ふんけい)の盟友「稲垣せいすけ」現職候補の公約から見えてくる

 それはさておき、それではなぜ、栢木市長は5人もの自派新人候補を擁立する必要があったのか?このことは、同じく栢木市長の刎頸(ふんけい)の盟友であり、駅前病院に強硬に反対している「稲垣せいすけ」現職候補の公約から見えてきます。

 選挙公報で「稲垣せいすけ」候補は次のとおり書いている。全文は公報で読めるので、文意を曲げないで、一部を引用します。

 「野洲駅南口整備はJR西日本グループ、そして大手不動産会社との共同事業体により実施します。初期投資に必要な前山仲市長時代の借金に対する償還金等の手当は、野洲駅南口【全】市有地の売買予約等を担保に捻出します。」、「低階層商業施設、及び快適性、くつろぎに満ちたタワーレジデンスを整備」。

 これは、要するに、駅前市有地1ha余りを民間に売却し、商業施設をダシにしてタワーレジデンス(高層分譲マンション)を建てようということ。

市有地売却議案を議会で可決できる過半数確保のため 遊休地でない市有地の売却はよほどの大ごと(スキャンダル) 

 公約では、事業者の固有名まであげたり、初期投資に必要な云々など、まったく意味不明なことを書いていますが、いずれにしても、市有地を売却するためには、議会の議決が必要。そのためには、議会で過半数を確保する必要がある。それを見越しての、5人もの市長派新人候補の擁立ということであれば、市長側の筋は通ります。

 市民のための拠点整備を目的に取得した土地をこのように売却することはトンデモないことで、認められることではない。それを前提の懸念ですが、候補者によってここで暗黙に想定されている土地の売却方法が、価格競争入札方式でない、市にとって不利な手法であること。このことは、栢木市長のサウンディングに絡む議会答弁からも伺われました。

 遊休地でもなく、逆に市の条例で縛られていて、多くの市民がその土地での早期病院建設を望んでいる市有地の売却などということは、自治体ではよほどの大ごと(スキャンダル)。しかし、もちろん意見表明の自由は保障されていますが、市長の刎頸の盟友の公約として選挙公報で堂々と表明されることは、今回の選挙の一面だけでなく、市の不安定な現状の一面も表しているように思えてきます。今回の選挙結果が市の健全化の方に振れることを期待します。