次回口頭弁論は来年! 市長も弁護士も欠席し、準備書面もなしのその後 

 去る10月7日に第1回口頭弁論が公開で開かれた病院住民訴訟。当日の状況は、原告の応援で裁判所に傍聴に行った市民の話から既に紹介しました。被告側は市長はもちろん弁護士も欠席。答弁書も、「原告らの請求を棄却する」という実質的にその一言だけで、準備書面も提出されなかった。そのうえ、被告の代理人の弁護士が欠席であったため、第2回口頭弁論の日も決まらなかった。

 その後の状況が原告側から伝わってきました。裁判所も入っての次回の日程調整が難航していて、なんとか12月中には、進行協議期日が持てるような状況とのこと。しかし、これは非公開で行われる。そのため、住民訴訟でありながら市民に公開される次回の口頭弁論は来年になる見込み。以前に予想したとおりです。

市長の露骨な引延し作戦は異例で、誠実性が欠如し、市民に対して敵対的

 以前の繰り返しになりますが、訴訟の中身は、今年5月に市民から提出された住民監査請求の内容と実質的には同じ。市長は、その時すでに弁護士に依頼して、陳述書を提出している。したがって、いつでも準備書面が出せるはずです。

 これは、被告である市長の露骨な引延し作戦。これまた以前書いたように、このようなやり方は、訴訟テクニック(戦略)としてはあり得ます。ただし、情報力や資金力などで立場の弱い原告である市民が使うなら、かろうじて理解できる。実際、栢木市長の後援会幹部や有力支援者が原告であった、かつての住民訴訟では、原告はそのテクニックを多用した。しかし、市長がその手法を使うことは、異例であり、誠実性の欠如。さらには、市民に対して敵対的な姿勢のあらわれ。

住民訴訟に勝つ自信がないことのあらわれ 市議選の自派候補大量擁立も同じ この状況を転換できるか?

 ただし、逆に、このことから見えてくることがあります。それは、実のところ、市長が今回の住民訴訟に勝つ自信がないということ。だから、見境なく、延ばしに延ばして、何とか逃げ切ろうという、姑息な魂胆が透けて見える。

 今回の市議選での自派候補の大量擁立も同様。一見勇ましいように見えて、実のところは、議会での正面からの議論を避けて、過半数をお仲間で固めて、水面下の事前調整と波風が立たない議会運営が狙い。そして、これまで以上に、市民に見えないところで、何でも思い通りに進めようとしている。

 しかし、たかがこのような単純な住民訴訟に正面から立ち向かえないようでは、もっと厳しい現実と渡り合う必要がある、病院の整備と運営や駅前大規模商業開発の実現はおぼつかない。その結果は、野洲市の健全な発展は望めない。実際、市長派候補者の選挙応援者のなかでは、病院なんか要らないという発言が交わされている。
 この内向きで展望の見えない状況を転換できるかどうかも、今回の選挙にかかっています。