第1回口頭弁論に市長も弁護士も欠席 準備書面もなし

 今日10月7日、住民訴訟の第1回の口頭弁論が公開で開かれました。原告の応援で裁判所に傍聴に行った市民から状況を聞きました。

 被告側は空席。市長はもちろん弁護士も出席していなかった。少なくとも代理人の弁護士は出席するのが普通。答弁書も「争う」という、訴訟の慣用語の訴訟に受けて立つという一言だけで、準備書面もなく、それ以上の内容がない。これはどうなっているのか?

 先の市議会定例会で巨額の弁護士費用が補正予算として可決されている。加えて、訴えは先々月の中旬。市長の反論なり弁明を述べる準備書面を用意する時間は十分あったはず。

住民監査請求と同じ内容だから準備書面はできたはず 弁護士予算も議決 職務怠慢 

 そもそも、訴訟の中身は、去る5月7日に市民から提出された住民監査請求の内容と実質的には同じ。市長は、その際すでに弁護士に依頼して、市長が行ったことの正当性を示す陳述書を提出している。さらには、議会でもこの件に関しては市長の見解を答弁している。今さら準備書面が出せないはずはない。

 これも、一昨日10月5日の市民団体との話し合いと同じように、選挙前には、一切情報を出さないという、戦略というより打算としか考えられない。 

 もちろん、このようなやり方は違法ではないし、訴訟テクニック(戦略)としてはあり得ます。栢木市長が先に取下げに同意した2件の病院住民訴訟の原告はこのテクニックを多用した。それらの訴訟の原告の大半は市長の後援会幹部や有力支援者であった。今回は、栢木市長がそのテクニックを最初から使おうとしている。

 しかし、訴訟を起こしたのは野洲市の市民。この対応は、市民への誠実な対応ではまったくない。さらに、この訴訟対応は、市長として市の公務として市の予算で行っているものであり、裁判所が決めた第1回口頭弁論において、何の対応も行わなかったことは、職務の怠慢ともいえる。

弁護士欠席で、次回日程も未定 次回は市議選で市長派議員過半数確保で来年3月の条例改正後? 

 通常は今日の終わりに次回の日程調整がされますが、今日は代理人の弁護士までも欠席であっため、次回の日程も決まらなかった。

 この限度を超えた不誠実さからは、次の市議選で市長派議員を過半数確保。そして、来年2月から始まる市議会で、駅前Aブロック病院を定めた病院事業設置の条例を市長派議員の賛成多数で改正。それまでは、次回日程を遅らせ、訴えの勢いを削ごうという下心が見え透いてくるようです。もしそうなら、市長自らが、裁判制度の規律をないがしろにすることになる。そのうえ、市民に向き合うことを避けていることにもなる。そのような推測は控えるのが普通ですが、今日の第1回口頭弁論での市長の驚くべき不誠実な対応は、動かしえない確かなその1歩の証左。

市長の支援者や信奉者は喝采気分かもしれないが、早晩そのツケが及ぶ恐れ 市政の私物化のあらわれ

 このようなやり方は、今に始まったことではない。繰り返して述べるまでもなく、この1年間近く市長によって度々使われてきました。市長の支援者や信奉者には、頼もしく、胸のすくようで喝采したい気分かもしれない。しかし、そのツケは、市長の方針に賛同していない市民にとどまらず、そうでない市民、さらには栢木市長を支援し、信奉している市民にも、遅かれ早かれそのツケが及ぶ恐れがあるのではないかと心配です。要するに、これは市政の私物化のあらわれ。