市長批判の市議選向け政策ビラ

 次の市議選に向けてのある現職市議の政策ビラがしばらく前から一部で話題に。お仲間であるのに市長批判をしているとの話は聞いていましたが、実物は見ていなかった。「公約違反の件についてはごもっともですが、その口が言うのか、という感想です。」というコメント付きのメールでビラの画像が市民から送られてきました。本人を応援していない人までが、図らずも広めてくれる、このような広報戦略もあるのかと感心しました。

盟友である議員が栢木市長の公約違反を批判?

 それはさておき、ビラの内容。詳しく紹介する気にはなれませんが、確かに最初に「栢木市長の公約違反・・・」と大きな字で掲げてある。続く文章には「民意が反映されていない政治に対しては全力で抗戦する・・・」とこの議員らしい勇ましい文言が連なっている。

 ある程度情報を持っている市民であれば、この議員と栢木市長とがお仲間、いや盟友であるといっても良い関係であることは知っています。したがって、このビラの内容には一見して意外性がある。なお、二人が、盟友関係であることは、ビラに「栢木市長を信じ行動を共にしてきた本職も市民に対し責任を痛感・・・」と書いてあることからも明らか。

 ただし、5年前の市長選では、当初二人は対立予定候補者。この議員も早くから事務所を構え、豪華な政策パンフレットを配布し、早々と街宣車を盛んに走らせるほどの活動を展開していた。ところが、選挙が近づいた時点で、立候補の準備活動を突然取りやめて、栢木候補に合流した。あっけない幕引きに、どのような調整が働いたのかと当時話題になりましたが、当人からの説明はなかったと記憶しています。

メッセージは市民に向けてのものというより、市長向けのもの

 このビラの内容に深入りするつもりはありませんが、この議員の意図するところは、市長を「当初の市民との約束を守るよう説得していきます」ということらしい。要するに、病院に関しては「野洲駅南口は断固反対」であり、市長には公約どおり現地で建て替えさせる。しかし、それがだめなら、「郊外」ということらしい。

 市長の公約違反の主張については多くの市民が賛同すると思いますが、公約どおり現地建て替え迫るということには、誰が見ても無理がある。本気で言うなら、責任を取って辞職しろということ以外ない。しかし、議員の意図はそこにはない。今の段階では盟友関係を保ちつつ、Bブロックを含め、「野洲駅南口は断固反対」という強いメッセージ。このメッセージは市民に向けてのものというより、市長向けのものと読み取れる。

 ところで、先の市議会定例会ではこの議員はこのような質問なり発言なりはしていなかった。むしろ、本会議での質問はなく、それどころか3日間の質問日のうち、最初の2日間はどういう事情か本会議を欠席していた。なぜ、今、市長の盟友から選挙に向けての政策ビラでこのようなメッセージが発せられるのか?市民の理解を超えて、野洲市の揺らぎと謎としか言いようがない。