市議選まで残すところ20日 市長の奔走に熱が入っている 

 市議会の定例会が終わり、10月の市議選まで残すところ20日。立候補予定者とその支援者にとっては、慌ただしさのさなか。先の立候補予定者説明会の出席は代理も入れて23人だったようですが、後日現職1人が書類を取りに行った。したがって、今のところ少なくとも24人が立候補の意向。そのうち少なくとも5人はいわゆる栢木市長派。市長の奔走に熱が入っているという話。

 とりわけ、先の議会で市長提案の2つの議案が提案どおり認められなかった。それで、本人はもちろん支援者までも一層真剣度が増しているようです。

地域政党の立ち上げ? 「もったいない」にかわって「身の丈に合った」?

 市長と考えを同じくする、あるいは頭から市長に賛同してくれる候補者を5人も擁立しようという意気込み。これは、以前も書いたとおり、地域政党の立ち上げのようなこと。かつて滋賀県での地域政党の先例では、「もったいない」というキャッチフレーズがあった。今回は、どのようなフレーズなのかは聞こえてこない。勝手に想像するなら、「身の丈に合った」。先輩のダム中止と市長の駅前病院中止というところは、よく似ている。それに、栢木市長もかつて候補者時代に、その先輩から応援を受けているところをテレビが報道していた。

 

 

 

当面必要なのは理念でなく、議会での過半数確保 当選確実と自ら触れまわっている予定者も

 しかし、栢木市長とその支援者にとってたちまち必要なことは、理念よりも、議会での過半数の確保。とくに、病院と駅前関連議案が思いどおりに可決される議会の構成。ただし、今回のように議会で認められなくても、「自前で準備」宣言のごとく、強引に押し切るのであればどちらでもよさそうなもの。

 とはいっても、円滑に可決されるに越したことはない。ストレスはたまらないし、住民監査請求や住民訴訟のリスクを抱え込まなくてもよい。ということで、5人もの擁立に至ったものだと思います。他の立候補予定者は、市長陣営には組織力があるからと警戒しているようです。どういう組織力なのかわかりませんが、いずれにしろそれなりの資源と労力、エネルギーの投入は必要。その効あってか、元市職員であった立候補予定者などは、市長の威光なるものを背景に、早々と当選確実と自ら触れまわっていると伝わって来ています。

市議選に奔走するより透明性と正攻法で 奔走すれば市長の信任投票になる

 上で述べたように、今回の議会結果で、市長提案を認めなかった議員に対して、市長はじめ支援者の非難と反発が一段と高まっている模様。しかし、このような事態に至った原因は客観的に見て市長の側にある。身から出た錆。

 改めて繰り返すのも嫌になってきますが、就任直後に議会との協議もなく、駅前病院の設計中止と解約。その後の公約の撤回など、いずれも市長が先に仕掛けてきたこと。議会の再三にわたる情報の公開や協議の要請に耳を傾けなかった。かたや、議会の方では、現地半額建て替え検討の予算を可決するなど、融和の姿勢は示していている。どちらに理があるのかは明らか。

 いずれにしても、市議選に奔走するよりは透明性を保ち議会や市民を交えた協議によって構想や計画をつくる。そして、必要ならまずは条例を改正するという正攻法で建設的な市政を進めれば、このような事態にはならなかった。おそらく市長も覚悟の上だと推測されるが、市長が奔走すれば市議選が市長本人の信任投票になり変わります。