午後遅くから急に爽やかな秋空に 

 台風14号が東シナ海に停滞してはいますが、午後遅くから急に爽やかな秋空に変わりました。それにつられて、近くを歩きました。三上山が澄んだ青空にくっきりと浮かび上がり、道端には彼岸花が咲きはじめていました。ただ、この爽やかさもあと1日。台風が動き出すと、どうなるか予想もつかない。

3月より格段に傷は深い 議会自らが可決して制定された条例に反する提案

 ところで、昨日9月14日の市議会の委員会の結末のわかりにくさは、この明るさ、爽やかさとは好対照。今朝の新聞記事を読んでも解けません。市議会も明日は休会日で、明後日17日で閉会。まさに、台風がこちらにも向かって来る頃です。

 このわかりにくさを共有している市民は少なくないようですが、議員の方はどうなのか?誰かが筋書きを抑えていて、その通りになっているのか?このままの流れからいくと、結果は昨日と変わらず、焦点の補正予算案は本会議で最終的に否決。しかし、そうでなく、何らかの力か調整が働いて、万一、3月議会と同じように逆転可決となった場合は、あの時と比べ格段に傷は深い。

 3月の予算案の場合は、病院の計画等見直し予算といういわゆる枠取り予算であったため、中止されたAブロック病院を対象にするという理屈もついた。その時は当然Bブロック方針は出ていなかった。

 しかし、今回の場合は、Aブロックに病院でなく、複合商業施設を誘致するための導入予算。Aブロックに病院と定めた駅南口の構想と病院設置の条例がそのままである。そのようななかで、議会自らが出したAブロックに病院という決議があるにもかかわらず、その予算案の一部を認めるという田中陽介議員の修正案はわかりにくい。また、それに賛同した橋俊明会派の対応もわかりにくい。

 仮に一部でも認めるなら、これまで議員たちが質問などで市長に対して厳しく指摘してきたように、まずは、構想と条例を正面から俎上(そじょう)にあげ、条例を議案として審議してからでないと、フライングになる。結果として、議会自らが可決して制定された条例に反する提案をしていることになってしまう。

何もかも不明と未決であることが原因

 わかりにくさについてはこの辺りで終えて、なぜそうなるか考えてみます。それは、端的に言えば、不明と未決が原因。

 病院の現地半額建て替え検討が非公開で行われたことからはじまって、重要な情報は実質なにもかも非公開。市民代表である議会が求めても、市広報に載せるからといって出てこない。そして、その広報情報も不十分で不正確。このような状況では、まともな議論や審議はできない。そこに近づいてくる市議選を含め、さまざまな社会情勢が影響する。推測ではありますが、そのようななかで生じる議会のわかりにくさではないか?

 たとえばBブロック病院。なぜBブロック病院なのかわからない。多くの市民が狭いと心配しているし、十分な駐車場が取れないことは明らか。また駅前ロータリーからは車道を横断しなければたどりつけない。

 そのうえ、市長はまだ病床数も決まっていないと今議会で答弁している。それをだれがいつ決めるのかもわからない。このような状況なのに、1千万円を超える市民の税金によって、計画づくりを発注。それでは、それを受注した業者が決めるのか?それは無理な話。施主を差し置いて、決められるはずがない。ということは、実質、何もかも不明で未決。

Bブロック病院見通し明確なら、市民も安心でき、Aブロック議論も可能 今は暴挙

 本来であれば何でもないことですが、Bブロック病院の見通しがもっと明らかで確かなものであれば、市民も安心できる。議会も条例改正に応じることができるはず。そうなれば、次の段階として、複合商業施設が良いかは別として、Aブロックに病院以外の計画の議論が俎上に乗ってくる。しかし、Bブロック病院が市民が期待しているものであることの確証が得られない。これでは、地盤が安定していないところに、家を建て、町をつくるようなもの。

 いずれにしても、今のままでは、市長のやり方は暴挙以外の何ものでもない。議員の人たちもそれに振り回されているのではないか?

爽やかな秋空と対照的な黒塗り文書 市長を象徴するパワハラ審査表 審査の正当性も疑われる

 ところで、今日の爽やかな秋空とは対照的な書類が市民から届けられました。5枚のうちの1枚だけを貼り付けておきます。先のBブロック病院のプロポーザルの審査用紙なるもの。審査員が付けた点数を知りたいため、公文書公開の手続きで求められた。真っ黒です。審査員である職員名が伏せられて、点数は公開されるものと請求者は期待していた。しかし、逆で、肝心の点数が黒塗り。公務員である市職員がつけた点数は、プロポーザルの参加者のものでなく、市の、言い換えれば市民の情報。隠す必要はない。

 請求した市民が納得し、私もその思い賛同できるなら、わざわざ紹介はしません。しかし、これでは、「市は、市が保有する公文書が、市の政策決定過程及び市の実施する手続の決定過程を記録した市民共有の重要な知的資源である」(「野洲市公文書の管理に関する条例」第3条)という規定と現実との落差が大きすぎる。

 そもそも審査用紙自体に審査員名はいらない。匿名でよい。ところが、これにはあらかじめ印刷までしてある。特に今回のように、参加が1社だけで、市長が1社の参加があったことを感謝しているような場合、低い点数を付けた職員は睨まれる。複数社が参加の場合は、低い点数を付けても多分どこかが合格するから問題ない。しかし、1社の場合、「最低評価点」や「最低基準点」が設定されていたとしたなら、その点数以下を付けた職員は睨まれるどころでは済まない。したがって、この審査用紙はそもそも、パワハラになります。

 黒塗りをはじめ問題のデパートのような審査用紙ですが、あと一つ二つ。用紙の表題が審査用紙となっていないことと、この用紙では200点満点であることが確認できないこと。これでは、黒塗りである以前の問題として、審査の適正さと正当性までが疑わしくなってくる。

 いずれにしても、この用紙は市長の進め方を象徴している。不明と未決で闇のなか。17日の市議会最終日にはこの闇が少しでも晴れることを期待しています。