10月の市議選の立候補者説明会 23~24人が立候補見込 地域政党づくりの様相

 先週土曜日、9月4日に10月の市議選の立候補予定者説明会がありました。この日の出席者の状況からは、23~24人の立候補が見込まれるとのこと。現職18人のうち、少なくとも、3人が立候補しないようなので、新人が少なくとも8人と見込まれます。もちろん説明会への出席は必須ではないので、さらに増える見込みはあります。定数18に対してこれだけの立候補は異例。

 このような状況が見込まれるようになっているのは、まずは、立候補しようという思いを強く持っている人が多いという単純な理由があります。そして、その背景として、政治、とりわけ市政への関心の高まり。いずれも民主的なまちづくりにとっては、健全で良いこと。

 ただし、今名前が伝えられている新人8人の内訳を少し子細に見ると、このうち2人は政党所属議員の交代。したがって、いずれかの政党員であったとしても、おそらく政党を表に出さないで立候補すると思われる議員が、今のところ少なくとも6人。そして、この6人のうちの5人までもが、議員になってから栢木市長を支援する意向を持っている、または栢木市長の支援を受けて立候補する候補者であると伝えられている、いわゆる市長派の候補者。栢木市長の地域政党づくりの様相。

市長派候補者全員が当選ならBブロック病院とAブロック事業が順風に押されてスムーズに進む

 これまで、病院と駅前問題では、市長の進め方に手放しで賛同してきた議員は、4~5人。これに加えて、この新人5人全員が当選すれば、半数か過半数に達します。そうなれば、市長のこれまでどおりのやり方、議会や市民には情報を公開しない、議会に対して協議もなしで一方的な説明だけで押し通す。このようなやり方やそれでもって進めてきたBブロック病院とAブロック事業に対しても、議会では批判や異論が出て困ることはなくなる。また、本来は就任早々に行うべきであった病院事業設置条例の改正、さらには駅前市有地の民間への売却議案なども可決される。これまで、逆風のなか、なんとか強引に押し通してきたことが、順風に押されるようにスムーズに進む。これが、昨年から早々と候補者の擁立に奔走してきた市長やその支援者のねらいだと言われている。過半数を確実にするために、もう1、2人立候補するかも知れない。

Bブロック病院とAブロック事業は現地半額建替え公約ほど魅力ない 市長派候補者の発信に注目

 ところで、このいわゆる市長派の候補者の人たちはどのような政策を市民に訴えるのか?子育て支援や福祉、教育、環境、防災などについては、一般的な課題をあげて解決に取組むということでも通用する。もちろん、野洲幼稚園や第3保育園の改築、学校の大規模改修や学童保育の増設など課題はあります。しかし、市長が掲げている行財政改革をのぞいてはあまり具体的に訴えすぎると市長の立場を悪くする。

 問題は、Bブロック病院とAブロックの民間関与の複合商業施設誘致。これらの問題については、市長派の候補者の人たちとその支援者の人たちは、市長の方針とその進め方に全面的に賛同しているはず。そのことを、事前活動のパンフレット資料などや選挙戦のなかでどれほど明らかに訴えるのかが注目です。というのは、今栢木市長が掲げている、Bブロック病院とAブロック複合商業施設方針は、昨年秋の選挙の現地半額建替え公約ほど魅力的な装いを帯びていないからです。いずれの立候補予定者とその支援者にとっても、多数激戦の選挙ですが、それに加えて、Bブロック病院とAブロックに関してどのようなメッセージを発信するかが市民が注目するところです。